1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 00:20:45.37 ID:UJPcG99t0
あかり「影が薄いとか言って空気扱いしたり、初めてのキス奪ったり」
あかり「ねんどであかりの生首作って壊したり……もうたくさんだよっ!」
結衣「お、落ち着いてあかり」
京子「うんうん。あれは私たちなりの愛情表現であって……」
あかり「愛情表現なんてものじゃないよ! やられる側からしたらすごくショックなんだよ?」
ちなつ「キスのことはごめんね。反省してる」
あかり「反省したても、
あかりのファーストキスの相手がちなつちゃんだってことは変わらないんだよ」
結衣「あかり、深呼吸しよう」
あかり「ふんだ。そもそもあかりをバカにする原因作ったのは結衣ちゃんなんだよ!」
結衣「え……?」
あかり「アッカリーン、なんて言葉を作るから……」
結衣「そ、それは……確かに私が原因だな。ごめん」
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 00:26:06.63 ID:UJPcG99t0
京子「ど、どうすれば許してくれるのかなぁ、あかりさんや?」
あかり「今さら何しても許さないもん」
結衣「許さないって、具体的に言うと?」
あかり「う、うーん……えっと」
ちなつ「考えてなかったんだね」
あかり「か、考えてあるもん!」
京子「ほほーう、では聞かせてもらおうじゃないか」
あかり「金輪際みんなとは口を聞きません!」
みんな「!」
あかり(ここまで言えばみんな必死に謝ってくるよね……)
京子「それ今とあんま変わんなくない? あかり無言でも会話成り立……」
結衣「バカ!」
京子「あ」
あかり「うっ……ううっ……うぇえええんっ! もう本当に口きかないんだからぁあああっ!」
ちなつ「ま、待ってあかりちゃん!」
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 00:26:54.00 ID:511F3pVN0
ひどいwww 6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 00:28:00.75 ID:hdLaUsR90
あかりは本当に天使っすなぁ… 8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 00:32:16.41 ID:UJPcG99t0
結衣「行っちゃった。おい京子、お前なんてことを」
京子「ごめん。つい」
ちなつ「つい、じゃないでしょう……どうします?」
結衣「明日みんなで謝ろう。簡単に許してくれるとは思えないけど、そうするしかない」
ちなつ「あかりちゃんの台詞から考えると、最初は本気じゃなかったんでしょうね」
結衣「どこぞのバカのせいで本気になってしまったみたいだけどな……」
京子「は、反省してます。はい」
結衣「こんな空気じゃ部活する気にはなれないな。悪いけど、今日はもう帰るよ」
ちなつ「結衣先輩がそう言うなら、私も!」
京子「そっか、じゃあ解散ってことで……」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 00:36:28.35 ID:UJPcG99t0
あかり(最初は本気で言ったわけじゃなかった)
あかり(みんな最近あかりのことネタにしすぎだよー、って言うぐらいの気持ちだった)
あかり(でも、でも、京子ちゃんが……あかりのことをそんな風に思ってたなんて)
あかり(きっと結衣ちゃんやちなつちゃんも同じような感じなんだろうな)
あかり(影でずっとあかりのことバカにしてきたんだ)
あかり(なら、もうお話しなんてしたくないよ)
あかり(…………)
あかり(夢だったらいいのにな)
17 :一瞬停電した。書き込めなくなるかも:2011/08/25(木) 00:41:16.35 ID:UJPcG99t0
次の日――
京子「あかり遅いなー」
