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千歳「綾乃ちゃんと歳納さんが付き合うことになった」

SS速報VIP
2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/18(火) 20:52:28.09 ID:30VkLmfi0

綾乃「たぶん、歳納京子は冗談半分だと思うの……でも、付き合ってって」

いきなりの告白。
千歳は電波の向こうの綾乃の吐息に耳を澄ませた。
微かに震えている。
その震えが、千歳を自分の聞き間違いじゃないのだと納得させた。

千歳「すごい、良かったやん!これでうちも妄想し放題やな!」

綾乃「も、もう……!変なこと言わないでよ!」

千歳「ふふっ、でも突然どうしたんやろなあ?」

綾乃「し、知らないわっ!歳納京子のことだから気紛れで……」

千歳「歳納さんはそんな人やあらへんって、綾乃ちゃんが一番知ってるやろ?」

綾乃「……千歳、でも私」

千歳「自信持ってええんよ、歳納さんは綾乃ちゃんを選んだんやし、大丈夫」

綾乃「……えぇ、そう、よね」

千歳「うん、そうやって」

綾乃「ありがと、千歳。少し落ち着いたわ」




 
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/18(火) 20:53:28.51 ID:30VkLmfi0

綾乃の声は確かに、電話がかかってきたときよりも安定していた。
千歳は「ほならまた明日な」
そう言って電話を切ろうとした。けれど綾乃はそれを引き止めて。

綾乃「ねえ、千歳」

千歳「うん?」

綾乃「……その、これからも相談、していいかしら」

千歳「……うん、もちろんやで、綾乃ちゃん」

もう一度ありがと、と声が聞こえ、それから電話は切れた。
ぷつりと。
千歳は「良かったなあ、綾乃ちゃん」そう呟きながら目を閉じた。


4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/18(火) 20:53:58.15 ID:30VkLmfi0
―――――
 ―――――

綾乃が片思いの相手、歳納京子に告白したのはもうすぐ二年生が終わる三月の始めのことだった。
千歳は今でも、そのときのことがはっきりと思い出せる。

綾乃「あ、あの、歳納京子……!」

京子「どしたの綾乃、顔真っ赤じゃん」

綾乃「う、うるさいわねっ!無駄口叩くと罰金バッキンガムなんだからね!」

京子「えー」

綾乃「一度しか言わないんだから!わ、私、杉浦綾乃は!」

頑張れ、綾乃ちゃん。
何度心の中で声をかけたかはもう、覚えていないけど。

綾乃「あ、あなたが……あなたのこと、す、す、好き……じゃなくはないの!」


5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/18(火) 20:54:46.00 ID:30VkLmfi0

京子「綾乃……?」

綾乃「あーもう……!だから、私は……!」

京子「綾乃が、私のこと、好き……?」

途端、綾乃の顔が遠めでもはっきりとわかるくらいにぼっと赤く染まった。
なんでそういうことだけ!
と綾乃の声がはっきりと聞こえてきそうだった。

綾乃「そ、その……間違っては、ない、っていうか……ぶっちゃけ正解っていうか……!」

京子「そ、そうなんだ……えっと」

綾乃「な、なんであなたまでそんな顔してるのよ!?」

京子「しないほうが無理でしょ!」

さすがの京子も綾乃の告白には冗談では返せないらしく、歳相応の反応。
千歳は鼻血を噴出しそうになるのを堪えながらもう一度、
頑張れ綾乃ちゃん!あと一押しや!
そう応援したときだった。


6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/18(火) 20:55:24.23 ID:30VkLmfi0

京子「その、綾乃の気持ちは嬉しいかなって」

綾乃「……え、えぇ」

京子「けど私、今はあまり、そういうこと、付き合う……とかは、考えられないから」

言葉を慎重に選ぶように、京子は言った。
千歳も、きっと綾乃も、次の京子の言葉に耳を澄ませた。

京子「ごめん!」

京子の放った言葉はそれだった。
それから「その、また後で変わるかもしれないから……」と、そう付け足して。

綾乃「と、歳納京子――!」

もう一度、ごめんと言い置いて、放課後終了のチャイムが鳴ったと同時に
綾乃に背を向けた。
綾乃はしばらく、呆然としたようにそこに立っていた。
千歳はただ、そんな綾乃の傍で一緒にいてやることしかできなかった。


7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/18(火) 20:56:02.28 ID:30VkLmfi0

綾乃は泣いてなんかいなかった。
「だって、あの言い方じゃまだチャンスあるっていうことだものね」
そう言って、最後には健気に笑っていた。

それからすぐに、結衣が京子に告白したという噂が回ってきたときには
綾乃も泣き出しそうになっていたが、それでもやっぱり泣かなかった。
「まだ歳納京子が船見さんと付き合うって噂は聞いてないから」
と、そのときも綾乃はそう言っていた。

