後編です
519 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/20(月) 17:48:52.47 ID:KX/jAsPi0
朝、憂が起こしに来るより早く目が覚めました。
憂が来るとイヤなので。
それと気づいたらパジャマが脱がされていました。
和ちゃんの仕業です。
幸い、それ以上変なことはされてなかったみたいです。
とりあえず怒りにあまりパジャマをぶっ壊しました。
リビングに降りると、憂が朝食の準備をしていました。
憂「あっ、おはようお姉ちゃん」
唯「おはよう」
憂「朝ごはんできてるよ」
唯「うん」
憂「食べ終わったら一緒に学校に行こうね?」
唯「うん」
憂「……」
唯「……?」
憂が寂しそうな顔をしていました。
私がそっけない態度をしたからでしょうか。
ざまあみろ。
520 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/20(月) 17:49:43.04 ID:H/9TaeXi0
パジャマをぶっ壊しましたww 523 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/20(月) 18:01:37.27 ID:KX/jAsPi0
朝の支度を終え、学校に到着しました。
唯「みんなおはようー!」
今日も学校中のみんなに愛想を振りまく作業が始まります。
姫子「お、おはよう唯!」
いちご「…おはよう」
エリ「おはよう唯ちゃん!」
みんな嬉しそうに挨拶を返してくれます。
私と話せることがよっぽど幸せなんでしょうね。
律「おっす、唯!」
唯「あっ、りっちゃんおはよ~!」
律「なぁ…昨日のメール見てくれた?」
唯「え?あぁ、あれね…」
唯「見たよ!」
律「でさぁ、今日大丈夫…?」
唯「いいよ~、部活もないし」
526 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/20(月) 18:15:58.65 ID:KX/jAsPi0
律「よっしゃ!じゃあまた後でな!」
唯「うん、分かった~」
うわ…すっごいはしゃいでる。
ずっと私と遊びたかったの?
意外と寂しがりやなんだね、バカなくせに。
まぁりっちゃんはウザいけど他のみんなと比べれば実害はあまり…
律「あっ、そうだ。今日の夜はうちで夕飯食べないか?」
唯「え?」
律「唯のために作ってやりたいんだ」
唯「え~…」
りっちゃん…まさかその後自分の部屋に連れ込む気じゃないだろうね?
やめてよね、りっちゃんのアソコは殺傷兵器なんだから。
唯「…うん、わかった。ご馳走になるよ」
律「まかせろ!楽しみにしてな!!」
はぁ…断ればよかったかも。
でも家で憂と食べるよりはマシ…いや、後のことを考えればそうでもないか。
531 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/20(月) 18:30:04.63 ID:KX/jAsPi0
授業中が始まりました。
今日は英語の宿題の提出日ですが、やってきていません。
でも机の中には宿題が完璧に終わってるノートが入ってました。
和ちゃんの仕業です。
そして難なく授業を終えた私は、お昼休みに職員室に呼び出されました。
さわ子「唯ちゃん、進路はどうするの?」
唯「進路~?」
さわ子「とぼけたふりしないで」
さわ子「大学に進学するの?就職するの?それとも私と結婚するの?」
唯「……」
さわ子「私もそろそろいい年頃だし、親を心配させたくないの」
さわ子「早めに決断してね」
唯「はぁい…」
さわちゃん先生は卒業後私とゴールインするつもりです。
けどこんな年増はお断りです。
帰れババア。
534 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/20(月) 18:43:24.79 ID:KX/jAsPi0
唯「…進路かぁ」
そういえばもう高校三年生。
時の流れは早いです。
唯「やっぱり…大学進学した方がいいよね」
なんとなくでも進学はした方がいいはずです。
こんな時代ならなおさら。
でもどこの大学に行こうかな。
私成績はあまり良くないし。
この高校だって憂が替え玉してくれたから入れたところだし。
唯「はぁ~…」
そう、もともと私は頭が悪いのです。
そうなると大学は限られたところしか行けません。
ちなみに憂にはもう頼りません。
だって憂のこと嫌いだし、借りは作りたくないので。
唯「……」
でもまぁ、大学に進学すれば軽音部のみんなに会わなくて済むし…
これはこれでいいのかな。
それと今からでもちょっと勉強してなるべくいい所に入ろう。
553 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/20(月) 21:11:36.59 ID:KX/jAsPi0
5、6時間目の授業も終わり、放課後になりました。
仕方ないけどりっちゃんと遊びに行きます。
私は教室の前でりっちゃんを待っていました。
唯「うーん…遅いなぁあのデコ…」
律「わっ!!」
唯「きゃっ!?」
律「あはは!驚いた驚いた!」
唯「もう~!りっちゃんひどいよ~」