結衣「昨日あんなことがあったんだし、今日はこないんじゃないか」
ちなつ「家まで行ってみます?」
結衣「そうだね、行ってみよう」
京子「あかりが扉を開けた瞬間に土下座かな」
結衣「それは……どうなんだろう。逆にバカにされてると思うかも」
ちなつ「まずは普通にごめんなさいですよね」
結衣「うんうん。そして一緒に登校しようと誘って、歩きながら弁解する」
京子「まー、無難なほうがいいか。今回ばかりは」
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 00:48:51.69 ID:UJPcG99t0
あかりの家――
京子「ピンポーン」ピンポーン
ちなつ「口に出す意味ってあるんですか?」
京子「ない!」
結衣「そんな張り切って言われても困る」
あかり母「はいー、あら京子ちゃんに結衣ちゃん、それにちなつちゃん。おはよう」
京子「おはようございます。あの、あかり居ますか?」
あかり母「あら、一緒じゃないの? もう学校に行ったのだけれど……」
結衣「そ、そうですか。待ち合わせ場所間違えたのかな、あはは……お邪魔しました」
ちなつ「お邪魔しましたー」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 00:56:54.72 ID:UJPcG99t0
ちなつ「一人で学校行っちゃんだ、あかりちゃん」
結衣「うーん、休み時間にあやまるしかないな。学校着く前に何とかしたかったんだけど」
京子「学校ねぇ……結構ギリギリに着きそうだから
授業前に謝るのは無理そうだし、私と京子は2時間目体育だぞ」
ちなつ「私のクラスは3時間目が体育ですね」
結衣「みんなそろって謝れるのはお昼ってことか」
京子「うーん、昼ご飯速攻で食って……いや、待てよ? いいこと思いついた」
ちなつ「嫌な予感しかしないんですけど」
結衣「うんうん。不安だ」
ちなつ「とりあえず、午前中は私の方で話しかけてみます」
結衣「お願いね、ちなつちゃん」
ちなつ(ゆ、結衣先輩からお願いされちゃった!
キャーッ! チーナが絶対に何とかしてみせます結衣先輩っ!)
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 01:01:20.07 ID:UJPcG99t0
教室――
ちなつ「間に合ったぁ……おはよう、あかりちゃん!」
あかり「…………」
ちなつ「き、昨日はごめんね」
あかり「…………」
ちなつ(うぅ、本当に口きいてくれない。
でも諦めないんだからね、結衣先輩とも約束したんだから!)
ちなつはあかりから少し距離を取ると、その場で華麗に回転をし始め……
かっこよさそうなポーズをして止まる。
ちなつ「魔法少女ミラクルん、華麗に参上! あかりちゃんのハートにドッキューン♪」
あかり「…………」
クスクス ナニアレー
ちなつ(こ、こんなに痛いことしたのに無反応!? むしろあかりちゃんの表情が暗くなってる!?)
ちなつ(なんでなの……?)
先生「おい授業はじめんぞ。吉川、次に変なポーズしたら爆発な、爆発」
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 01:01:32.44 ID:fH/pmMTpO
やだ、恥ずかしい… 34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 01:08:23.09 ID:UJPcG99t0
休み時間――
櫻子「ちなつちゃん、朝のあれ何? ミラクルんのマネ?」
ちなつ「うぅ、忘れて……」
向日葵「どこかで聞いた台詞だと思ったのですけれど……確か赤座さんが自己紹介で言ってましたわね」
櫻子「あぁ、あの痛さのあまり教室中が凍ったやつか」
ちなつ(やってしまったぁあああっ! トラウマを掘り返すなんて嫌がらせ以外の何者でもない!)
ちなつ(私のトラウマであるミラクルんと、
あかりちゃんのトラウマの台詞をくっつけてダブルトラウマ!)
ちなつ(って何を意味のわからないことを言ってるのチーナ!)