強い子やなと、千歳は思った。
だから、報われて欲しいと、本気で願った。

そんな願いがやっと叶ったのだから、嬉しいに決まってる。

あんなに不安そうに、嬉しそうに、「歳納京子と付き合うことになったわ」と。

本当に、良かった。
綾乃ちゃんが幸せになって、本当に良かった。

千歳「……綾京で妄想する準備しとかなあかんな」

メガネを外す。
何も浮かばない。
それもそうだ、自分の願望が、実際に叶ったのだから。もう、妄想なんて必要ない。

外したメガネを脇に置き直すと、千歳は握ったままの携帯をそのままに、
ベッドの中で小さく身体を丸めた。


8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/18(火) 20:57:25.71 ID:30VkLmfi0

綾乃「お、おはよう!」

普段より早くいつもの待ち合わせ場所に着いたというのに、
綾乃はもう先に着いていて千歳を待っていた。

千歳「おはようさん、綾乃ちゃん。今日はえらい早いなあ」

綾乃「少し、早く起きすぎちゃって……」

千歳「全然少しちゃうやん」

綾乃「それは、そうかもだけど……少しだけよ、少しだけ!」

千歳「ふふっ、そういうことにしとくわあ」

綾乃「それで、千歳……」

どうしたん?と首を傾げると、綾乃は「頭……」と恥ずかしそうに呟いた。
「あぁ」と千歳は声をあげた。


9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/18(火) 20:57:51.49 ID:30VkLmfi0

千歳「それ、新しい髪留め?」

綾乃「えぇ……」

千歳「可愛いで、綾乃ちゃん」

にっこり笑ってそういうと、綾乃は「ほんと!?」と途端に嬉しそうな顔をした。
「ほんまやって」と千歳は笑う。

綾乃「そ、そう……」

千歳「これで歳納さんも綾乃ちゃんにメロメロやなあ」

綾乃「メロメロ……!?」

千歳「そやで、きっとメロメロや!」

綾乃は何度も頭を気にするような素振を見せながら、
「千歳が言うなら……」とようやくほっとしたようだった。
きっと、起きて髪を結ってからずっと不安だったのだろう。


10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/18(火) 20:58:17.87 ID:30VkLmfi0

千歳「それで、どこで待ち合わせしとるん?」

綾乃「えっと、確かコンビニ前にある公園の前だったと思うわ」

千歳「だったと思うて、ほんまはしっかり覚えてるくせにー」

綾乃「べ、別にそんなことは……!」

千歳「ほな行こ、綾乃ちゃん。歳納さんもう待っとるんちゃう?」

綾乃「ど、どうかしら……結局遅刻でもして後から教室入ってきそうだわ……」

千歳「そんなわけあらへんやろ、いつまでも照れとったらあかんよー」

ぐいっと綾乃の背中を押した。
そのとき少しはねた綾乃のポニーテール。
千歳は尻尾のようなその毛先をそっと、引っ張ってみる。
綾乃が「いたっ」と声を上げて振り向いた。

綾乃「もう千歳、何するのよ」

千歳「ごめんごめん、ほんの出来心や」

綾乃「次やったら罰金バッキンガムなんだから」

怒ったような顔をしてみせるけど、本気で怒っていないことくらい、
千歳にはよくわかる。
なんだか少し、前によく京子がさせていたその表情を見たいと思ったから。


11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/18(火) 20:58:43.47 ID:30VkLmfi0


綾乃「あっ……」

件の公園の傍まで来ると、少し先に立っていた綾乃が小さく声をあげ立ち止まった。
千歳はなになにと綾乃の背中から前を覗き込む。
さっきの綾乃と同じように、髪を気にしているような京子の姿があった。

千歳「……」

綾乃「……」

千歳「綾乃ちゃん」

綾乃「わ、わかってるわよ……!」

そっと呼びかけると、綾乃はそう言いながらぎくしゃくとした様子で歩き出した。
それがあまりにもぎくしゃくすぎて、不自然なはずが逆に自然に見えてくる。
思わず千歳は噴出しそうになってしまった。


12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/18(火) 20:59:19.55 ID:30VkLmfi0

