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向日葵「わたし今度結婚しようと思いますの」

綾乃「はじめての××は涙とラムレーズンの味がした」

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 22:49:43.90 ID:c64sKYjZ0

何百回と繰り返される時の中で
私たちは出会いや別れを繰り返す
これはそんな『あったかもしれない』物語



白いチャペル
たくさんの幸せがうまれる場所

噴水がある中庭から空を見上げた

わたしの心はどんよりと雲っているのに
今日の空は痛々しいぐらい青く、透き通っていた

櫻子「うへー、やっぱこういうドレスっぽいのって落ち着かないわ」

櫻子「もう少し地味な動きやすいのにすればよかったかなー?」

タタタタタ

??「あ、櫻子ちゃーん!いたいた」

櫻子「あかりちゃん……どうしたの?」




 
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 22:50:58.02 ID:c64sKYjZ0

あかり「探した探したー、ってどうしたのじゃないよ、もうすぐ式がはじまっちゃうよお」

櫻子「ああ、うん、もう少しここで休憩してからいくよ」

櫻子「どうも式場の中のああいう雰囲気が落ち着かなくて、へへ」

あかり「うん、わかった……でも遅れちやだめだよ」

あかり「せっかくの向日葵ちゃんの晴れ舞台なんだから」

櫻子「うん、了解であります」

あかり「それじゃわたしはいくね!
     後はちなつちゃんと結衣ちゃんか、みんないなくなりすぎだよ!」

タッタッタッタッ

元気だなあ、久しぶりにあったけどやっぱりあかりちゃんは明るくて、いいこだ

櫻子「向日葵の、晴れ舞台……か」


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 22:53:14.07 ID:c64sKYjZ0

あれから何度も考えたけれど
わたしの中の雲は以前として晴れないままだ

だからこそもやもやとした気持ちを引きずったまま
向日葵を待っているのに耐えきれずこんな場所にいるのだが

櫻子「あかりちゃんに悪いことしちゃったな」

あの日のことなんて何回だって鮮明に思い出せる

過去をふりかえることに意味なんてないんだろう

今まで、踏ん切りなどつかなかったのだから

でも、最後に一回だけさ
もうちょっともやもやしてもいいよね

これで、最後だから


11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 22:56:31.22 ID:c64sKYjZ0


向日葵「わたし今度結婚しようと思いますの」

櫻子「へっ?」ポロッ

向日葵「あ、ちょっと櫻子、こぼしてますわよ」

櫻子「え、ああ、うん」

向日葵「それで、結婚の話ですけど」

櫻子「けっ、こん」

え、ええと確かここまでは

明日は大事な用事があるから早く起きてといわれてしぶしぶ起きた日曜の朝
また買い物に付き合ってくれてとかかな?
しょうがないから付き合ってくれてあげるかとか考えながら向日葵の作った朝食を食べてたら
急に向日葵が神妙な顔つきになりながら大事なお話があるとか言ってきた

だったはず、急いで思いだしたから合ってないかもだけど

それが

櫻子「結婚……か」


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 23:00:16.47 ID:c64sKYjZ0

向日葵「はい、櫻子にはいつ言うかすごい迷いましたけれど、
     はっきり言っておくべきだと思いまして」

櫻子「相手は、やっぱりあの人だよね」

向日葵「……はい」

櫻子「そりゃ、そうか」

向日葵「でもあの人もすごい真剣に考えててくれて、今回のことだって」

櫻子「わかってるよ、それぐらい、あの人がすごい向日葵を大事にしてることだって」


実を言うと向日葵が付き合っていたのは知っていた

その人とも何度かはあったことあるし
悪い人じゃないこと、わたしの次、
いやわたしと同じぐらい向日葵を思っていることは重々承知していた


18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 23:02:28.94 ID:c64sKYjZ0

櫻子「で、ここ出ていくの?」

向日葵「ええと……それは」

櫻子「うん、普通そうだよね」

向日葵「い、今すぐってわけじゃないんですのよ、ただ」

櫻子「うん、わかってるよ、引っ越しの時ぐらいは手伝うぜ!」

向日葵「ふだん片付けられない櫻子が手伝い、ねぇ」

櫻子「な、なんだよその目は、本気だしたらすごいんだぞ!」

櫻子「わたしはこう見えて荷物整理は大の得意なんだからなっ」

向日葵「ぷっ、ふふふふふふ」

櫻子「ちょっ、なんで笑うんだよ~!」

向日葵「ふふふ、いや……それにしてもよかった」

櫻子「え、何が?」

向日葵「櫻子がすごいショックを受けて寝込んじゃったらどうしよう……
     変わっちゃったらどうしようと思って、どう話そうかずっと悩んでいましたから」


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 23:03:43.21 ID:c64sKYjZ0

向日葵「でもよかった、やっぱり櫻子は櫻子ですわね」

櫻子「なーにいってんだい、もう二十歳もすぎていい大人なんだし向日葵離れぐらいできるっての」

向日葵「櫻子……」

櫻子「だからわたしは二人のこと応援してるよ」

櫻子「幸せになってね、向日葵」



嘘だった

精一杯の虚勢だった

朝飯はトイレで吐いた

吐いたら涙が出てきた

よくわからないけど、ただ悲しかった


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 23:05:26.35 ID:c64sKYjZ0


その日は向日葵が買い物にいくと言ったので付き合った
くしくも予想通りだったのが、なんていうか

向日葵「櫻子~!次はあっちの店に行きますわよ」

櫻子「うへえ、まだ回るの?いつもながら向日葵のショッピングはヘビーだぜ」

向日葵「ヘビーで悪かったわね」

櫻子「これじゃあこれから旦那さんも大変だねえ」

向日葵「さすがに、わたしだってちょっとは自重しますわよ、
     こんなにわがままいうのは櫻子ぐらいですわよ」


ちょっと、痛い


櫻子「うれしいね~そういうこと言ってくれると、うりゃりゃ~!」

向日葵「ちょっと!あんまりじゃれつくと危ないですわよ」

櫻子「なにを~手加減はしないぞ、うひひ」

せめて向日葵がいる間は笑顔でいよう
もっといっぱいじゃれつこう
悲しい気持ちを誤魔化せるように
笑って向日葵を送り出せるように


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 23:07:13.52 ID:c64sKYjZ0


櫻子「で、ここで最後なわけ?」

向日葵「そうですわ」

櫻子「ふ~ん」

向日葵「ちょっと見てくるだけですから、櫻子はここでちょっと待っててくださる?」

櫻子「おっけ~」


向日葵が入っていった店は結婚に使う諸々の品がある店だった
まだ予定は先だけど今のうちからこつこつ用意しておくのだそうだ


櫻子「はあ……」


どうしても一人でいると気が重くなる


櫻子が付き合ったと聞いた時も驚いたが今ほどでは無かった
あの人と付き合ってからも普通に一緒に住んでたし
櫻子もそういうのに興味を持つようになったんだなぐらいにいか思っていなかった