唯「いきなり後から驚かすなんて」
死ねよ。
律「ごめんごめん」
律「さ、行こうぜ」
554 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/20(月) 21:14:40.83 ID:0JhaW/jCP
唯「きゃっ!?」(演技ではない) 556 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/20(月) 21:24:12.48 ID:KX/jAsPi0
唯「ところでりっちゃんやい」
律「なんだ?」
唯「どこに遊びに行くの?」
律「うーん…それはこれから考える!」
誘っておいてそれですか。
ほんと何も考えないで生きてるんだねりっちゃんは。
脳みそないんじゃないかな。
律「とりあえず街を適当にブラつこうぜ」
唯「うん、いいよ~」
りっちゃんの財力じゃ買い物は期待できないです。
デートとしては物足りないです。
唯「わーい!久しぶりにりっちゃんとデートだ~!」
律「おいおい、そんなはしゃぐなよ」
唯「えへへ~、だってりっちゃんといるだけで幸せなんだもん」
律「ゆ、唯…」
りっちゃんのほほがほんのり赤くなりました。
なんか乙女モードに入ったみたいです。
なかなか可愛い表情するじゃないか田井中。
559 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/20(月) 21:36:35.57 ID:KX/jAsPi0
唯「あっ」
律「ん?どうした?」
唯「下駄箱…」
靴を履き替えようと下駄箱を開けてみると、中には大量のラブレターがありました。
律「うわー…すげぇな」
唯「これじゃあ靴取り出すの大変だよ~」
律「まったく、空気の読めないやつらばかりだな…」
律「唯には私っていう立派な彼女がいるのに」
唯「りっちゃん…」
律「へへっ…捨てるの手伝ってやるよ」
唯「うん、ありがとう!」
私はりっちゃんのこと彼女と思ってないけどね。
軽音部の中じゃ性格が比較的まともだから一緒にいてあげてるってだけで。
いくら可愛い顔してる時があっても、アソコが臭いってだけで大幅減点だし。
563 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/20(月) 21:52:53.97 ID:KX/jAsPi0
律「んじゃ、ゲーセンにでも行くか」
唯「私クレーンゲームやりた~い!」
律「いいぞ、じゃんじゃん取ろうぜ!」
そんなこんなで私たちはゲーセンへと向かいました。
道先の途中、トラックが破壊されているのを発見しました。
和ちゃんの仕業です。
和ちゃんは私が交通事故に遭わないように定期的にトラックをぶっ壊しています。
律「なんかの事故か?」
唯「物騒だね~」
律「そうだな…あっ、ついたぞ」
律「早速唯のやりたいやつやろうぜ!」
唯「うんっ!…あっ!?」
律「どうした?」
唯「財布忘れちゃった~」
律「しょうがないなー、今日はおごってやるよ」
唯「わーい!りっちゃん大好きー!」
まぁ財布は普通にカバンの中に入っているんですけどね。
567 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/20(月) 22:08:22.69 ID:KX/jAsPi0
律「まずは私にまかせろ唯隊員!」
唯「はいっ!りっちゃん隊員!」
このノリもいい加減ウザいです。
なにが楽しいんでしょうか?
本人はおもしろいと思ってるんでしょうか?
ウィーンウィーン
律「よし、いけ!そこだ!」
りっちゃんがお目当ての人形を取ろうとしています。
なかなか上手いです。
クレーンは人形のところまで移動し、それを掴むことができました。
律「おっしゃあ!」
唯「……」
ドン
私はりっちゃんに気づかれないようゲームの台をちょっと叩いて揺らしました。
律「あっ!?」
りっちゃんの健闘もむなしく、人形はクレーンから落ちてしまいました。
律「だ、誰だいま揺らしたの!?」
唯「さぁ~?」
569 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/20(月) 22:19:19.95 ID:KX/jAsPi0
律「ちくしょう…せかく取れそうだったのに…」
唯「ドンマイりっちゃん、しかたないよ」
唯「でもあの人形かわいいよね~、欲しいな~」
律「え?…あれ欲しいのか?」
唯「うん、だってかわいいし~」
律「…よし、任せろ」
そう言うとりっちゃんは再び台にお金を入れてプレイし始めました。
りっちゃんは人形を取ろうとします。
その度に私は台を揺らしました。
律「あっ!また!?」
唯「りっちゃんかっこわるい…」
律「っ!?」
私がそう呟くとりっちゃんはムキになってまた挑戦します。
そして私もまた台を揺らします。
律「またかよ!?」
こうやってりっちゃんの邪魔をするのは楽しいです。
573 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/20(月) 22:31:27.49 ID:KX/jAsPi0
律「ぐあーっ!!一体誰が揺らしてるんだよ!?」
まだ気づいてないみたいです。
本当に脳みそないのかな?