綾乃「と、歳納京子……!」

いつもより迫力の無い呼びかけ。
それでもちゃんと京子には届いたようで、京子がぱっと振り向いた。
綾乃がぴたっと立ち止まる。

京子「あ、綾乃!……おはよ」

綾乃「お、おはよう……」

初々しい二人もええなぁ。
綾乃の新しい髪留め、そして京子の頭にもいつもとは違うリボンのカチューシャが。

綾乃と京子の二人はそれにすら気付かないほど余裕がないのか、
何も言わないまま微妙な空気を保ったまま歩き出した。

千歳「……あらら」

その後ろを追おうとしながら、千歳はふと立ち止まった。
自分と同じように少しはなれた場所で様子を見ているような人影。
向こうもこちらに気付いたのか、こちらのほうに視線を移した。ぱっと目が合う。

千歳「……船見さん」

結衣「……千歳」


13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/18(火) 20:59:48.14 ID:30VkLmfi0

「おはよう」と口を動かすと、結衣は小走りで千歳に駆け寄ってきた。
結衣が京子に告白したという噂は聞いていたし、
自分がその京子と付き合っているわけでもないのになんとなく気まずかった。

結衣「千歳、おはよ」

千歳「うん……おはよう」

それっきり、会話が続かない。
結衣も結衣で、駆け寄ってきたのはいいが何か話したいことがあるというふうでもなかった。

結衣「……一緒に学校、行く?」

千歳「うん、そやな」


14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/18(火) 21:00:17.67 ID:30VkLmfi0

なんとなく、二人並んで歩き始める。
そのずっと前で、京子の大きなリボンと揺れる綾乃の髪が見えた。

結衣「いつも一緒に行ってたやつが前で歩いてると変な感じ」

そう言って、結衣が笑った。
千歳もそうやなあと笑いながら「でも」と付け足した。

結衣「うん?」

千歳「うちはいっつも、綾乃ちゃんの少し後ろを歩いとったから……」

結衣「……確かにそうだったかも」

だから、綾乃の後姿は見慣れている。
今日の綾乃の背中が、とびっきり嬉しそうだということもわかった。

結衣「なんでいつも、綾乃の後ろ歩いてるの?」

千歳「なんやろ、癖、かな……」

結衣「癖って」

千歳「ようわからへんけど、自然と」

いつかこうなるかもしれないと、そんな気持ちがどこかにあったのかも知れなかった。
だからかもしれないし、それは自分でもよくわからないけど。
綾乃の後ろを歩くことで、千歳は少しでも、安心できた。


15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/18(火) 21:00:46.38 ID:30VkLmfi0

結衣「へえ」

千歳「変な話やけど」

そう言って千歳が自嘲気味に笑うと、
結衣がぽつりと「私もそうしとけばよかったかな」と呟いた。

千歳「船見さん?」

結衣「やっぱ、京子の背中見んのは馴れないかなってさ」

私こそ変な話だけど、ずっと京子の隣歩けるって思ってたから。
結衣はそう言いながら、肩にかけていた鞄をぐっと持ち直した。

そんな結衣の様子で、
ほんまに船見さんは歳納さんのこと好きやってんなあと、
千歳はそんなことをぼんやりと思った。

そしてたぶん、今もその気持ちは変わっていないんだろうなと感じさせた。


16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/18(火) 21:01:20.72 ID:30VkLmfi0

結衣「何話してんだろ、綾乃と京子」

千歳「歳納さんと綾乃ちゃんやしあんま想像つかんなあ」

結衣「いつも妄想してるのに?」

千歳「妄想と実際のことはちゃうもん」

結衣「それもそうか」

千歳「そやで、綾乃ちゃんはあのとおりほんまにウブやし」

結衣「京子も普段あんなだけど結構へたれだしな」

千歳「意外やわあ」

結衣「綾乃は納得だけど」

顔を見合わせて、ぷっと笑った。
いつのまにか、前に見えていた二人の姿はなくなっていた。

結衣「……歩くのはやっ」

千歳「うちらが遅かっただけかもやなあ」

結衣「そうかも」

千歳「追いかける?」

結衣「……やめとこ」

そやな、邪魔しちゃ悪いもんな。
千歳は頷くと、のろのろとした結衣の速度に自分の足の速度を合わせた。
景色が過ぎるのは遅い。
けど、今は目まぐるしいほど早く過ぎていく世界よりもどれだけ歩いても
なにも変わらない世界が欲しいと思った。


17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/18(火) 21:01:53.57 ID:30VkLmfi0


三年に進級してもクラスのメンバーは大して変わらず、
千歳と綾乃、そして京子と結衣という四人ももちろん同じだった。

靴箱と教室だけが三年生のものに変わり、あとは何も変化はないからまだ4月の中旬というこの頃、
不安なのはクラスに馴染めるかどうかより靴箱や教室を間違えないかということだった。