向日葵「吉川さん、赤座さんと何かありましたの?」
ちなつ「へ?」
向日葵「いつもなら休み時間ずっとお話ししてらっしゃるのに……今朝も様子が変でしたし」
ちなつ「えっと、その……ちょっとケンカ、したっていうか、そんな感じ」
櫻子「あかりちゃんとちなつちゃんがケンカぁ? 想像できないんだけど」
向日葵「櫻子と同意見ですわね。あんなに仲よかったのに」
ちなつ「まぁ、私たちが一方的に悪いんだけどね……」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 01:12:12.20 ID:UJPcG99t0
櫻子「私たち?」
ちなつ「あ、なんでもないよ!」
向日葵「? まぁ、いいですけれど……」
櫻子「私あかりちゃんのところ行ってくる!」
ちなつ「え、ちょっ……」
向日葵「櫻子ったら、まったく」
ちなつ(お昼まで下手な行動はやめておこう。ごめんなさい結衣先輩……)
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 01:16:51.97 ID:UJPcG99t0
櫻子「ねぇねぇあかりちゃん」
あかり「なに、櫻子ちゃん?」
櫻子「ちなつちゃんとケンカしたってホント?」
あかり「あはは、ちょっとねー」
櫻子「何があったかは知らないけどさ、早めに仲直りしたほうがいいよ」
あかり「そう、だね……。ありがとう、櫻子ちゃん」
櫻子「いいっていいって。二人とも大事な友達だし! じゃね」
あかり「うん」
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 01:20:26.45 ID:UJPcG99t0
櫻子「話した感じではいつものあかりちゃんだと思った」
向日葵「そりゃ、別に櫻子とケンカしたわけではありませんし」
櫻子「あ、そっか。私とケンカするのなんて向日葵ぐらいだね」
向日葵「そうそう……って別にケンカしたいわけじゃありませんわよ。櫻子が……」
櫻子「何をー、私だって……」
ギャーギャー
ちなつ「…………」
ちなつ(あかりちゃん、私以外とは普通に話すんだ……ってそりゃそうだよね)
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 01:25:56.20 ID:UJPcG99t0
昼放課――
ちなつ(京子先輩が何か思いついたみたいだけど、何するんだろう?)
ちなつ(ん? メール……京子先輩からだ)
ちなつ「…………」
ちなつ(なるほど、これなら!)
ちなつ(さすがは京子先輩……少し見直しましたよ)
ちなつ(では、作戦を開始するとしますか)
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 01:29:34.29 ID:UJPcG99t0
櫻子「あかりちゃん、ご飯食べよ」
あかり「う、うん……」
櫻子「向日葵とちなつちゃんも早くー」
向日葵「はいはい、少しは落ち着きなさい」
櫻子「だってお腹減ったんだもん。しかも今日は竹輪の磯辺揚げだよ?」
ちなつ「櫻子ちゃんは本当にそれ好きだね。あ!」
向日葵「どうしましたの、吉川さん?」
ちなつ「お箸、忘れちゃった……」
あかり「!」
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 01:34:09.34 ID:UJPcG99t0
向日葵「あらあら、櫻子みたいですわね」
櫻子「ちょっと向日葵、それどういう意味?」
向日葵「言ったままの意味ですわ。あなた、週に一回はお箸忘れてるんだもの」
櫻子「ムキーッ、別にいいもん! あかりちゃんがいるから」
向日葵(あら、吉川さんのかばんから箸袋が……なるほど)
あかり(割り箸あげたい、割り箸あげたい、割り箸あげたい……)
あかり(でもだめ。ちなつちゃんとはお話ししないって決めたんだもん! うう、でも手が……)
向日葵「あ、赤座さん。手がプルプル震えてますわよ」
あかり(だめ。あかり、我慢できな……)
櫻子「あれ? ちなつちゃん、かばんから箸袋はみ出てるよ」
向日葵(櫻子のバカ……)
ちなつ(急いで隠したからはみ出ちゃったんだ……せっかくの作戦が)
あかり「ウソ、ついたんだ」
ちなつ「そ、そんなつもりじゃ……」
あかり(どうせ割り箸を持ち歩いてるあかりをバカにしたかったんだよね。ちなつちゃんも大嫌い!)
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 01:39:01.77 ID:UJPcG99t0
放課後――
ちなつ(結衣先輩に合わせる顔がない。京子先輩もせっかくいい作戦思いついてくれたのに)
ちなつ(櫻子ちゃんが悪いわけじゃない。あんな風にはみ出てたらあかりちゃんが気づいたかも)
ちなつ(全部私が悪いよね……はぁ)
ちなつ(…………)
ちなつ(だめよチーナ、まだチャンスはあるはず。とりあえず、あかりちゃんを部活に誘ってみよう!)