24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 23:09:03.23 ID:c64sKYjZ0

向日葵「ごめん櫻子、ちょっと長引いちゃった」

櫻子「おそいぞ向日葵、置いてっちゃうからな~」

向日葵「ま、まちなさいよ櫻子」


でも結婚するってことは違う


もう朝叩き起こされたり
一日中文句をいいながら買い物に付き合ったり
夜、布団に入りながらおしゃべりしたり


そういう向日葵と一緒の時間はもう無くなるんだ


櫻子「なくなる、か」

向日葵「なにか言いました?」

櫻子「いや、なんでも」


少し冷たくなってきた風が胸に染みた


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 23:10:55.00 ID:c64sKYjZ0


月日はあっというまに流れていくもので
この間のことを上げようとしたらきりがない

なのでわたしの記憶はあの日へ
向日葵との別れの日へと変わる


ブウウウウウウン


櫻子「これで、荷物は全部かな?」

向日葵「ええ、ありがとう櫻子」

引っ越し業者「じゃあこれもう持っていきますね」

向日葵「はい、よろしくお願いいたしますわ」

櫻子「案外、やってみるとすぐ片付くもんだね」

向日葵「そうですわね」

櫻子「その、元気でね」

向日葵「ええ、櫻子こそ」


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 23:13:08.91 ID:c64sKYjZ0

櫻子「えっと、その」

向日葵「……」

櫻子「いや、やっぱなんでもない」

櫻子「……………………」

向日葵「……………………」

櫻子「……………………」

お互いに言葉が続かない

言いたいことは山ほどあるはずなのに

いざとなると何を言ったらいいかわからなくて

二人の時間は止まっていた


でも神様は待ってはくれない


向日葵「そろそろ……時間ですわね」


28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 23:14:01.13 ID:c64sKYjZ0

櫻子「あ、そうなんだ、それじゃあその、えと」

向日葵「…………?」

櫻子「あは、こういうときなんていったらいいかわからないや……」


さようならとかバイバイなんて言いたくない
またねはなにか違う気がする
だから、わたしはいつもと同じ言葉を言った


櫻子「いってらっしゃい」

向日葵「いってきます」


向日葵が意味を悟ってくれたかはわからない
でもわたしたちは笑顔で別れたのだ


お互いにもう「ただいま」が無いことはわかってたのに


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 23:16:26.65 ID:c64sKYjZ0


向日葵がいなくなった後の部屋はがらんどうだった
夕食をたべる食欲もなく布団に倒れこむ
よく自分の半身が無くなったようだなんていうけど今はその気分がよくわかった

それからの毎日は特に思い出すことのないうだつの上がらない日々

広くなった部屋から見る空はわたしの気持ちとは裏腹に青くて青くて

──────

櫻子「本当に、空気の読まない神様なんだから」

櫻子「今日だってこんなにウエディング日和にしちゃって……」


本当のところ、何かの理由で式が中止しないかな~なんて思ってた
向日葵の幸せを望んでるなんていってこの様だ


櫻子「さて、そろそろいくか、あかりちゃんにも悪いしね」


本当にあかりちゃんはいいこだ

それに比べて

わたしはわるいこだ


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 23:18:37.07 ID:c64sKYjZ0

櫻子「ん……?」

中庭から式場へ続く途中に古い建物があった
使われなくなった古い教会みたいな

わたしは恐る恐るそれに近づく
もしかしたらここを開けると妖精さんがいてプロポーズ大作戦みたいな

…………そんなわけないか

櫻子「まあ試しに入ってみるのも……ん?」


ダンダン!ダンダン!


??「……………い、…………っ!」

??「……………んっ、…………だ!」

??「…………もっ…………す……で……!」


櫻子「せ、先約がいたみたいだね……」


さわらぬ神にたたりなし、ってことで


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 23:20:56.23 ID:c64sKYjZ0


櫻子「やっぱり、式場の中はごちゃごちゃしてるな」


??「お~い、さっくらこ~!」

櫻子「と、歳納先輩!」

櫻子「……に、綾乃先輩まで」

綾乃「久しぶりね、大室さん」


櫻子「ど、どうも、お久しぶりです」

京子「そんなキャラじゃないだろ~ほれほれいつもの感じで」

櫻子「いつもって、学生時代歳納先輩とそんな絡んでないような」

綾乃「京子、あんまり私の後輩いじめるんじゃないわよ」

京子「一応わたしの後輩でもあるけどね、あと、そんなに怒るとかわいいのが台無しだぞ?」

綾乃「今さら可愛いって言われたぐらいでごまかされないわよ……ま、まあ、その、ありがとう」

京子「素直でよろしい、やっぱりわたしのえらんだ服は最強だな」


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 23:23:21.18 ID:c64sKYjZ0

綾乃「調子のいいやつね、いったい誰が寝坊したせいで危なく今日遅れるところだったんだか」

京子「そ、それを言うなら綾乃だって寝てる時に」

綾乃「わーっ!わーっ!まったまった」


櫻子「あの……歳納先輩と綾乃先輩は同居してるんですよね」

京子「え、うん、そうだけど」

綾乃「ど、同居してるだけよ!何もいかがわしいことなんてしてないんだからねっ!」

櫻子「なんか仲がよくてうらやましいです」


櫻子「わたしはもう……そんな人いないから」

櫻子「もう、昔みたいにはいられないんですよ」

櫻子「わたしも、あいつも、変わっちゃったから」


37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 23:25:50.07 ID:c64sKYjZ0

京子「そうかなぁ?」

綾乃「どうしたの、京子?」


京子「親友とはいつまで経ってもどんなことがあっても親友だと思うけどな」

櫻子「…………」

京子「ぶつかってみて嫌だっていわれたなら仕方ないけど、言う前にあきらめちゃ駄目だと思う」

京子「きっと本当の親友ならわかってくれるはずだよ、わたしも高校の時ちょっとあったしね」

櫻子「歳納先輩……」


櫻子(そっか、歳納先輩も船見先輩のことで、でも二人は今も仲いいらしいけど……
    わたしにはわかんない感覚だな)


綾乃「そうそう、友達はいいものよ、ねえ京子?」


京子「まあ綾乃は親友っていうよりは、その……特別だけどね」

綾乃「ちょっ、ちょっと京子、こんなとこで何いってるのよっ」

京子「照れるなって~それより今日あたり、また……」

綾乃「きょ、京子が、したいっていうなら私は……」


40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 23:27:45.94 ID:c64sKYjZ0

あかり「あ っ つ い わ !」


櫻子「あかりちゃん……?」

あかり「はぁはぁ、あちこち走り回って暑いっていうのに
     さらにこんなあつい場面に遭遇したらあかりのムニエルができちゃうよ!」

あかり「とりあえずそこで池田先輩組見つけたから連れてきたよ」

綾乃「千歳じゃない!元気だった?あっちに帰ってたんでしょ」

千歳「うちは相変わらずやよ、綾乃ちゃんも元気みたいで安心したわ~」

京子「ちっ、づる~~!」

千鶴「ちかよんなっ!」

あかり「あまりに二人があっついから千歳ちゃんが暴発しそうであぶなかったんだよ!」

千歳「だいぶ耐性は昔で付いたはずなんやけどな~久しぶりだからかな」


41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 23:30:12.05 ID:c64sKYjZ0

あかり「まったく、今は公然といちゃついているみたいだけど、
     学生時代にばれなかったのは誰のおかげだと思ってるんだか……」

京子「いや~あかりさまさまです」

綾乃「本当に赤座さんにはお世話になりました」

櫻子「えっ?あかりちゃんその頃から知ってたの?」

千歳「わたしは卒業してから聞いたわ~」


あかり「ええ、まあ、うん」

綾乃「ほとんど最初からよね」

京子「ラムレーズンの頃からだな」

綾乃「なつかしいわね、それ」


あかり「それじゃわたしはまたあの二人を探しにいってくるね!
     う~ん、一緒にきたはずなんだけどな~」


タタタタタタタ


京子「こけるなよあかり~」


42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 23:32:20.84 ID:iEgFKMoA0

あかり目立ってる(泣)