結衣「危な、また前のとこ行こうとしてた……」

千歳「あー、うちもやわー」

結衣「やっぱまだ馴れないな」

千歳「そのうち、馴れてくるものやろけどな」

そう言いながらふと二年の教室へ続く廊下のほうを見た千歳と結衣はきょとんと固まってしまった。
綾乃と京子だ。

結衣「……」

千歳「……」

結衣「間違えたみたいだね」

千歳「そうみたいやね」

去年使っていた教室からすごすご出てきた姿が二人あまりにもそっくりで。
案外、京子と綾乃は似たもの同士なのかもしれない。


18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/18(火) 21:02:21.18 ID:30VkLmfi0

結衣「私たち、先行こっか」

結衣が言って、千歳は「うん」と頷いた。
綾乃たちは千歳たちに気付いていないようで、硬い表情で何か言い合っている。
それでも止めるほどの言い合いなんかじゃなくって、二人とも随分と楽しそうに見えた。

ええなあ。

結衣「千歳?」

千歳「あっ、うちまた鼻血出してた?」

結衣「いや、出てないけど……」

確かに結衣の言う通り、鼻を拭っても赤いものは何もついていない。
うちの鼻血、治ったんかなあ、と千歳は笑った。


19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/18(火) 21:02:48.16 ID:30VkLmfi0
―――――
 ―――――

綾乃「千歳!」

まだ馴染めない教室で一人、
やることもないので生徒会の資料を探っていると突然綾乃が走りよってきた。

千歳「わっ、どうしたん、綾乃ちゃん?」

綾乃「……なんでもないけど」

綾乃はそう言いながら、千歳の机の前でしゃがみ込んでじっと千歳の顔を見詰めた。
「どうしたんよ?」と笑いながら訊ねると、綾乃は「ううん」と首を振って溜息。

綾乃「やっぱ千歳の顔見てると安心するなって」


20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/18(火) 21:03:20.96 ID:30VkLmfi0

千歳「ほんまに?」

綾乃「だって、歳納京子の近くにいると緊張して仕方ないんだもの……」

千歳「それはいつものことやん」

綾乃「ま、まあそうだけど……」

頷きながら、綾乃はちらりと背後に視線を送った。
今の綾乃と同じように京子が結衣に泣きついている(?)らしい姿。

歳納さんも随分罪作りな人やなあ。
それはたぶん、綾乃ちゃんも一緒なんやろうけど。

千歳「ええの?うちなんかと話してて。せっかく歳納さんとまた同じクラスなんやから」

綾乃「それはそうなんだけど、なに話せばいいかわからないし……」

千歳「うちと話してるときと同じ感じでええんちゃう?」

綾乃「そう言われても……」

ほんましゃあないなあ、綾乃ちゃんは。
せっかく歳納さんと堂々と一緒にいられるのに。
歳納さんと綾乃ちゃんがどんなことしてたっておかしくなくなるんやし。

綾乃「って、千歳、鼻血鼻血!」

千歳「え?あ、ほんまや」

綾乃「ほんまやってそんな呑気に言ってる場合じゃないわよ!」

慌てたように綾乃がティッシュを探る中、千歳はぼんやり机に落ちた赤い血を眺めた。
治ったわけとはちゃうねんな。
綾乃に押し付けられたティッシュで血を拭いながら、さらにぼんやり、千歳は思った。


21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/18(火) 21:04:00.56 ID:30VkLmfi0


放課後。
今日の生徒会室は妙に静かで、千歳は黙々と作業をこなしていた。
止まらない手。
それなのに作業は中々終わらない。

千歳「……」

向日葵と櫻子の仲良し生徒会副会長コンビは一緒に
校内清掃状況を確認しに行ってしまったし、西垣は相変わらず実験してばかり。

生徒会長のりせはこの春卒業してしまい、その座を受け継いだ綾乃は今、
京子に誘われて旧茶道部の部室(現ごらく部部室)へと行ってしまった。

昼休みも結局生徒会の仕事が入ってしまい、あまり話せなかったことを気にしていた
綾乃だったから、千歳は「そんなに仕事ないし行ってきぃ」と送り出したのだった。
実際には、今机に積み上げているとおりの量なわけだけど。

千歳「綾乃ちゃん、うまくやっとるかなあ」

パチンッ、パチンッ
ホッチキスでプリントの束を留めていきながら、呟いた。
パチンッ、コンコン、パチンッ
その時、ホッチキスの音に混じるようにノックの音。

わざわざノックをするということは、
向日葵や櫻子が帰って来たわけではないだろうし、もちろん綾乃なわけもない。
三人ともどーんとかばーんとか音をたてて扉を開けるはずなのだから。