ちなつ「あかりちゃん、部室いかない?」
あかり「…………」
ちなつ(やっぱだめかー。仕方ない、一人で行こう)
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 01:44:16.54 ID:UJPcG99t0
ちなつ(電話? 櫻子ちゃんから)
櫻子『あ、ちなつちゃん? お昼はごめん!」
ちなつ「ううん、予め言っておかなかった私が悪いよ」
櫻子『あとで向日葵に怒られたよ。あかりちゃんと仲直りするための作戦だったんだ』
ちなつ「卑怯なことやっちゃだめってことだよ、きっと。向日葵ちゃんは気づいてたんだ」
櫻子『うん……ひま、え、変われ? 分かったよ……向日葵に変わるね』
向日葵『結構深刻そうですわね……一体何があったんですの?』
ちなつ「実は……」
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 01:49:52.08 ID:UJPcG99t0
向日葵『なるほど、事情は分かりましたわ。しかし、なんというか……』
向日葵『いろいろ原因があるとは言え、歳納先輩の言葉が強烈でしたわね』
ちなつ「もちろん私も悪いんだけど、あれはキツかったと思う」
向日葵『今日、ごらく部には行きますの?』
ちなつ「うん。どうすればあかりちゃんが許してくれるか、みんなで話しあおうと思ってる」
向日葵『私と櫻子も行ってよろしいかしら』
ちなつ「そんな、迷惑じゃ……」
櫻子『大事な友達がケンカしてるんだよ、迷惑とかそんなの関係ない! てか私も迷惑かけちゃったしさ』
向日葵『櫻子の言うとおりですわ、お友達でしょう?』
ちなつ「櫻子ちゃん、向日葵ちゃん……ありがとう」
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 01:56:25.72 ID:UJPcG99t0
ごらく部――
京子「おーっすちなつちゃ……あれ、櫻子に向日葵?」
櫻子「お邪魔しまーす!」
向日葵「失礼致しますわ」
ちなつ「ごめんなさい、二人に昨日のこと話しました」
結衣「別に謝らなくてもいいよ。隠すことでもないしね」
櫻子「私と向日葵も一緒に作戦考えようと思って来ました」
京子「おー、それは助かる」
向日葵「単刀直入にお聞きします。
歳納先輩、赤座さんが居なくても会話が成り立つというのは本心ですか?」
京子「ほ、ほんとに単刀直入だねぇ」
向日葵「ここははっきりさせておかないと、いけないと思いまして」
京子「うーん、そうだなぁ……」
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 02:03:40.33 ID:UJPcG99t0
京子「本心じゃないよ。いつものノリで、つい言っちゃった」
京子「あかりを空気な子としていじるのが当たり前になっててさ……」
向日葵「まず、普段からそう言った扱いをするのがよろしくないのでは?」
京子「それは分かってるんだけどね。でもあかり、結構本気で悩んでたみたいだから」
櫻子「悩み……?」
向日葵「影が薄いとか、そういうところ」
向日葵「ではなぜ、そんなところを突くようなマネを?」
京子「特徴ないのが特徴。短所を長所に変えられないかなって思ったんだよ」
櫻子「影が薄い、だけどそれがあかりちゃん! 影が薄いあかりちゃん可愛い、みたいな?」
京子「そそ」
結衣「私も京子の考えにのっかってみようと思ってさ……
でも、最近はちょっとやりすぎたかもしれない」
ちなつ「ねんどチョップはまずかったですね」
京子「あれは反省してます、マジで」
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 02:09:34.06 ID:UJPcG99t0
向日葵「そういう考えがあった……ということを赤座さんにお話するのはどうでしょうか」
京子「だめ、だめだよ。そんなことしたらたぶん、あかりもっと悩みこむと思う」