43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 23:33:06.99 ID:c64sKYjZ0

綾乃「じゃあ私たちも行きましょうか」

櫻子「あっ、わたしちょっとお手洗いに行ってきます」

京子「そんじゃ行ってるぞ、迷うなよ~」

櫻子「歳納先輩じゃないから大丈夫ですよ、あっ!」


ポロッ

カラン……


京子「それはひどいな~あれ?何か落ちたぞ?」

櫻子「あっ、これは…………っ」

京子「なんかのペンダント?ほい」

櫻子「あ、ありがとうございます」

櫻子「そ、それじゃあまたっ!」

京子「おう、まったなー、先に行ってるぜ」


45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 23:34:46.57 ID:c64sKYjZ0


ジャーーーーーーー

水道の水が無表情に流れ落ちる
わたしの気持ちもこの水みたいに流れていけばいいのに

正面の鑑を見ると淀んだ顔が映りこんだ

櫻子「ひどい顔してるなあ、わたし」

櫻子(結婚式だってのにね……)

櫻子「それにしても、これ持ってきちゃってたんだ」

櫻子「ペンダント、家に置いてきたと思ったんだけどなあ」

そういえば忘れていた
向日葵がいなくなってからの生活で唯一記憶に残っていたこと
スペースが空いたから家具を並び替えしてたときに見つけたこのペンダント

向日葵との思い出

あれは確か、まだいがみ合ってた頃

中学三年生の夏休み、勉強会の帰り道


櫻子「あれは……」


46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 23:36:05.56 ID:c64sKYjZ0


櫻子「あれは、わたしのほうが早かったってば!」

向日葵「いいえ、櫻子がわたしに勝つなんてありえませんわ、わたしのほうに決まってます」

櫻子「なにおう!むむむ~」

櫻子「ならもうひと勝負だ!」

向日葵「いくらでも受けて立ちますわ」

向日葵「でも、いったい何で勝負するんですの?」

櫻子「へ?」

あ、そうか、よく考えたらここは夕方の河川敷か
む~いったい何で決着をつけよう

櫻子「う~ん、思い付かん」

向日葵「することないし街のほうに行ってみる?」

櫻子「そうしようか」


47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 23:38:17.33 ID:c64sKYjZ0


向日葵「で、来たわけだけど」

櫻子「どうしよう?なにか面白いものある?」

向日葵「面白いものと言われてもいつも来てるとこだしねえ」

櫻子「ふうむ、お!あれなんだろ」

いつもの通りの一角、露店のようなものがあった

向日葵「ちょっと覗いてみる?」

櫻子「いこいこ、すいませーん」

??「おう、お客さんかな、いらっしゃい」

向日葵「アクセサリー系の品ぞろえのようですわね」

櫻子「そうだねー」チラッ

どんな人がやってるのかと思ったら以外と若い女の人だ
うわー、赤く長い髪がすごくきれいだな、まるで燃えてるみたい

女露店主「アクセサリー?ああ、そうそう、今日はそういう品ぞろえなんだ」


48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 23:39:34.27 ID:c64sKYjZ0

櫻子「あ!これとかよさそう、欲しいなー、誕生日もうすぐだし」

向日葵「あなたのもうすぐは数週間のことなんですのね、
     でもお値段もリーズナブルですしいいですわね」

櫻子「数週間なんてすぐだよすぐ、どれがいいかなー」

向日葵「もう……、どうせだからわたしも何か買いましょうかしら」

櫻子「……………………」

向日葵「……………………」

櫻子「あ!わたし決めた」

向日葵「わたしも決めましたわ」

女露店主「ほうほう、どれだい?」

櫻子「せーのでいくよ、せーっの!」


49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 23:41:26.77 ID:c64sKYjZ0

櫻子「これ!」

向日葵「これですわ!」

櫻子「一緒……」

向日葵「……ですって」

女露店主「ほうほう、気が合うねえお二人さん、そのペンダントがいいのか」

櫻子「なっ…!わたしのほうが先だよ向日葵」

向日葵「いや、これはわたしのほうが先ですわ」

女露店主「はいはい、ケンカしないの、実はそれならもう一個あるから」

櫻子「ほ、ほんとに?」

向日葵「櫻子と一緒っていうのが気に入らないですけど」

櫻子「それはこっちもいっしょだよ、べー」

女露店主「まったく、ほらよ、ちょっとは仲良くしな」

櫻子「あ、ありがとうございます」

向日葵「それではそろそろ」

櫻子「じゃあいこっか向日葵」


50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 23:43:13.81 ID:c64sKYjZ0


夕暮れの道を二人並んで帰る
お互いに買ったペンダントを眺めながらゆっくりと歩く


櫻子「いやー、いい買い物したね」

向日葵「そうですわね」

櫻子「でもさ、おんなじの選ぶってことはやっぱり気が合うんだねわたしたち」

向日葵「へっ!な、なにをいきなり言いだすんですの」

向日葵が急にそっぽを向いてあせりだす
なんなんだろ?たまにこういう感じになるのは

でも最近はだんだんわかってきたかもしれない


櫻子「あのね、向日葵」

向日葵「な、なんですのっ、いきなり真剣な顔をして」

櫻子「わたしたち、ずーっと友達だよね」

向日葵「と、友達!?」


51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 23:44:17.08 ID:c64sKYjZ0

櫻子「そう友達!ライバルで、親友で、何でもいいあえて、それで……」

櫻子「お互いのことをすごく大事に思える、そんな」

向日葵「櫻子……」

櫻子「今まではさ、何かといがみ合ってきたけど、わたしはもうちょっと」

うう、なんか恥ずかしいから夕日のほうを見よう

櫻子「向日葵と仲良くしたいなー、なんて」

向日葵「その……」

向日葵「わたしも、もうちょっと櫻子と仲良くしてあげてもいいわよ……
     いや、仲良くしたいかな……」

自然と自分でも笑みがこぼれるのがわかる

櫻子「じゃあさ!親友の誓いしようよ!」

向日葵「誓い……?」

櫻子「そうそう、こっちきて!それでもそのペンダントを持って」

向日葵「こう……ですの?」

わたしのペンダントと向日葵のペンダントを合わせる
夕日に照らされ輝くそれはどんな宝石よりもキラキラして見えた


52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 23:46:18.05 ID:c64sKYjZ0

櫻子「えっと、おっほん!良き時も悪しき時も、富める時も貧しきときも」

向日葵「櫻子、それなんか違いますわよ」

櫻子「いいのいいの、こういうのは雰囲気が大事なんだから」

櫻子「共に歩み、ええと、なんだっけ
    まあとにかくお互いを大事にして愛することを誓いますか?」

向日葵「あ、愛するって!」