だったら生徒会以外の誰か。
プリントの山の他にも何か終わらせなければならない仕事があっただろうかと
頭をめぐらせながら、千歳は「はいはーい」と返事をして立ち上がった。

扉を開けると、結衣の姿があった。


22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/18(火) 21:04:27.67 ID:30VkLmfi0

結衣「あ、千歳」

千歳「船見さん……?」

なんとも珍しい。
結衣は千歳の姿をみとめると、「良かった、いたんだ」とほっとしたような顔をした。

とにかく中に結衣を入れると、空いているパイプ椅子をすすめる。
結衣は苦笑しながら
「部室はいれないし生徒会室にも誰もいなかったら帰るまでどこで時間潰そうか迷ってた」
と言ってすすめられたとおり椅子に座った。
空気の抜けるようなおかしな音がした。

千歳「あ、綾乃ちゃん?」

結衣「うん、そう」

千歳「えっと、ごめんな」

結衣「あ、いや、そういうんじゃなくって!あの二人、いるのはいいんだけど
    何も話さないしすっごい雰囲気がぎくしゃくしてるっていうか」

それであそこにいにくくなっちゃったんだよね。
千歳も「わかるわあ」と笑いながら頷いた。


23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/18(火) 21:05:02.82 ID:30VkLmfi0

千歳「赤座さんたちは?」

結衣「新入部員勧誘しに行くとか言って二人で逃げ出しちゃったよ」

千歳「新入部員なあ」

そういえばそんな時期なのだ。
生徒会はまだメンバーの入れ替えがないので、すっかり忘れてしまっていた。

結衣「一年生は入らないの?」

千歳「うちらのとこ?」

結衣「うん」

千歳「どうやろなあ、綾乃ちゃんが募集せえへんって。
    確かに今このメンバーで充分いけてるんやけど」

結衣「そっか」

千歳「うん、うちらが生徒会引退する時点で一年生募集するんやって」

結衣「一年生、誰も入って来ようとはしないんだ?」

千歳「希望者がいるなら綾乃ちゃんもすぐに頷いたやろけどなあ」

結衣「一年生がいないのは幸か不幸か」

ぎしぎしと音を鳴らすパイプ椅子。
そろそろ買い替えてもいい時期かもしれない。それとも、どこかの教室から椅子を譲り受けるか――

千歳「……どういう意味?」

結衣「千歳にとって、一年生がいないのって辛くないのかなって思って」


24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/18(火) 21:05:33.16 ID:30VkLmfi0

ぽつりと結衣が言う。
お茶請けを持ったまま、千歳はそんな結衣の表情を窺うようにして見た。
あくまでも、結衣は淡々と。

結衣「だって、一年生がいれば千歳は綾乃と一緒にいる時間、少なくなるから。
    逆に、一年生がいなきゃ前みたいに仕事することになるし大変でしょ?」

千歳「うちは雑用みたいなもんやし、大室さんらもそれでええって。
    そもそも募集したってそんなに人は集まらへんやろし……」

結衣「そうじゃなくって」

少し強い結衣の言葉に、千歳はそっと顔を逸らした。
そのまま、「お茶でええ?」と訊ねる。結衣はそれに返事せず、訊ね返した。



結衣「千歳は綾乃の傍にいるの、辛くないの?」


25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/18(火) 21:13:26.53 ID:30VkLmfi0

ズキンッと胸の奥が変な音を立てた気がした。
それは言いすぎだとしても、何かが千歳の中で警鐘を鳴らす。

千歳「……なんでうちが綾乃ちゃんの傍にいるのが辛くならなあかんの?」

結衣「……千歳」

千歳「うちは綾乃ちゃんの傍におれて嬉しいよ。綾乃ちゃんが幸せで、すごい嬉しいよ。
    一年生がいてたってそれは変わらへんし、今だってそんなん思たこともあらへん」

綾乃ちゃんの幸せはうちの幸せなんやから。
辛くなるはずなんて、ない。

千歳はぐっと急須の取っ手を握り締めた。
結衣は「そっか」と言ったきり、何も言わなくなる。それで千歳はハッとした。
つい、強い声を出してしまっていたのだ。
千歳は唇を噛締め、「なにやってんやろなあ、うち」と呟いた。


28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/19(水) 12:18:11.19 ID:nRbrSsAv0


綾乃「ごめんね、千歳。全部やらせちゃったみたいで」

千歳「ううん、かまへんでー。船見さんが手伝ってくれたから」

綾乃「へえ、船見さんが……」

放課後終了のチャイムが鳴ったと同時に、結衣が出て行き綾乃が戻ってきた。
積み上げられていた書類の山はなんとか終わらせ、
綾乃が戻ってきた頃にはすっかりいつもの千歳に戻っていた。