結衣「そんな風に考えていてくれたのに無視しちゃった……どうしよう、とかあかりなら考えそうだな」
櫻子「ああ、もう! どうすればいいのさぁあああっ!」
向日葵「落ち着きなさいな櫻子。どうするかを考えているんでしょう、今」
ちなつ「押してだめなら引いてみる……こっちも無視するとか?」
結衣「うーん、それもだめじゃないかな。あかりが学校に来なくなる気がする」
ちなつ「ですよね……」
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 02:15:22.06 ID:UJPcG99t0
数日後――
京子「今日もだめだったかー」
ちなつ「毎日毎日作戦を実行してるのに……かなり厳しいですね」
結衣「今日なんて大室さんと古谷さんにも協力してもらったのに……ごめんね」
櫻子「そ、そんな。気にしないでください」
向日葵「そうですわ。しかし、これで私と櫻子も嫌われてしまったかもしれませんね」
ちなつ「これってかなりマズいような。あかりちゃんがすごく仲の良い子が全滅……」
京子「こ、これじゃあかりがそのうち登校拒否に……?」
結衣「やめろ、本当にそうなったらどうするんだ」
櫻子「うーん、早く何とかしないと」
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 02:23:49.96 ID:UJPcG99t0
京子(はぁ、何かこの数日は変な感じだな。あかりが居ないだけで、こんなに変な感じになるのかぁ)
京子(あかりは別の意味で空気ってことだったのかも。
ないと生きていけないってのはちょっと大げさだけど、近くに居て欲しい)
結衣(あかりのキャラを濃くするために空気キャラ扱いとかしたけど、そんな必要なかったな)
結衣(この数日あかりがいないだけで、なんだか違和感がある。
あかりは影が薄いなんてことはなかった)
ちなつ(あかりちゃんのこと、影薄いって言ったりしたけど、居ないと何か違うっていうか……)
ちなつ(結衣先輩も京子先輩も何だか変な感じだし……もちろん、私も)
櫻子(もー! いつになったらあかりちゃんは許してくれるんだろ)
櫻子(休み時間つまんないよ、あかりちゃんがいないと。割り箸ももらえないしさ!)
向日葵(入学してからずっと櫻子、赤座さん、吉川さんの四人で居たのが当たり前だったのに……)
向日葵(なくしてから気づくのですね、当たり前の大切さは)
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 02:25:53.69 ID:XUBd4c930
アッカリ… 80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 02:29:46.92 ID:UJPcG99t0
あかりの部屋――
あかり(どうすればいいんだろう……)
あかり(毎日みんながいろいろな方法で謝ってくれるのに、あかりは許してあげられない)
あかり(だって、怖いだもん。何日も無視しちゃったんだよ。
今さらどうやって話せばいいのか分からないよ……)
あかり(きっとその内みんなも諦めて、あかりに話しかけなくなるんだろうなぁ)
あかり(あはは……本当に空気になっちゃっうんだね、あかり)
あかり(アッカリーン、アッカリーン……)
あかり「うぅ、ううっ……うわぁあああああんっ!」
コンコン
あかり「だ、だれっ!」
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 02:37:06.27 ID:UJPcG99t0
あかね「私よ。入ってもいいかしら」
あかり「お、お姉ちゃん!? い、いいよ」
あかね「お邪魔しまーす」
あかり「何か用かな?」
あかね「あかり……」
あかねはあかりにゆっくりと近づく。
そしてあかりをそっと抱きしめながら、頭に手を載せて優しくなでる。
あかり「お、お姉ちゃん……?」
