1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/28(木) 09:27:25.60 ID:VcemTZuk0
櫻子「ねえ向日葵……」
向日葵「……?」
櫻子「あの、えっとさ……」
向日葵「どうかしましたの? そんな煮え切らない態度、いつもの貴女らしくもない」
櫻子「……なっ、何でもないよバーカバーカ!!」
向日葵「はぁ!?」
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/28(木) 09:34:26.80 ID:VcemTZuk0
櫻子「あ……、いや、じゃなくてその」
向日葵「櫻子にだけはそんなこと言われたくありませんわ!」
櫻子「むっ! 何その言い方ー!? どういう意味!?」
向日葵「自分の胸に聞いてごらんなさい」
櫻子「胸!? そんなに巨乳をアピールしたいか!」
向日葵「どうしてそうなるんですの!?」
櫻子「なんでってそりゃ……ああ、もうっ! 覚えてろよ馬鹿向日葵ー!」
向日葵「ちょっと、櫻子!?」
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/28(木) 09:38:45.68 ID:VcemTZuk0
向日葵(走ってどこかに行ってしまいましたわ……)
向日葵(いったいなんだったんでしょう)
向日葵(最近のあの子はいつもこの調子ですわ)
向日葵(何かを言いかけては止めて、すぐにそれを誤魔化すように暴言を吐いて)
向日葵(幼馴染の私にも言いづらいことがあるのでしょうか……?)
向日葵(あんな子のこと、どうだっていいけれど……)
向日葵(でも、やっぱり……、気にならないと言えば嘘になりますね……)
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/28(木) 09:45:52.05 ID:VcemTZuk0
向日葵(うーん。あの子に直接事情を聞いても、どうせ逃げられてしまうでしょうし……)
向日葵(いったいどうしたものかしら……)
あかり「あっ、向日葵ちゃんだ! おーい!」
向日葵(妹の楓をさしむけるとか?)
向日葵(……なんて、さすがにあの子にそんな役はつとまりませんわね)
あかり「向日葵ちゃーん! あかりだよー!」
向日葵「はあっ。弱りましたわね……」
あかり「向日葵ちゃーん!!」
向日葵「あら? 赤座さん?」
あかり「やっと気がついてもらえた……」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/28(木) 09:54:11.28 ID:VcemTZuk0
向日葵「ごめんなさい。少し考えごとをしていたもので」
あかり「もしかしてあかり、お邪魔虫だったかな? ごめんね」
向日葵「いえいえ! 大したことではないんです、気にしないでください!」
あかり「そう……?」
向日葵(本当に絵に描いたようないい子ですわね)
向日葵(学校で櫻子なんかとよく話しているのが不思議なぐらい)
向日葵(……ん?)
向日葵(そうですわ! 赤座さんを通してなら、櫻子の気持ちが聞き出せるかも!)
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/28(木) 10:00:31.47 ID:VcemTZuk0
向日葵「赤座さん! 実はたってのお願いが……って、あら? いない?」
あかり「おーい、向日葵ちゃん。あかりはこっちだよー」
向日葵「あら? ……すっ、すみません。ついうっかり見失ってしまったようですわ」
あかり「私こんな近い距離で見失われるの!?」
向日葵「本当にごめんなさい……」
あかり「あっ、ううん! いいの、慣れてるから……」
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/28(木) 10:07:52.51 ID:fj4ZFg7S0
\アッカリ~ン/ 13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/28(木) 10:09:37.46 ID:VcemTZuk0
あかり「それでお願いごとって?」
向日葵「赤座さんは割とよく櫻子と話をしていますわよね?」
あかり「うん。櫻子ちゃんいい子だよね!」
向日葵「櫻子がいい子かどうかは疑問ですが、それはひとまず置いておくとして……。
赤座さん。貴女の口を通して櫻子におたずねしていただきいことがあります」
あかり「私の口を通して?」
向日葵「ええ。お願いしてもよりしいでしょうか?」