千歳は帰り支度を終わらせた鞄を持って、綾乃に「ほな帰る?」と声をかけた。
綾乃は「あ……」と言って気まずそうにもじもじした。

千歳「……あ、歳納さんと帰るんやな?」

綾乃「って、歳納京子は言ってたけど」

船見さんは部室に帰っちゃったし、もしかしたら綾乃ちゃんと歳納さんは一緒に帰れへんかも。
そう思った自分に、千歳は唖然とした。
さっきの結衣の言葉が変に頭の中に残っていた。


29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/19(水) 15:33:55.01 ID:W5BKob2a0

綾乃「千歳?」

千歳「あ、ううん、なんでもあらへんよ!ほんならはよ歳納さんとこ行ってきぃ!」

綾乃「ちょ、ちょっと千歳……」

とんっと綾乃の背中を押したときだった。
がらっと生徒会室の扉が開く。

綾乃「歳納京子……と船見さん」

京子「ごめん、結衣も一緒でいい?」

ちらりと背後に立つ結衣を見ながら、京子が言った。
申し訳なさそうにも見えるし、どこかほっとした表情にも見えた。


30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/19(水) 15:40:49.03 ID:W5BKob2a0

結衣「綾乃、ごめんね」

綾乃「い、いいえ……構わないけど」

戸惑ったような綾乃だけど、こくんと頷いた。
もしかして船見さん、歳納さんに無理矢理――
そんな疑惑は、結衣の本当にすまなさそうな表情で打ち砕かれた。

当たり前や、いくら船見さんが歳納さんのこと好きやったとしても、
船見さんがそんなことをするはずはないんやから。千歳は自分の中で生まれた疑惑にぞっとする。

綾乃「あ、それなら千歳も一緒に」

千歳「うちはええわ」

綾乃「え?」

京子「千歳?」

結衣と目が合った。結衣の困ったような顔から目を逸らす。
今のままじゃ、皆が気持ちよく話せる状態ではないことを、千歳はわかっていた。
というよりも、一度疑ってしまった相手と一緒にいることなんて、自己嫌悪と申し訳なさでできなかった。


33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/20(木) 18:40:28.39 ID:CedWcY6d0

千歳「うち、そういえば今日千鶴と約束あってんよ、だから三人で帰ってくれへんかな」

そう言うと、京子たちはうんとかわかったと口々に言いながら生徒会室を出て行った。
最後に出て行った京子に「歳納さん、綾乃ちゃんを宜しくな」と声をかけると、
京子は「任しとけ」というようにVサイン。
けどその様子が少し迷っているように見えたのは、きっと千歳の気のせいではないのだろう。

―――――
 ―――――

34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/20(木) 18:40:57.50 ID:CedWcY6d0

千鶴と約束があったなんて当然嘘で、千歳は誰も横に伴わないまま、一人で家路を辿った。
綾乃の背中も、はねるようなポニーテールも、怒ったような声もその横顔も、何も見えない。
突然、形容しがたい感情が襲ってきたことに気付く。

寂しい。
というよりも、悲しい。

綾乃がいないことなのか、それとも違う意味でのことなのか、千歳にはわからないけど。
結衣の言葉が耳から離れなかった。

『千歳は綾乃の傍にいるの、辛くないの?』

辛いわけなんて、ない。
綾乃と一緒にいることは、千歳にとって最大の幸せだったのだから。

なのにどうして今、こんなにも泣きそうになっているのか、やっぱり千歳にはわからなかった。


35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/20(木) 18:41:26.39 ID:CedWcY6d0


それから数日後、突然、綾乃と京子がケンカした。
いつものケンカというよりも、もっとお互いを傷付けあうものだった。

千歳「ちょっと、綾乃ちゃん?」

それを聞いたのは、放課後のことだった。
綾乃が二人だけの生徒会室で、ぽつりと漏らした言葉。

「もう、京子と付き合えないかも」

呼び方が「京子」になっていることに悶えている暇なんてなかった。
今、綾乃ちゃん、なんて言った?
千歳は慌てて綾乃に駆け寄った。

千歳「それ、どういうことなん?」


36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/20(木) 18:41:54.25 ID:CedWcY6d0