櫻子「なーに?向日葵はわたしのこと愛してないの?嫌いなの?」

向日葵「き、嫌いってわけじゃあ、どちらかというと好きな……」

櫻子「じゃあいいじゃん、誓っちゃおうぜ」

向日葵「本当にいつも強引なんだから櫻子は」

櫻子「えへへ、わたしっぽいっしょ?じゃあせーっの!」

さくひま「誓いますっ!」

太陽が輝いていた、その時の向日葵はとてもきれいで
わたしたちはいつまでも笑い合っていた

今思えば、あそこが出発点

そして今が終着点なんだ


54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 23:48:34.38 ID:c64sKYjZ0



ジャーーーーーーーーーー

意識が戻って来ても水は流れたままだった


キュッ


水を止める、あいかわらず変な顔だ、さっきよりは少しよくなったけど

ペンダントはもはやあの日の輝きはない、もうただの鉄屑だ、わたしといっしょ

カチカチに固まって鈍い光しか放たない


もう、いこうか……


55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 23:50:05.88 ID:c64sKYjZ0


櫻子「やば、袖ちょっと濡らしちゃったかも」

櫻子「かわくかなー、これ」

ダッダッダッダッダッダ

櫻子「とりあえず早く合流……」

ダッダッダッダッダッダ

バーン!!

櫻子「うわあ!」

??「きゃあ!」

いたたたたた、やば、ぼーっとしてた

櫻子「ご、ごめんなさい!わたし前みてなくて」

??「いえ、こららこそ……」

??「ちなつちゃん!大丈夫!?」

櫻子「え、ちなつちゃん?」

目の前に、ピンクが倒れてた


58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 23:53:32.43 ID:c64sKYjZ0

ちなつ「あ!櫻子ちゃん」

櫻子「それに船見先輩まで!」

結衣「久しぶりだね、櫻子ちゃん」

櫻子(うおお、かっこいい……なんか船見先輩かっこよさオーラが増し増しになってる気がする)

櫻子「あ、そういえばあかりちゃんが探してましたよ」

ちなつ「あ……そういえばあかりちゃんに何も言わないで来ちゃったんだった」

ちなつ「行きましょう結衣先輩!きっとあかりちゃん心配してます」

結衣「うん、それじゃ行こっか、ちなつ」

櫻子「ん?」

結衣「……ちゃん」

ちなつ(結衣先輩これで三度目ですよ、人前でそう呼ぶの)

櫻子「…………?」

結衣「ああ、いやなんでもないなんでもない!」

船見先輩はそう言って笑う
その顔はとても楽しそうで

聞いてみても、いいかな


59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 23:55:30.88 ID:c64sKYjZ0

櫻子「あの、少し聞いてもいいですか?お気を悪くされるかもしれないですけど」

結衣「いいけど……あっ!ちなつちゃんちょっと先に行っててもらってもいいかな?」

ちなつ「あ、はい、わかりました」

テテテテテテ

結衣「それで、聞きたいことっていうのは?」

櫻子「その、歳納先輩のこと、なんですけど」

結衣「京子?ああ、あのことか」

櫻子「船見先輩は平気なんですか?その、なんていうか」

結衣「わたしはその、あれだな」

結衣「信じてるから」

櫻子「綾乃先輩をってことですか?」

結衣「綾乃はもちろんだけど、京子のことを」

櫻子「歳納先輩のこと……?」

結衣「そう、わたしはわたしの信じる京子を信じてる、京子なら必ず幸せになるって信じてるから」

櫻子「えっと……」


60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/26(水) 23:58:09.90 ID:c64sKYjZ0

結衣「うーん、まあいきなりだとよくわかんないよね、
    言ってるわたしもこれ最初ちなつちゃんに言われたことだから」

結衣「とにかく櫻子ちゃんかが信じてあげることが大事なんじゃないかな」

櫻子「しん、じる……」

結衣「あ、そんなにちなつちゃん待たせられないし、それじゃ先に行ってるね」

櫻子「あ、はい!ありがとうございました」


かっこよくなってたなあ船見先輩
その中に凛々しさと可憐さもあって
まさに麗人って感じだったなあ


いや、自分が気になったのはそこではない
あの人は笑ってたのだ


船見先輩だって歳納先輩のことが好きだったはずなのに
他に気になる人が出来たら変わるのだろうか
切り替えること、信じること、それが大人ってことなんだろうか

だとしたら

わたしにそれができるのだろうか


62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 00:00:30.81 ID:x8geE7HS0


静間かえる廊下にはもうわたし以外誰もいない
いつのまにかこの静けさが好きになっていた

櫻子「よしっ!」

決意あらたに扉に手をかける、だが

櫻子「おええ、無理……」

さっきから何回この繰り返しなんだろう
ここまで来てへたれてしまう自分がとことん嫌になる

取っ手を掴んだままうなだれしゃがむ
誰かきたらすごい邪魔だな、わたし


??「あのー」

櫻子「う、うわっ!やばっえっとすみません」

あわてて立ち上がり道を譲る
あ~、もう何やってんだろわたし

??「どうしたの櫻子ちゃん?」

櫻子「あ、あかりちゃん!?」


63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 00:02:56.39 ID:x8geE7HS0

あかり「そうだよ、あかりだよ、大丈夫?すごい顔してたけど」

櫻子「あは、いや……でもどうしてここに?てっきりみんなもう入ってるものかと」

あかり「いやわたしも今戻ってきたとこでね、二人が合流したって連絡がきたから」

櫻子「ああ、そう……」

今はこんなあかりちゃんの笑顔さえも苦しい
いや正確にいうとみんなの笑顔だ

歳納先輩も結衣先輩もあかりちゃんも
みんなみんな笑っている


あかり「それじゃあ……」

櫻子「うん、わかった、先に行ってて」


64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 00:05:04.71 ID:x8geE7HS0

先に?

そうだ……みんな、先に行ってるんだ

――まったなー、先に行ってるぜ――

――それじゃあ、先に行ってるね――


みんなどこかで割りきって
わたしよりも先に進んでる


どうやったら、わたしもそこにいけるのかな
わからない、わかんないよ!


いつだってわからない時はあいつが教えてくれた
ねえ教えてよ……!教えて……!
新作のケーキだっておごるし小言もいくらだって聞いてあげる


だから教えてよ……向日葵


櫻子「わたしを置いていかないでっ!!」


66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 00:06:07.63 ID:x8geE7HS0

あかり「うん、置いていかないよ」

櫻子「……………………っ、え?」

目を開けるとまだあかりちゃんがそこにいる

櫻子「あれ?あかりちゃん……?」

どうして、先に行ったんじゃ……?