あかり「うん、そんなことでいいのならいくらでも聞くよ!」
向日葵「感謝しますわ、赤座さん!」
あかり「それで、櫻子ちゃんになんて聞けばいいの?」
向日葵「そうですわね……。最近何か悩み事でも無いかどうか尋ねていただけますか?」
あかり「分かった! 悩みがあるかどうか聞けばいいんだね!」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/28(木) 10:16:19.08 ID:VcemTZuk0
櫻子「向日葵のばーか……」
あかり「おーい、櫻子ちゃーん!」
櫻子「ん? どこからか私を呼ぶ声が」
あかり「櫻子ちゃーん!」
櫻子「「あれ!? 声が聞こえるのに姿が見えない!?」
あかり「私はここだよ、櫻子ちゃーん!!」
櫻子「まさかこれって幽霊!? うわすっご! 後で向日葵に自慢してやろうっと!」
あかり「さーくーらーこーちゃん! 幽霊じゃないよ、あかりだよー!」
櫻子「えっ……? おっ、あかりちゃんじゃん! 偶然だねー!」
あかり「あかりそんなに存在感ないかなぁ……」
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/28(木) 10:20:48.06 ID:VcemTZuk0
あかり「えーっとね。実はあかり、櫻子ちゃんに聞きたいことがあるんだ」
櫻子「聞きたいこと?」
あかり「櫻子ちゃん、最近悩み事とかない?」
櫻子「悩み事ー? あはは、この櫻子様に限ってまさかそんな!」
あかり「本当に?」
櫻子「うーん。まあ……、全くないということもない、かもしれないけど」
あかり「やっぱり! 向日葵ちゃんも心配してたよ?」
櫻子「えっ!? どうしてそこで向日葵の名前が出てくるの!?」
あかり「あっ……」
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/28(木) 10:34:41.22 ID:VcemTZuk0
櫻子「ひーまーわーりー!」
向日葵「櫻子?」
あかり「向日葵ちゃん、ごめんね……」
向日葵(ああ……。大方、赤座さんが私の名前でも出してしまったんですのね……)
向日葵(赤座さんいい子過ぎるから……)
櫻子「あかりちゃんは謝る必要なんてない! 悪いのは全部このおっぱい星人だ!」
向日葵「……確かに赤座さんを間にはさんだのはやり方が回りくどかったかも知れません。
ですが、私はただ櫻子のことが心配で―――」
櫻子「ははーん! 読めたぞ!
私の悩み事を聞き出そうとしたのって、どうせ私の弱点を探るためだろ!」
向日葵「は……?」
櫻子「生徒会選挙で私に勝てる自信が無いから卑怯な手を使って勝とうとしたんだなー!」
向日葵「……」
櫻子「やーい! ずるっこずるっこ! 所詮向日葵なんてその程度の」
向日葵「……呆れた」
あかり「あわわわわ……」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/28(木) 10:41:29.87 ID:VcemTZuk0
向日葵「はあ……」
櫻子「なんだよ! やる気なら受けて立つぞ!? しゅっしゅ!」
向日葵「いえ……、もう櫻子のことなんて知りませんわ」
櫻子「えっ?」
向日葵「人が珍しく気を遣ってみれば、こんな謂れのない非難を受けて……」
櫻子「向日葵……?」
向日葵「なんだかどっと疲れましたわ……。もう好きにしてください」
櫻子「にっ、逃げる気か!?」
向日葵「そう解釈したいならお好きなように。私はこれで失礼しますわ」
櫻子「え……?」
あかり「あかりは無力だよ……」
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/28(木) 10:47:33.20 ID:VcemTZuk0
櫻子「なんだよ向日葵のやつ……。張り合いのない……」
あかり「櫻子ちゃん……」
櫻子「向日葵がそんなずるいこと考えない奴だってことぐらい知ってるっての……。
ちょっと挑発しただけなのに、本気にして……」
あかり「あのね。向日葵ちゃんは、本当に櫻子ちゃんのことを心配してたと思うよ?」
櫻子「分かってるよそのぐらい」
あかり「そうなの? だったらどうしてあんな……」
櫻子「だってなんかムカつくんだもん!!」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/28(木) 10:57:21.78 ID:VcemTZuk0
櫻子「私はこんなに向日葵のせいで悩んでるのに、向日葵は全然そんなこと気がつかなくって!」
あかり(櫻子ちゃんが向日葵ちゃんのことで悩んでる?)