綾乃「ケンカ、しちゃった」

千歳「ケンカって……」

綾乃「私と一緒にいてもまだ、迷ってるみたいだったから」

疲れきったように言う綾乃の目は赤く、目蓋は薄く腫れていた。
泣いていたのは確かだった。
それに気付かなかった自分に、千歳は呆然とする。

千歳「迷ってるみたいって……」

綾乃「船見さん」

船見さんに告白されて、それで、船見さんのこと、まだ迷ってるみたいなの。
綾乃は静かに、そう言った。


37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/20(木) 18:42:32.58 ID:CedWcY6d0

綾乃「だから、もう私に付き合わなくていいって、
    思いっ切りそう言ってやったら向こうは泣きそうな顔しちゃって」

千歳「綾乃ちゃん……」

ここ数日、出来るだけ綾乃と目を合わさないようにして過ごしていた。鼻血とも無縁の生活。
だからといって綾乃の様子があからさまに違うということにどうして気付けなかったのか。
なにより、それでも千歳を信頼して話してくれる綾乃の言葉が、今の千歳にとっては辛かった。

綾乃「バカみたいよね、私。聞いてくれてありがと、千歳」

何も、言えなかった。
怒りが涌いてこない自分に対しての怒りと、そしておかしな安堵にも似た感情。
チャイムが鳴る。綾乃が「帰りましょうか」と笑った。


38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/20(木) 18:43:04.36 ID:CedWcY6d0


千鶴「姉さん」

家に帰り、部屋で沈み込んでいると唐突にノックの音がして妹の千鶴が入ってきた。
「あぁ、千鶴。おかえり」と笑いかけると、千鶴は露骨に心配そうな顔をした。

千鶴「姉さん、どうしたの」

千歳「うん……」

千鶴「姉さん」

千鶴の強い声に、千歳は顔を上げた。
真剣な瞳が、千歳をじっと見詰めている。千歳は微かに息を吐くと、綾乃の話をぽつりと話し始めた。
話を聞いた千鶴は、千歳の予想通りの反応を返してきた。


39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/20(木) 18:43:30.70 ID:CedWcY6d0

千鶴「そんなの、歳納なんたらが悪いに決まってる」

千歳「千鶴、そんなふうに……」

千鶴「だって、どう考えたってそうでしょ。杉浦さんに告白されて、船見さんにも告白されて、
    結局選んだのが杉浦さんで、なのにまだ迷ってるって、そんなの歳納が」

けど、綾乃ちゃんは歳納さんのこと、責めてるようには見えへんかった。
千鶴の激しい声を聞きながら、千歳はぼんやり思った。

そうだ、それでも綾乃ちゃんは歳納さんのことが好きで。
綾乃ちゃんから聞く歳納さんはとても生き生きしていて、明るくて面白くて、それでいて
本当は優しいんやって。もちろん、綾乃ちゃんはそんな言い方はしてへんかったけど。


40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/20(木) 18:44:02.81 ID:CedWcY6d0

千歳「千鶴、そんな言い方、せんといて」

千鶴「姉さん……」

千歳「綾乃ちゃんは、それでも歳納さんが好きなんや。
    綾乃ちゃんのためにも、そんなふうに言わんといてあげて」

なんで綾乃を泣かせた京子を庇うのか、自分でもよくわからなかった。
ただ、綾乃の好きな京子を信じたかった。

千鶴が言葉に詰まる。
ちょうどその時、ベッドに放り投げていた携帯が震動した。
普段はかかってこないような人からの、突然の電話だった。


41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/20(木) 18:44:29.32 ID:CedWcY6d0


綾乃「……千歳」

千歳「……綾乃ちゃん?」

真っ暗な公園の、小さなベンチ。
寒そうに身を縮めているのは確かに綾乃だった。春だとはいっても、まだ夜は肌寒い。

綾乃「ごめんね、突然呼び出しちゃって」

千歳「ううん、平気やで」

綾乃「やっぱりこういうときに浮かぶのって、千歳なのよね……」

千歳「……歳納さんは?」

綾乃「――京子は」

そう呟いてから、綾乃はふと目を伏せた。
千歳は黙り込んだ綾乃の隣にゆっくり腰を下ろす。拳一つ分くらいの距離をあけて。
これがいつもの、二人の距離。


42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/20(木) 18:45:00.49 ID:CedWcY6d0

綾乃「……やっぱり私、もう京子と付き合えないって思ったの。
    だから、明日、別れることにしたわ」

千歳「……綾乃ちゃんは、もう歳納さんのこと、好きやないの?」

綾乃「……」

じっと瞳を見詰めながら千歳は訊ねた。
綾乃は一瞬たじろいだように目を逸らし。そのまま、こくりと頷く。


43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/20(木) 18:45:31.98 ID:CedWcY6d0