あかり「あかりは、ここにいるよ」

言葉が出なかった


68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 00:07:30.53 ID:x8geE7HS0

あかり「あかりは櫻子ちゃんと向日葵ちゃんのこと詳しく知ってるわけじゃないし、
     櫻子ちゃんが何で悩んでいるかもわからない」

そう言ってあかりちゃんは腰を下ろし、わたしと同じ目線で窓のほうを向いた

あかり「よっこいしょっと、だから、これはおせっかいな独り言」

あのね、とあかりちゃんは自分に話すかように語りだす

あかり「本当にあかりの周りはすごい人だらけなんだ」

あかり「みんな好きな人のことになると本気で、バンバン突き進んでいって……」

あかり「でもね、立ち止まったり悩んだり泣きたくなることだってみんなあるんだよ」

櫻子(あの人たちにも、やっぱり)

あかり「でもすごいのは、そこから立ち直れること、大切なものを見失わないことなんだ」

櫻子(そんなのはわかってる、でも……)

櫻子「でもっ!」


70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 00:09:41.23 ID:x8geE7HS0

あかり「うん、でもね、みんながそうなれるわけじゃない」

あかり「でも、それでいいんだよ、だって櫻子ちゃんは櫻子ちゃんでしょ?」

櫻子(わたしは、わたし?)

あかり「というか京子ちゃんとか結衣ちゃんとかちなつちゃんが強すぎるんだよ、
     みんなああだったら大変すぎるよ」

櫻子「まあ、確かに」

あかり「そう、世界には強い人も弱い人もいる、
     どっちがいいってわけじゃない、どっちも平等に折れちゃうんだ」

あかり「だからね、あかりはその人たちをちょっとでも支えて上げれたら素敵だと思うの」

あかり「頑張っている人のそばにいたい」

あかり「だからあかりは、ここにいるよ」

あかり「不安や戸惑いは全部ここに置いていって、あかりが全部預かっておくから」

あかり「櫻子ちゃんは櫻子ちゃんのやりたいことをやって、
     そしたらまたここに戻ってきて一緒に悩もう?あかりは、待ってるから」

櫻子「あかりちゃん……」


71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 00:11:29.53 ID:x8geE7HS0

あかり「まあ、全部ある人からの受け売りなんだけどね、えへへ」


櫻子「なんか、すこし頑張れそうな気がしてきたかも」

あかり「あとね、弱いのは櫻子ちゃんだけじゃないはずだよ」

櫻子「えっ……」

あかり「弱い人間なんていくらでもいる、
     櫻子ちゃんも、あかりも、今世界のどこかで頑張ってるみんな、それに……」

あかりちゃんはそう言って扉のほうを見る

そうか……今、一番不安なのは

櫻子「わたし、いくよ」


72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 00:13:24.18 ID:x8geE7HS0

ペンダントを取りだしぎゅっと握りしめる


櫻子「ちゃんと向日葵のこと見てあげなきゃ」

あかり「決めたんだね」

櫻子「うん!」

あかり「それじゃあ一緒に行こ、櫻子ちゃん」

あかり「あかりはいつでも、ここにいるから」


あかりちゃんが振える手を握ってくれる

ギィ……と扉が開いた

式が、始まる


74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 00:15:47.22 ID:x8geE7HS0


あかり「遅れてごめ~ん、まだ始まってないよね」


京子「遅いぞあかり~っていうか飯はまだなのか?めし~めし~」

結衣「ちょっとは落ち着け!」バン!

京子「おお!なんか懐かしい痛み!」

結衣「綾乃もこれぐらいやっていいからな」

綾乃「さ、参考にしとくわ……」


あかり「それで式のほうは」

ちなつ「どうでもいい前座が終わって次が新郎新婦入場ですね」

千歳「前座って、相変わらずやな~吉川さんも」


櫻子(よかった、なんとか間に合った……)

櫻子「ありがとう、あかりちゃん」

櫻子「……ってあかりちゃん!?」


75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 00:17:30.90 ID:x8geE7HS0

あかり「あ、あれ?あかりの席だけ無いよ!?どうして~!?」

ちなつ「ほんとだ!あかりちゃんだけスペースごとない!」

京子「あかり、なんか頭の上が明るいぞ」

あかり「え!いつのまにかキャンドルが頭の上に!あっつ、あっついよ!これ」

結衣「どんなマジックだ!」

あかり「も、燃える、燃えちゃう!!」

結衣「あ、あかり動くな!いま取ってやるから」

ちなつ「あかりちゃん、とりあえず椅子見つけてきたからこれに座って!」

千鶴「係の人に言ったらすぐに用意するって」

あかり「うう、みんなありがとう」

櫻子「ふふふっ、あははっ」

あかり「わ、わらうなんてひどいよお」

櫻子「ご、ごめんごめん」

京子「でも今日はじめて笑った顔見た気がしたな」

綾乃「確かにそうね、妙に暗かったから心配だったのよ」


76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 00:19:17.21 ID:x8geE7HS0

櫻子「そう……ですかね、ふふっ」

ちなつ「まかにあかりちゃん様々ですね」

あかり「もう~みんなってば!」

結衣「そろそろ始まるぞ」


やっぱりこのメンバーは最高だ
ありがとうみんな

みんなのおかげでわたしはまた笑うことができた
今度は、わたしが見守る番だ

司会「それでは、新郎新婦の入場です」

ごくっ

拍手とたくさんの声の中、光が生まれた

その中心には白い輝きを纏った

向日葵がいた


78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 00:20:59.96 ID:x8geE7HS0

司会「新郎の――――さんと、新婦の古谷向日葵さんです」

司会「えー、お二人は…………」

何も耳に入って来なかった

ウェディングドレスに包まれた向日葵は
とてもきれいで、きれいで、きれいで
言葉にできないぐらいきれいで

わたしは愕然としたまま動くことができなかった

そして厳かに華やかに式は進行する

それぞれが思い思いに式を見守っていた


79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 00:22:28.22 ID:x8geE7HS0

千歳「きれいやのー古谷さん」

千鶴「そうだね、姉さん」

千歳「わたしも誰かいい人見つかるとええんけどな」

千鶴「姉さんならきっと、素敵な人と結婚できるよ」

千歳「ありがとうな、千鶴」

千鶴「うん、それほどでも」




ちなつ「すごーい、わたしもあんなドレス着てみたいです」

結衣「似合うと思うよ、ちなつになら」

ちなつ「ほ、ほんとですか?わたし頑張っちゃいますよ?」

結衣「な、なにを?」

ちなつ「またまた、わかってるくせに」

結衣「なんか嫌な予感が……」


80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 00:24:28.92 ID:x8geE7HS0

京子「きれいなもんだな~」

綾乃「そうね」

京子「なあ綾乃」

綾乃「なに?」

京子「結婚しよっか?」

綾乃「ふええ!?」

京子「じょーだんだよ」

綾乃「なんだ、冗談ね、驚かせないでよ」

京子「そのうちな」

綾乃「えっ?……」


あかり「きれいだなー、あかりもお嫁さんとかなれるのかな?」

あかり「……ん?向日葵ちゃんのあれどこかで」

あかり「あ!そういう……なら、まだもうちょっと頑張らないと」

あかり「櫻子ちゃんは、っとあれ?」

あかり「い、いない!?」


82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 00:25:23.27 ID:x8geE7HS0

あかり「結衣ちゃん、ちょっと行ってくる」

結衣「おい!あかり!?」


バン!!