あかね「何があったかは分からないけれど、泣きたい時は泣いたほうがいいわよ?」
あかり「べ、別に何もない、もん……」
あかね「無理しないで、ね?」
あかり「あかり、無理なんてして……ううっ。無理なんて、してないもんっ……」
嗚咽を漏らしながら強がり続けるあかりを、あかねはずっと抱きしめていた。
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 02:45:55.34 ID:UJPcG99t0
あかね「落ち着いたかしら?」
あかり「う、うん……ありがと」
あかね「明日、許してあげましょ? あと、無視したことを謝らないとね」
あかり「でも、あかり……謝ったあとにどうやって接すればいいのか、分からない」
あかね「お友達、信じられないの?」
あかり「そ、そんなことないもん! 京子ちゃんも結衣ちゃんも、
ちなつちゃんも櫻子ちゃんも向日葵ちゃんも大切なお友達だもん!」
あかね「それなら、ね?」
あかり「うん。明日、許したあとに謝ってみる……ありがと、お姉ちゃん」
あかね「大切な妹のことですもの、当然よ。ふふ……それじゃ、おやすみなさい」
あかり「おやすみなさい」
あかり(あれ? あかり、お姉ちゃんに何も話してないんだけど……まぁいっか)
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 02:46:23.48 ID:+jHygAAM0
良いシーンなんだろうけど、純粋に見れない 92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 02:51:32.39 ID:UJPcG99t0
次の日――
京子「今日はとうとうあの作戦に出るわけか……」
結衣「これはかなりの賭けだな」
櫻子「うー、緊張する!」
ちなつ「確か、この作戦は向日葵ちゃんが思いついたんだっけ」
向日葵「えぇ……」
京子「しっかし眠いなぁ。朝7時からあかりの家の前で張り込むのはキツい」
結衣「まさか京子、夜更かししてたのか?」
京子「いや、さすがにすぐに寝たよ。でも普段はこの時間ぐっすりなわけで」
櫻子「ふわぁ……眠いよぉ」
向日葵「しっかりなさいな櫻子」
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 02:56:15.67 ID:UJPcG99t0
ちなつ「というか、この作戦は別に朝から張り込む必要なんてあるんでしょうか?」
京子「ない! でも思い立ったが吉ってやつだよ。早いに越したことは……ふわぁあっ」
結衣「かっこつけた台詞の途中であくびをするなら、まったく」
そんなことをしている間に、あかりの家の扉が開く。
京子(きたぞ、あかりだ!)
櫻子(あかりちゃん!)
京子「あかり、話なんて聞きたくないだろうけど聞いてくれ、五秒だけでいい!」
櫻子「あかりちゃん、ほんの少しだけ耳貸して!」
あかね「?」
京子「!」
櫻子「!」
結衣(あの二人……)
向日葵(何をやってますの櫻子……)
ちなつ(これ不審者にしか見えないような?)
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 02:59:31.39 ID:UJPcG99t0
あかね「あら、あかりのお友達かしら?」
京子「は、はいっ!」
櫻子「クラスメートです!」
あかね「そう。よければ上がってちょうだい。そこに隠れてるみんなも、ね?」
結衣(ば、ばれてる!?)
向日葵(何者ですの?)
ちなつ(一瞬心臓止まった……)
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 03:02:51.76 ID:UJPcG99t0
あかり「ふわぁ……眠いなぁ。顔洗ってこ……ってえぇ!?」
京子「お、おはよう。あかり」
結衣「おはよう」
あかり(え、なんでみんなが家の中に!?)