唯「あれ欲しいな~」
律「ま、待ってろ唯。今度こそ…」
律「あっ!?」
唯「どったの?」
律「…もうお金ない」
唯「えぇ~」
これだから貧乏人は。
ほんと使えない。
やーいやーいお前んちダンボールハウスー
律「ごめんな…」
唯「いいよいいよ、気にしないでりっちゃん」
あーぁ、グダグダなデートだよ。
こんな要領の悪い子だとは思わなかったよ。
579 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/20(月) 22:46:39.49 ID:KX/jAsPi0
お金もないし、やることもないので
私たちはそのままりっちゃんの家に行きました。
唯「わー!りっちゃんの部屋だぁ!」
律「どうぞ、いらっしゃいませ~」
唯「散らかってるね」
律「た、たまたま片付け忘れたんだよ!」
がさつな人です。
そっか、がさつだからアソコも臭いんだね。
律「まぁゆっくりしてくれ」
唯「はいは~い」
唯「あっ、このマンガ読んでもいい?」
律「ん?いいよ」
しばらくマンガでも読んで暇を潰そう。
りっちゃんとしゃべるの面倒だし。
586 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/20(月) 22:58:58.39 ID:KX/jAsPi0
唯「……」
ふぅ、マンガは楽しいなぁ。
りっちゃんといるより楽しい。
マンガだけ残してりっちゃん出てってくれないかな。
律「…なぁ、唯」
唯「んー?なにー?」
律「私のこと…好き?」
唯「もちろんだよ~。好きに決まってるじゃん」
律「じゃあ…」
唯「え?」
マンガから目を離すとりっちゃんが目の前まで来ていました。
そしていきなり私のことを押し倒してきたのです。
さすがの私もこれには驚きです。
唯「り、りっちゃん…?」
律「こうなるのは分かってて私の部屋に来たんだろ?」
589 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/20(月) 23:10:01.73 ID:KX/jAsPi0
唯「なっ、え…ちょ、ちょっと!」
律「なぁ、いいだろ唯?久しぶりなんだし…」
いやだよ。
くさいよ。
やめてよ。
唯「り、りっちゃん!」
律「唯が欲しいんだよ…」
唯「っ!?」
りつっちゃんは目をつむると私に濃厚なキスをしてきました。
りっちゃんの舌が私の口の中を犯します。
おえっ
律「はぁ…はぁ…」
律「唯…いいだろ?な?」
唯「や、やめ…っ」
完全に目がイってます。
誰かこの雄を止めてください。
593 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/20(月) 23:16:14.64 ID:CMoU8xMb0
唯「そんなりっちゃん、嫌い!」
言ってやりました。まあ本音なんですけど。
りっちゃんは大変ショックを受けた顔です。
唯「最低」
あれ、りっちゃんだんだん涙目になってきました。
写メ撮って後で大笑いしてやろうか。
律「わ、私……でも……」
りっちゃんがスカートをおずおずとずり上げてきました。
下着で私を誘惑するつもりでしょうか。
その時です。
唯「……ふごっ!?」
物凄い臭いが漂ってきました。
どうやらスカートの中に蓄えられていた最臭兵器が起動したようです。
律「その、今日は可愛い下着を選んで来たんだ……唯のために」
発信源のこの馬鹿は何やら頬を染めながらそんなことを告白しています。
こっちはそれどころではありません。
唯「ちょ、りっちゃん、げほっ、マジ、ヤバい、ふごッ!? それ、やめて、死ぬ」
呼吸し辛いです。 殺す気か。
594 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/20(月) 23:16:53.31 ID:CMoU8xMb0
律「なあ、唯、じっくり見ていいよ……////」
そう言ってこのデコッパチはスカートを更にたくし上げて行きます。
唯「もう、無理……」
ついに耐えられなくなった私はドアに向かって駆け出しました。
その時です。あろうことか床に散らばった漫画を踏んづけて、滑ってしまいました。
唯「きゃぁ!?」
律「唯!!」
りっちゃんが私を抱き止めようとしてくれました。
しかしとっさのことなので間に合わず、一緒にこけてしまいます。
マンコ臭い上に使えません。死ねばいいのに。
唯「……むが?」
そしてあろうことか
唯「!!?!?!?」
この腐れマン女の股間に思いっきり顔を突っ込んでしまいました。
唯「ふごぉぉぁッッ!!?!」
律「ゆ、唯……うれしいよ////」
私は必死でもがきましたが、あろうことかこの女、脚を絞めてきやがりました。
700 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 15:59:30.15 ID:zzzaGMNb0
律「唯…も、もう我慢できないんだよ」