あかり「はぁはぁ……はぁはぁ……」

あかり(廊下にも、いない)

あかり(櫻子ちゃん、本当にそれでいいの?)

あかり(まだ、言いたいことあるはずだよ……!)


83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 00:27:15.08 ID:x8geE7HS0


櫻子「向日葵、きれいだったなー」

櫻子「ほんとうに」

わたしは1人中庭を歩いていた
もう少し中にいても良かったけど向日葵の花嫁姿も見れたし、わたしは満足だ

いや、言い訳だな

本当は耐えられなくなったのだ
何に?なんて自問する必要もないぐらい

耐えられなかった

櫻子「だめだな、せっかくあそこまでお膳立てしてくれたのに逃げたしちゃうなんて」

櫻子「ほんと、どうしようもない」

あれ?ここどこだろ

下を向いて歩いてたせいか全く場所がわからない
とりあえず道なりに行けば……

ガサガサ

櫻子「うう、やっとわかる道に出たかな……」

櫻子「あ……!」


84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 00:28:27.77 ID:x8geE7HS0

そこにはさっき見た古い教会があった

櫻子「こっちの道からでもいけたんだ」

櫻子「まだ、誰かいるのかな?」


ギィ…


恐る恐る扉を開ける

櫻子「うわぁ、すごい……」

中は外見とは違い、誰かが手入れをしているのか小綺麗だった

その中でも特に目を引いたのはステンドグラスで
もう使われなくなって長そうなのに、全く劣化してないような輝きを持っていた

櫻子「すごいきれい……」


沈んでいた心が洗われるような感覚
もう少し、もう少しだけこの場所に浸っていたいと


そう思った


86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 00:30:08.00 ID:x8geE7HS0


綾乃「とりあえず、お色直しを挟んで、かな?」

千歳「いやー幸せそうやったね、古谷さん」

ちなつ「そうでしたか?なんか幸せな顔してましたけど、
     どこかに小骨が引っ掛かったようなそんな表情もあったような」


京子「それよりもあかりは?」

綾乃「あれ?大室さんもいない」

結衣「あかりならさっきどこかにいったぞ」


ちなつ「まあ、あかりちゃんがいないのなんていつものことですよ、気にしない気にしない」



ちなつ 「どうせまた、誰かのために頑張ってるんだろうから」


87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 00:32:54.22 ID:x8geE7HS0


結局、櫻子は途中でいなくなってしまいましたわね
でも来てくれただけでも嬉しいと思うべきなのかしら

全く、櫻子と会うだけだってのになんでこんなにごちゃごちゃ考えなきゃいけないんだろう

昔は、そんなの考えたこともなかった
すぐとなりに、あいつはいたから

??「なんか、うかない顔してるな」

向日葵「いえ、そんなことは……」

??「ふ~ん」

向日葵「ごめんなさい、心配かけて」

??「どうせまた櫻子ちゃんのことでも考えてたんだろ?」

なんで、この人には考えてることが筒抜けになっちゃってるんだろう

向日葵「は、はい」

??「だと思った、向日葵って顔に出やすいからすぐわかる」

向日葵「そ、そんなに?」


89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 00:34:22.43 ID:x8geE7HS0

??「特に深刻な顔をしてる時はいっつも櫻子ちゃんのこと考えてる」

向日葵「うっ……!」

そう言われればそうかもしれない

??「まだ言うことあるんだろ?行ってくればいい」

でも

向日葵「わたしが抜け出すわけには……」

??「数分ぐらいなら稼いでやる、そういうことは、言わないのが一番後悔するから」

向日葵「本当に、いいんですの?」

??「ああ、その代わり約束してくれるか?」

向日葵「やくそく?」

??「ああ、約束だ、戻ってくるときは必ず笑顔で戻ってこい、いいな向日葵」

向日葵「…………はいっ!」

急がないと、そんなに時間に余裕はない
櫻子、帰ってないといいけど……


91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 00:36:41.22 ID:x8geE7HS0

バン!!

まずはドアを出て、右か、左か……一体どこを探せば、総当たりしてる時間なんて

??「中庭の使われなくなった古い教会」

向日葵「えっ?あ、赤座さん?」

あかり「そこに櫻子ちゃんがいるよ」

そこには膝に手をつき、息を切らした赤座さんがいた

向日葵「どうして、赤座さんが?」

あかり「櫻子ちゃんにまだ言いたいことがあるんでしょ?」

向日葵「えっ!どうしてそれを……」

あかり「ペンダント、それ、櫻子ちゃんが持ってたものと同じでしょ?」

わたしは思わず首のペンダントをさわる

あかり「式の途中で気付いたんだけどね、でもそれをしてきたってことは、
     まだ櫻子ちゃんに言い残したことがあるんでしょ?」

あかり「だったら行ってきたほうがいいよ、大丈夫、きっと櫻子ちゃんも待ってるから」

向日葵「あ、ありがとう、うん、行ってくる!」

タタタタタタタ


92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 00:38:48.99 ID:x8geE7HS0

あかり「ふぅ、いいんですか?いかせちゃって」

??「うお!気付いてたのか」

??「まあ心配ではあるけどな、俺はあいつを信じてるから、笑ってない向日葵なんて見てられないし」

あかり「まあ、でもあなたみたいな人に想ってもらえて向日葵ちゃんも幸せだな」

??「それだけ友達のこと思えるなら君にもそういう人いそうだけなもんだけど」


あかり「昔はいたんですけどね、1人……とても大切な子が」

あかり「あの子は置いていったままで、まだここには帰ってこないけど」


あかり「でも今は、みんなを応援するほうが楽しいので」

??「ふ~ん」

あかり「さて、どうせ時間内には戻ってこれないだろうし……」

あかり「一発芸でもやりますか!」

??「ははっ、すべらない程度でたのみますよ」


93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 00:40:04.31 ID:x8geE7HS0


暖かい光の中の安らかなまどろみ
その中に誰かの声が聞こえる

……こ、……らこっ!…………さくらこっ!

誰かがわたしを呼んでる?いったい……?