ちなつ「あかりちゃん……」
櫻子「少しだけでいいから、話聞いて!」
向日葵「聞いた上でどうするからは、赤座さんにお任せしますわ」
あかり「…………」
あかりは黙ってうなずき、部屋に来るように合図を送った。
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 03:11:26.92 ID:UJPcG99t0
あかりの部屋――
京子「あかりをさ、空気扱いとかしたりしてごめん!」
結衣「許してくれなんて言われて許せることじゃないけどさ……これにはそれなりの理由があったんだ」
ちなつ「あかりちゃん、影薄いっていうのは自分でも悩んでたでしょ?」
ちなつ「それで京子先輩がある日、あかりをちゃんの空気キャラを強調してみようとか言い出したの」
結衣「何いってんだって最初は思ったけどさ、
空気キャラっていうのを利用して、あかりを目立たせようってことだったんだ」
向日葵「私は正直どんな発想だよって思いましたけれど、
みなさん一生懸命考えた結果なのだと思いますわ」
結衣「でも、最近はちょっとやりすぎだったと思ってるんだ」
京子「ねんどであかり作ってチョップしたりとか、あかりが作った猫いじったりだとか」
ちなつ「私も、あかりちゃんをキスの練習に使おうとしたり……」
あかり「…………」
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 03:22:31.79 ID:UJPcG99t0
あかり「あかりのため、だったの……?」
結衣「うん。そのはずだったんだ」
京子「でもどんどんエスカレートしていって……いつしか最初の目的とは逸脱していっちゃった」
あかり「京子ちゃんが言った、無言でも会話が成り立つっていうのは?」
京子「もちろん本心じゃない。
でも、あかりをそういうふうに扱うのが普通だったから……そう言っちゃった」
あかり「そうなんだ……よかった」
結衣「いや、よくはないような……空気扱いが普通って」
あかり「でも、それはみんながあかりのこと真剣に考えてくれた結果だよね」
あかり「うれしいよ……すごく」
櫻子「あかりちゃん、人良すぎじゃない? そのうち悪徳商法に引っかかりそう」
向日葵「ちょっと櫻子!」
あかり「うーん、そんなときはみんなに頼っちゃおうかな?」
京子「おう、任せとけ!」
結衣「お前はむしろ騙す側だな……」
ちなつ「ですねー」
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 03:27:39.86 ID:UJPcG99t0
京子「ちょっとそれどういう意味さー。心外だなぁ」
結衣「日頃の行いを振り返ってみるといいぞ、京子は」
京子「ブー。とにかく、何十回目か分からないけど謝るぞ! ごめんね!」
結衣「ごめんね、あかり」
ちなつ「ごめんなさい、あかりちゃん」
向日葵「申し訳ございません、赤座さん」
櫻子「ん? 私と向日葵は別に謝らな……」
向日葵「空気を読みなさい!」ボソッ
櫻子(ひ、向日葵の顔が怖すぎる!)
櫻子「ご、ごめんね!」
あかり「そんな……もういいってば」
あかり「よし、今度はあかりの番だね」
櫻子「ん?」
向日葵「赤座さんの番とは一体……」
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 03:32:38.63 ID:UJPcG99t0
あかり「この数日間、みんなを無視し続けてごめんなさい」
京子「あー、そういうことか。全然気にしてないよ!」
結衣「またまた。私の家に泊ったとき寝言で、あかりー、あかりーって言ってたぞ」
京子「ちょっと結衣、寝言バらすなんてプライバシーの侵害だぞ!」
ちなつ「結衣先輩にはプライバシー侵害されたぁい!
……じゃなくて私も気にしてないよ、あかりちゃん」
櫻子「私と向日葵はまだ無視されてないね」
向日葵「そうですわね……作戦に参加したのは昨日ですもの」
京子「それじゃ、これでみんな仲直りってことで!」
あかり「よかった、うっ……うぇえええんっ!」
結衣「よしよし、よく頑張ったねあかり」
ちなつ「うー、結衣先輩になでられるなんて、羨ましすぎるよあかりちゃん」
京子「よーし、ちなつちゃんは私がなでてあげよう!」
ちなつ「お断りです」
京子「がーん!」
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 03:41:22.80 ID:UJPcG99t0
あかり「うぅ、ぐすっ……あ、ありがとう結衣ちゃん」
結衣「あかりの頭撫でるなんて久しぶりだね。髪、すごく触り心地いいよ」
あかり「そ、そうかな。なんだか恥ずかしいよ、えへへ」
ちなつ「うぅ、もしかして結衣先輩って……」
櫻子「?」グーギュルル
向日葵「ちょっと櫻子……」