千歳「ほんまに?」

綾乃「……えぇ」

今度は声に出して。
千歳はすっと息を吸い込んだ。


千歳「綾乃ちゃん、うち、綾乃ちゃんのこと好きやねんけど」


44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/20(木) 18:46:00.56 ID:CedWcY6d0

唐突にこぼれ出た言葉。
あぁ、と千歳は思った。妙に自分の中で、しっくりとあてはまった。
「えっ?」と綾乃が目を丸くする。

綾乃「な、なななななな、何言って!?」

千歳「ほんまに好きで好きでしかたなくて、
    もし歳納さんと別れるんやったらうちと付き合ってくれる?」

綾乃「……千歳」

暗い中でも、綾乃の顔がかあっと赤く染まっていくのがわかった。
それを見て、千歳が笑う。

千歳「なーんてな」

綾乃「へ?」


45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/20(木) 18:46:31.04 ID:CedWcY6d0

千歳「どう思た?」

綾乃「どうって……びっくりしたし、ちょっと嬉しかった……けど」

千歳「ほんとはまだ、歳納さんのことが頭にあるんやろ?」

綾乃の顔が、もっと赤く染まる。
それから、そんなこと、と言いかけて言葉に詰まったようだった。

だから、千歳はまた小さく笑いを漏らした。涙を見せないためにも。
悔しいわけでも悲しいわけでもない。
かといって、もし今の「付き合ってくれる?」という言葉を真に受けて綾乃が頷いてくれたら、
そんな期待がなかったわけでもない。
ただ、きっとこの拳一つ分の距離は埋められない。
綾乃ちゃんはきっと、うちのことを友達としてしか見てくれへんやろうから。
たとえば、結衣と京子の二人のように。


46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/20(木) 18:46:56.98 ID:CedWcY6d0
―――――
 ―――――

結衣『京子に、綾乃とケンカしたって相談されて』

電話は、結衣からのものだった。
電話越しに聞こえる結衣の声は、少しくぐもっていた。

結衣『もう、別れちゃうかもとか言われちゃってさ。
    だったら私と付き合うかって冗談半分で言ったら頷いちゃって』

頷いて、けれど結衣は「だめ」と首を振った。
自分で言っときながらさ、と結衣は笑って。

結衣『でも、綾乃は告白されてから意識しだしたのに、
    私は友達としてしか見てくれてないって知ってたから。
    友達としてしか見てくれてないのに恋人になれたって嬉しくないし。
    それに、私のせいで綾乃とケンカしたのに』

京子は優しいから。
京子を信じてやってって、綾乃に言ってあげてくれないかな。
あいつを笑顔にできるのは、たぶん綾乃しかいないから。

―――――
 ―――――

47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/20(木) 18:47:23.74 ID:CedWcY6d0

そしてたぶん、綾乃を幸せにできるのも京子しかいない――
そうやろ?綾乃ちゃん。

綾乃「……千歳、私、どうしたらいいのかしら」

千歳「……まだ歳納さんのことが好きなんやったら、もっかいちゃんと話して仲直り」

綾乃「でも……」

千歳「大丈夫や、綾乃ちゃん。歳納さんは綾乃ちゃんにぞっこんや。綾乃ちゃんだってそやろ?」

うちが言うんやから大丈夫。
そう言って笑って見せた。綾乃はやっと、ほっとしたような顔をした。

綾乃「千歳、私」

そして、立ち上がる。
いつものように、勢い込んで。けれど、今日の綾乃はいつもの数倍、かっこよく見えた気がした。


48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/20(木) 18:47:57.99 ID:CedWcY6d0

千歳「行ってきぃ、歳納さんとこ」

綾乃「この時間に行って、迷惑じゃないかしら……」

千歳「きっと歳納さんも待ってるで」

綾乃「……わかったわ、行ってくる」

千歳「うん」

綾乃が千歳に背を向ける。
揺れるポニーテール。
好きだと気付かなければ良かった。
けど、好きだと気付けて良かった。
明日からはまた、鼻血増量やろか。

ふいに、綾乃が振り返った。

綾乃「千歳!」

千歳「ん?」

綾乃「ありがと、千歳はやっぱり、私の大事な親友よ!」

うん、と千歳は頷いた。
うちも綾乃ちゃんは大切な親友やで。
そう心の中で返しながら、空を見上げた。きれいな月が歪んだ視界に映っていた。


終わり


50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/20(木) 19:10:11.13 ID:Ve6GImRDO

やっぱりせつないよぉ
乙でした
でもまた書いてくれたらうれしいな



51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/10/22(土) 00:40:42.90 ID:I5ELkhPDO

秋の夜にぴったしの切なさやった



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