櫻子「ううっ……」

やばっ!寝ちゃってたんだ
今何時ぐらいなんだろう、……って

櫻子「ひ、向日葵!?」

目の前にドレス姿の向日葵がいた
あれ?もしかしてまだ夢の中

向日葵「櫻子っ!!」

いきなり向日葵が抱きついてきた
暖かい、向日葵の匂いだ

櫻子「ど、どうしたの急に?」

向日葵「どうしたのはこっちよ!中に入ったら櫻子が動いてないんですもの!びっくりしましたわよ!」


94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 00:41:05.38 ID:x8geE7HS0

ああ

櫻子「ええと、ただ眠くなっちゃっただけなんで、その、心配かけてごめん」

向日葵「もう、平気ならいいんですのよ、平気なら」

櫻子「うん…………」

向日葵「…………」

二人の間に無言が停滞する

櫻子「それで……」

櫻子「向日葵は何しに来たの?」

向日葵「それはっ…」

卑怯な質問だ

わたしに会いに来てくれたに決まってる
こんな逃げたした臆病なわたしのために

向日葵のことなんて何も言わなくてもわかるくせに


96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 00:43:21.30 ID:x8geE7HS0

向日葵「櫻子があまり見えなかったからちょっと様子を見にきただけよ」

向日葵「元気そうだったので取り越し苦労でしたわね、もう時間もないのでそれでは」

向日葵(違う、もっと言いたいことがあるはずなのに……)

櫻子「そ、そうなんだ、それじゃあ頑張ってね」


向日葵(…………っ!)


向日葵「で、ではこれで……」


スタスタスタスタ


向日葵が遠ざかっていく


なに言ってるんだろわたしは

せっかくの向日葵の気持ちをあんなふうに

自分からも逃げて、向日葵からも逃げて

このまま、また何も言えずあのわたしに戻っちゃうのかな

仕方ないよね、だってわたしたちはもう変わったんだもん


98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 00:44:43.58 ID:x8geE7HS0

――本当にそうかなぁ?――


えっ?


――言う前に諦めちゃだめだと思う――


本当の親友なら、わかってくれるはず……
歳納先輩……


で、でもっ!もしそうじゃなかったら!


99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 00:45:27.24 ID:x8geE7HS0

――とにかく櫻子ちゃんが信じてあげることが大事なんじゃないかな――

わたしが、信じる?

船見先輩みたいに、わたしの信じている向日葵の

幸せを、信じる

信じたい、信じたいけどっ!

今のこんなぐちゃぐちゃな気持ちじゃ……


100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 00:46:45.76 ID:x8geE7HS0

――不安や戸惑いは全部ここに置いていって――


――あかりが全部預かっておくから――


あかりちゃん……


――櫻子ちゃんは櫻子ちゃんのやりたいことをやって――


わたしの、したいこと?

わたしの、やりたいことは……


108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 01:05:29.63 ID:x8geE7HS0

わたしには歳納先輩や船見先輩みたいにがんじがらめになりながらも気持ちを貫き通すのは無理っぽい


でもみんながいるなら


少しの間だけあかりちゃんに頼ってもいいなら

このこんがらがった荷物を今だけ下ろしていいなら


わたしだって――

先に行けるんだっ!


櫻子「向日葵っ!!」


110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 01:06:55.42 ID:x8geE7HS0


――向日葵っ!!

もう、出ていこうと思っていた

赤座さんに謝らないと

もう少し、櫻子と話したかったな

きっと式が終わってからでも話す機会はある
でも、きっとそれは何か違うんだ

だから、もう出ていこうと思っていた

でも……


櫻子「向日葵っ!!」


向日葵「櫻子……」

振り替えると、目の前に彼女がいた


111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 01:08:35.99 ID:x8geE7HS0


向日葵「櫻子……」

思わず叫ぶと同時に駆け寄っていた

うわ、どうしよ、なんも考えてない

まあ、とりあえず

ガシッ

向日葵「ちょ、ちょっと櫻子!?」

櫻子「ぎゅ~、は、離さないんだから」

向日葵の体温を感じる、すごくあったかい

向日葵「櫻子?」

櫻子「こ、こっちみんなばかっ!」

向日葵「な、なによ」

これから話す顔を見られたくない
あごを向日葵の肩にのせ見られないようにする


112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 01:09:57.91 ID:x8geE7HS0

櫻子「こ、これは独り言だからなっ!」

向日葵「えっ?…………………うん、わかった……」


ここからはもうただの気持ちの吐露だ

届こうが届きまいが関係ない

自分の想いを綴った、ただの独白


113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 01:12:12.09 ID:x8geE7HS0

櫻子「ふうっ……」

櫻子「はぁ、うう……」


櫻子「さ、さみしかっ、た」


一言押し出すだけで泣きそうになり、声が震える


櫻子「ひ、ひまわりが、結婚するっ、するって、聞いてから、ずっとさびしかった」

櫻子「平気なふりしてたけど、ずっと、ずっと、苦しかった」

櫻子「ひまわりにしあわせになってほしいなんて言ってたけど、
    うそだった、わ、わたし全然ひまわりの幸せを信じてあげられなかった」

櫻子「だ、だめなこだよね……
    へへ、わたしが一番祝ってあげないとだめなのに、ずっとこわくて、にげてた」


115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 01:13:44.95 ID:x8geE7HS0

櫻子「でもっ!」

泣きそうになる、だめだ、せっかくの衣装を汚しちゃう

最後まで泣くんじゃない


櫻子「でもっ、今はこころから応援で、できるからっ」

櫻子「ちゃんとっ、ひまわりの幸せを信じてあげられる」

櫻子「だって、ひまわりはわたしにとって!とっ……て」

櫻子「とっても大切で、大切で、大事な友達で、なんでも言い合える親友で……」

櫻子「と、ときにはムカッとすることもあるよ?でも、でもねっ……」


116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 01:14:44.56 ID:x8geE7HS0

涙で前が見えない、もうちょっとだけ、あと少しだけ


櫻子「わたしはっ!そ、そんなひまわりのことが……ことが……ことがっ」


櫻子「大好きだからっ!」

櫻子「すきだよ……ひまわり」


抱きしめる手に力が入らない
自然と体が離れる


117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 01:16:07.21 ID:x8geE7HS0

向日葵「な、なに泣いてるのよ櫻子、顔がぐちゃくちゃよ」

櫻子「な、泣いてなんかないやい!泣いてなんかぁ……うう」

向日葵「いい大人がみっともない、みっとも……ほんとにっ……」

櫻子「な、なんだよぉ、向日葵だって泣いてんじゃん、せっかくの化粧なのに」

向日葵「さ、櫻子のせいでしょう!ほんとに……ばか」

櫻子「ば、ばかってなんだよ!だ、だめだ……もう立つ気力もないや」

向日葵「ほんとうにばかな櫻子、でも……」

向日葵「ありがとう」

櫻子「……うん」

向日葵「わたし、幸せになるから……櫻子が信じてくれた分まで、なるから」

櫻子「結婚おめでとう、向日葵」


やっと言えた、本心からの祝福

きっと、わたしはもう大丈夫だ


118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 01:18:05.11 ID:x8geE7HS0


櫻子「とゆーか、なんていうか」

向日葵「ずいぶん待たせてしまいましたわね」

あれから向日葵と一緒に扉の前まで戻ってきたのはいいものの

向日葵「時間大幅オーバーにも程がありますわね」

櫻子「うう~絶対怒られる」

向日葵「こんな無駄口たたく前にさっさと入ったほうがよろしいんでしょうけど」

櫻子「どうにもタイミングがね~」

向日葵「どんな状況か想像するだけでも恐ろしいですわ」

櫻子「ううぅ…………」

向日葵「…………」

櫻子「どうかしたの?向日葵」

向日葵「そういえば櫻子にしてはすんなり戻ってきましたわね」

櫻子「どういうこと?」


119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 01:21:46.88 ID:x8geE7HS0