櫻子「しょうが無いじゃん、朝ごはん食べる時間なかったんだもん」
あかり「そうなの? それじゃ、あかりの家でみんなでごはん食べよっ!」
向日葵「そんな、悪いですわ」グーキュルル
櫻子「今、向日葵のお腹が鳴ったよね。これでおあいこだね」
向日葵「き、気のせいですわ。そう、空耳! 私が人様の家でお腹を鳴らすなんて……」
京子「残念ながら私の耳にもバッチリ聞こえたよ」
向日葵「そ、そんな……歳納先輩まで」
櫻子「あかりちゃんがいいって言ってるんだし、ごちそうになろうよ向日葵」
向日葵「む……分かりましたわよ。強引なんだから」
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 03:47:23.01 ID:UJPcG99t0
あかね「ちなつちゃん、だったかしら?」
ちなつ「? はい」
あかね「すぐ済むから、ちょーっとこっち来てくれるかしら」
ちなつ「はぁ……分かりました」
櫻子「先にリビングに行ってるよ、ちなつちゃん」
ちなつ「はーい」
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 03:47:59.20 ID:lS+SdWvx0
あかねさんに呼び出し・・・ 132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 03:52:02.25 ID:UJPcG99t0
あかね「ちなつちゃん、あかりとキスしたって本当かしら?」
ちなつ「な、なんでそれを?」
あかね「あかりの部屋の前を歩いてる時にちょうど聞こえちゃったのよ」
ちなつ「外まで聞こえたんですか……恥ずかしいです」
あかね「それで、本当なの?」
ちなつ「は、はい……」
あかね「ふふ、分かったわ。それじゃ、いただきまーす」
ちなつ「へ、ちょっ……」
有無を言わさずちなつの唇を自分の唇で塞ぐあかね。
舌をちなつの口に入れ、ちなつの舌をひたすら舐める。
あかね(ふふ、あかりの舌と絡め合ったちなつちゃんの舌……おいしい、おいしいわ!)
ちなつ「んっ、んぐっ! んんんーっ!」
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 03:52:29.87 ID:uGuOFIdt0
予想外です 139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 03:55:52.79 ID:UJPcG99t0
数分後――
ちなつ「はぁ、はぁ……」
ちなつ(ごめんなさい結衣先輩。私、汚されちゃいました)
あかね「ごちそうさま。もうダメよ? あかりをキスの練習台になんてしちゃ」
あかね(あかりと関節キスができるという点では、とても魅力的なのだけれど)
あかね「無理やりキスされることの辛さ、少しは分かってくれたかしら」
ちなつ「は、はい……」
あかね「このことはあかりには内緒よ? でないと……」
ちなつ「もちろんです! 誰にも言いませんっ!」
あかね「ちなつちゃんが賢い子でよかったわ。あかりの友達に、あまりひどいことはしたくないもの」
ちなつ(あかりちゃんに舌は入れてないということは黙っておこう……)
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 04:02:47.58 ID:UJPcG99t0
京子「遅いぞー、ちなつちゃん」
ちなつ「す、すみません」
向日葵「吉川さん、このお皿持って行っていただけますか?」
ちなつ「う、うん……」
櫻子「大丈夫、ちなつちゃん? あかりちゃんのお姉さん、何のようだったの?」
ちなつ「えっと、あかりちゃんをこれからもよろしく、みたいな」
結衣「ふーん……?」
京子(あの部屋を見る限りお姉さんってアレだよな。つまり……いや、考えすぎだよね?)
あかね「おまたせ。ふふ、今日は朝から豪華ね」
あかり母「こんなに大勢いるもの。みんな手伝ってくれて助かったわ」
あかり「それじゃ、いただきま……」
京子「いただきまーす!」
みんな「いただきまーす」
あかり「ふぇえええんっ! 京子ちゃん、あかりの台詞を取らないでよぉおおお!」
おわり
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 04:06:06.04 ID:G+85SIQM0
乙
最後にあかねさんが全部持っていきやがった 153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 04:06:37.54 ID:UBOhu3dY0
乙
やっぱり最後はおいしい所もって行かれるあかりちゃん可愛いよ
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