櫻子「というか、この私が向日葵なんかのせいで悩んでるっていう事実がまずムカつく!!」
あかり「よ、よく分からないけど、それはちょっと理不尽なんじゃ……」
櫻子「ああー、もう! 何なんだよこの気持ちー!
なんで向日葵に冷たい態度取られたぐらいで、こんな……」
あかり「櫻子ちゃん……?」
櫻子「う、ぐすっ……、こんな、悲しいの……?」
あかり「……」
櫻子「どうしようあかりちゃん……。向日葵に嫌われちゃったよぉ……」
あかり「そんなことないよ。向日葵ちゃんなら謝ればきっと許してくれるよ」
櫻子「そんなことできるわけないよ……。
だって向日葵といると、自分が自分じゃなくなっちゃうんだもん……」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/28(木) 11:01:57.26 ID:n5CfwkqA0
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/28(木) 11:04:41.77 ID:VXmcY/850
ゆっりゆららららっゆるゆり!! 29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/28(木) 11:07:01.59 ID:VcemTZuk0
あかり「自分が自分じゃなくなる?」
櫻子「うん……。向日葵といると、
なんか頭がカーッてなって、つい思ってもいないことを言っちゃうんだ……」
あかり「……」
櫻子「あと、なんか身体の調子もおかしくなる。
病気になったみたいに胸が苦しくなって、少しくらくらして」
あかり(それが櫻子ちゃんの悩み……)
櫻子「昔は普通に仲良く話せてたのに、どうしてこんな風になっちゃったんだろう……?」
あかり「大丈夫。きっと戻れるよ」
櫻子「えっ?」
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/28(木) 11:14:38.64 ID:VcemTZuk0
櫻子「そんなの無理だよ。だって私、向日葵を見るとひどいことばっか言っちゃうし……」
あかり「そういう時は無理に何もしゃべらなくていいんだよ」
櫻子「……?」
あかり「櫻子ちゃん。私の手を取ってみてくれる?」
櫻子「うん……、分かった」
あかり「それは手じゃなくてお団子だよ」
櫻子「あ。ごめん、つい」
あかり「……それでね、そのまんまあかりの目を真っ直ぐ見てくれる?」
櫻子「うん」
あかり「……そっちはあかりのいる方じゃないよ」
櫻子「あ。ごめん、つい」
あかり「……」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/28(木) 11:19:14.86 ID:VcemTZuk0
あかり「こうして手を取り合って、相手の顔をじっと見ると……。
ね? なんだか相手の気持ちが伝わってこない?」
櫻子「……そうだね」
あかり「ちなみにあかりが今何を考えているか分かる?」
櫻子「目立ちたい目立ちたい目立ちたい」
あかり「櫻子ちゃんと向日葵ちゃんが仲直りできますように、だよ!?」
櫻子「ええっ!?」
あかり「全然駄目だったぁ……」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/28(木) 11:34:21.85 ID:VcemTZuk0
櫻子「ちなみにこの方法、誰から教えてもらったの?」
あかり「あかりのお姉ちゃんだよ」
櫻子「へえー」
あかり「いつも姉妹仲良く気持ちを通じ合わせられますようにって、
毎日一回かかさずこれをやるんだー!」
櫻子「仲良いんだね!」
あかり「えへへ」
櫻子「今回は失敗しちゃったけど……。今度困った時は、この方法を使ってみるね」
あかり「うん!」
櫻子「うおおー! なんかいける気がしてきたぞー!」
あかり「櫻子ちゃんファイト!」
櫻子「ありがとね、あかりちゃん!」
あかり「あかりがいるのはこっちだよ……」
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/28(木) 11:42:57.93 ID:VcemTZuk0
ぴんぽーん
向日葵(来客? 誰でしょうか)
向日葵「はーい。今開けます、わ……?」
櫻子「……」
向日葵「……」
櫻子「……ち、ちーっす」
向日葵「何の用ですの?」
櫻子「むっ。せっかく櫻子様がわざわざ出向いてやったのに、そんなつっけんどんな言い方……」
櫻子(いやいやいや! このままじゃまた余計なこと言っちゃう!)