向日葵「いやわたしはてっきりあの後連れ去られる展開とかあるのかと」

櫻子「いくらわたしでもそこまではしないよ、迷惑じゃん」

向日葵「くっ、櫻子に一般論を言われた……まあ今も絶賛迷惑かけてますけどね」

櫻子「そりゃあ向日葵の結婚相手が、
    向日葵の気持ち無視するアホ親父とかならわたしだって色々するよ?」

櫻子「でもここまで悩んでたのはあいつがいいやつだから、
    もし向日葵を不幸にするならぶん殴ってまでも取り戻しにいくよ」

??「そりゃお褒めにあずかり光栄です、超幸せにするつもりなんで殴るのは勘弁してくれ」

向日葵「あなた!」

櫻子「いたんかい!」

??「いまきたとこだっつーの、とりあえず来てくれて良かった、向日葵!こっちのほうから入るぞ」

櫻子「わたしは?」

??「そっから普通に入れ」

櫻子「あつかいひっど!まあでも……」

櫻子「向日葵のこと、頼んだぞ!」

??「おう、任せろ!」


130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 01:48:17.93 ID:x8geE7HS0


タタタタタタタ

向日葵「ごめんなさい、遅れちゃって」

??「いいよいいよ、色々と吹っ切れた顔してるし、やっぱ笑ってるほうが可愛いよ」

向日葵「ありがとう、あ!そういえば」

??「うん?」

向日葵「中の状況ってどうなってるんですの?」

??「ああ、さっきまで赤座さんが頑張ってた」

向日葵「赤座さんが!?」

??「うん……頑張ってたよ……頑張ってた」

??「だから、あんまり触れてあげないほうが優しさだ」

向日葵「は、はぁ……?」


133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 01:52:47.83 ID:x8geE7HS0


櫻子「すいませんでした、遅らせちゃって」

京子「いーよいーよ、面白かったし」

櫻子「面白かった……?」

ちなつ「そうですね、とてもおもしろかったですね」

櫻子「あれ?どうしたのあかりちゃん?真っ白になってるよ」

結衣「触れないであげてくれ……」

綾乃「まあこれはこれでいいとして」

綾乃「ちゃんと、想いを伝えられたんでしょ?」

櫻子「はい」

綾乃「それなら良かったわ、
    詳しい事情は知らないけど後輩の暗い顔なんて見てていいものじゃないからね」

櫻子「ほ、ほんとうに心配かけて……」

千歳「いやいや、わたしたちは大室さんの笑顔が見れただけでええんやから」

千鶴「姉さん、再開するみたい」


134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 01:55:55.45 ID:x8geE7HS0

司会「ええ、長らくお待たせいたしました……」

改めて人の多さに驚く

こんなにたくさんの人に向日葵は祝福してもらってたんだ

今度はわたしもちゃんと言える

おめでとう、向日葵


135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 01:59:17.45 ID:x8geE7HS0

――エピローグ



その後、式は大したハプニングもなく終了した

終始笑顔の向日葵を見てるだけでわたしは満足だった

そして


千歳「いや~それにしてほんま良かったね綾乃ちゃん」

綾乃「な、なにがよ!?」

あかり「あれ?そういえば綾乃ちゃんがブーケ取ったんだっけ?」

綾乃「か、関係ないわよ!あんなもの」

京子「なあ綾乃~、式はいつにしよっか?」

綾乃「じょ、冗談にはもう騙されないわよ」

京子「えー?これでも真剣なんだけどな~」


136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 02:02:45.40 ID:x8geE7HS0

ちなつ「結衣先輩!わたしたちはいつにします?」

結衣「え、いやなんのことかわからないな~」

ちなつ「結衣先輩、最近とぼけるのが上手くなりましたね」

結衣「い、いやほんとに」


櫻子「あ、あのっ!」

櫻子「今日はほんとうにありがとうございました、!」

千歳「なんや?そないに改まって」

綾乃「そうよそうよ」

結衣「わたしたちは別に何もしてないしな」

京子「そうだぞ~、あ!あれか、あかりが盛大にすべったやつ」

あかり「あわわ京子ちゃん!蒸し返さないでよう!」

ちなつ「大丈夫だよあかりちゃん、わたしは面白かったから!」

あかり「フォ、フォローになってるのかな?」

櫻子「ふふふっ、あははっ」


138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 02:07:42.84 ID:x8geE7HS0

京子「そうそう、その顔だぞ~、べろべろば~!」

綾乃「あんまり調子に乗るな」バシッ!

京子「いたっ!綾乃、なんか突っ込みが結衣じみてきたぞ」

櫻子「あははっ、本当に……ありがとうございますっ」


この人たちといるだけで笑顔が出てくる

本当は一人で悩まずに最初から相談するべきだったのかもしれない
こんなにもたくさんの仲間が近くにいたのだから

京子先輩から逃げてきたあかりちゃんに並んで先頭を歩く


あかり「そういえば……預かってたもの、もう返す必要はないかな」

櫻子「ううん、それはちゃんと持っていくよ」

櫻子「これから色々悩んで、考えて、わたしも進んでいかなくちゃだめだから」


140 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 02:12:11.95 ID:x8geE7HS0

あかり「櫻子ちゃんが決めたことなら、わたしは見守るだけだよ」

櫻子「でも、もしまた一人で壁にぶつかった時は……」


振り替えるとあかりちゃんが微笑む

その後ろからみんなが歩いてくる

大丈夫だよ向日葵、わたしにはこんなに頼れるみんながいる

もし神様がいるとしたらこの出会いこそが奇跡なのかもしれない

偶然か必然かはわからない

もしかしてこの世界を動かしてる神様みたいな存在がいるのかも

そう思えばこのめぐりあいにも納得がいく


めぐりあい……結婚、わたしにもいい人が見つかるのだろうか


142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 02:18:29.99 ID:x8geE7HS0

ふと、足を止める

みんなが過ぎ去ると、後ろにはもう誰もいない

もしこの世界が神様の作った物語で

それを見ている人がいるんだとすれば

振り返り、だれもいない空に向かってつぶやく

櫻子「誰か、結婚しちゃおっか?」


なーんてね、いるはずもないか


京子「おーい、さくらっこー置いてくぞ~!」

櫻子「あ、はい、今いきます!」


焦ることはない、まずはゆっくりゆっくり
一段ずつ登っていこう
わたしたちにはきっと素晴らしい未来が待っているのだから


とりあえず


―――――END―――――


144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 02:27:16.50 ID:04lLfv9Z0


櫻子、最後カッコよかった
こういうタイプの作品はかなり珍しいな



150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/27(木) 02:37:55.26 ID:w7pvql6A0

野郎が出て来て良い終わり方するなんて……!




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