櫻子(こういう時は……、あかりちゃんから教わったやり方で……)
櫻子(だからその、まずは向日葵の手を握らなきゃ……)
櫻子(向日葵の手を……、向日葵の……)
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/28(木) 11:51:04.86 ID:VcemTZuk0
櫻子「……ん!」
向日葵「はい?」
櫻子「んー!」
向日葵(何ですのこれは……?)
向日葵(泣きそうな顔で、手を差し出してきて……)
向日葵(手を握りでもすればいいんですの?)
向日葵「これでいいのかしら……?」
櫻子「!?」
櫻子(ひ、ひひひ、向日葵の手が私の手に!?)
櫻子(いやいやいや、分かってたことじゃん!)
櫻子(そもそも何を向日葵ごとき相手に焦ってんのさ私!?)
櫻子(手なんていくらでも握ったことあるし……)
櫻子(……)
櫻子(ああああー、もう! なんでこう落ち着かないんだよ! 手汗が気になるー!)
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/28(木) 11:59:06.83 ID:VcemTZuk0
櫻子(それでこの後は、相手の目をじっと見ればいいんだっけ!?)
櫻子(……大丈夫かな? 今の私変な顔してないかな?)
櫻子(ええいっ! ここまできたら後はもうやけだ!!)
向日葵「……」
櫻子「あ……」
櫻子(向日葵、少し顔が赤くなってる……)
櫻子(ほんのちょっとだけ……、可愛い、かも……)
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/28(木) 12:05:33.48 ID:VcemTZuk0
櫻子「あのさ……」
向日葵「ええ……」
櫻子「今の私の気持ち、どんなんか分かる?」
向日葵「お腹空いたー、クッキーが食べたいー、とでもいったところかしら?」
櫻子「なっ!? ちょっと待てコラー!」
向日葵「ふふぅ。冗談ですわ。……そんな顔をされたら嫌でも分かります」
櫻子「……あ、そう」
向日葵「ええ……」
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/28(木) 12:20:04.12 ID:VcemTZuk0
櫻子「よし、決めた! 向日葵はこれからも私の下僕で居続けること!」
向日葵「はぁ!? 誰が下僕ですって!?」
櫻子「ずっとずっとずーっと、私の為にそばで尽くしつづけなさい!」
向日葵「何ですのそれは……」
櫻子「拒否権は無ーし!」
向日葵「はあっ……。どうして幼馴染は選ぶことができないんでしょうか……」
櫻子「んなもん当ったり前じゃん! 何言ってんだか!
私の幼馴染は向日葵だし、向日葵の幼馴染は私! そんなん誰にも変えられないよ」
向日葵(まあ……、もしかしたら私は、これで案外運がいいのかもしれませんわね)
向日葵(櫻子が幼馴染だと、退屈しませんもの)
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/28(木) 12:28:18.82 ID:VcemTZuk0
櫻子「ってことで、お腹空いたからクッキーでも焼いて!」
向日葵「けっきょくそれですの!?」
櫻子「あはは! 気にしない気にしない!」
向日葵「はいはい。調子がいいんだから」
櫻子「……いつもありがとね、向日葵」
向日葵「え?」
櫻子「ううん、何でも!」
向日葵「……」
向日葵(どういたしまして)
いったんおわり
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/28(木) 12:29:53.75 ID:VcemTZuk0
ちょっと休憩
昔拾ったお気に入りの画像

56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/28(木) 13:12:48.66 ID:Yed18kmf0
乙 57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/28(木) 13:23:18.91 ID:blr7/7K00
アッカリーン 59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/28(木) 13:54:50.70 ID:CopnISS60
\ホッシュリーン/
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GJ!!!