律「ほら…私のここも」
唯「!?」
りっちゃんは自分の手で股間をイジりはじめました。
クチュクチュと気持ち悪い音をたてています。
律「あっ…ぅうん…」
律「ほら見ろよ…こんなに濡れて…」
唯「ひぃっ!?」
イジり終わると今度はその手を私に見せつけてきました。
汚汁でまみれた手は強烈な激臭を放っています。
まるで生ゴミを直射日光で数日間放置したような臭いです。
唯「げほっ…ごほっ…」
強烈なアンモニア臭が鼻と目を直撃し、咳き込んでしまいました。
目が痛いです。
律「すごくいやらしい匂いだな…」
このバカの感覚器官はマヒしてるのでしょうか。
704 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 16:09:58.40 ID:zzzaGMNb0
律「唯…」
唯「っ!?」
汚物人間は次になんとその汚い手で私のほっぺを触ってきました。
心臓が止まるかと思いました。
私のかわいい顔が腐っていきます。
唯「あ…あぁ…っ」
律「今度は…唯のを…」
唯「っ!!」
汚物は私のスカートの中に手をしのばせると、私の大事なところまでイジろうとしました。
唯「あうっ…ひぃっ…!!」
律「唯、気持ち良くして…」
唯「うっ…うぅ…」
律「唯?」
唯「…~~~っ」
唯「うあ~~んっ!!」
もう無理です、我慢の限界です。
ガチ泣きしました。
705 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 16:24:47.17 ID:zzzaGMNb0
律「あっ…」
唯「ひっぐ…うっ…びえ~~っ!!」
律「あの…あのっ…」
屈辱です。
ここまでの屈辱は生まれて初めてです。
あまりのショックに久しぶりに人前でマジ泣きしてしまいました。
殺してやりたいです。
唯「なんで…なんでぇ…」
律「ご、ごめん!!ここまでするつもりじゃ…」
唯「りっちゃんなんか死んじゃえ!!」
律「ゆ、唯…」
唯「うあ~んっ!!死ね死ね死んじゃえ~~~!!」
唯「お前なんか二度と私の前に現るな~っ!!」
律「……」
こんな言葉だけじゃこいつへの不満は言い尽くせません。
私は罵倒し続けます。
罵倒して罵倒して罵倒して。
一時間ぐらい罵倒し続けました。
709 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 16:36:43.65 ID:zzzaGMNb0
律「……」
唯「はぁ…はぁ…」
叫び続けてさすがに疲れてきました。
それでも私の怒りはおさまりません。
律「……」
りっちゃんはいつの間にかパンツ一丁で正座してました。
とても暗い顔をしています。
律「うぅっ…えっぐ…」
唯「……」
律「ごめ゛ん゛…ごめ゛ん゛な゛ざ゛…」
とうとう泣き始めてしまいました。
顔をクシャクシャにして。
汚い鼻水を出しながら。
ろれつの回らない口で泣きながら謝りました。
律「許じで…ぐださいだい゛…ヒッグ」
その顔を見てようや、私は落ち着きを取り戻しました。
あぁ…なんてブサイクで面白い顔なんだろう。
711 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 16:48:43.81 ID:zzzaGMNb0
唯「……」
こんなやつを一瞬でもかわいいと思ったことがあるなんて…
私は恥ずかしいです。
律「ほんとうは…ここまでするつもりじゃなかったんだ…」
りっちゃんも段々落ち着いてきました。
少し話を聞いてあげましょう。
律「久しぶりに唯と二人っきりだから…積極的にいこうとして…」
律「デートも…ヒッグ…唯に喜んでもらえるよう頑張って…」
律「でも…唯と一緒にいると嬉しくて…グズッ」
律「それで…自分のことがおさえられなくて…」
律「本当は唯のこと大切にしたいのに…」
律「それなのに…ウグッ…ごめん…」
唯「……」
律「ごめん…ヒッグ…お願いだから許して…」
律「唯に嫌われたら私…ヒッ…生きていけないよ…」
死ねばいいのに。
715 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 17:01:45.98 ID:zzzaGMNb0
唯「…りっちゃん」
律「……」
唯「私、りっちゃんに襲われてすごく怖かった」
唯「すごく悲しかった…」
律「……」
唯「だけど、もう泣かないで」
律「唯……」
唯「りっちゃんの涙を見て分かったよ、本当のりっちゃんは優しいんだって」
律「じゃ、じゃあ…」
唯「うん、許してあげる!」
見た目がかっこよくても。
普段はがさつで男の子っぽくても。
アソコが臭くても。
私は本当のりっちゃんを知ってる…
本当のりっちゃんは乙女なんだ。
死ねばいいのに。
716 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 17:12:21.70 ID:zzzaGMNb0
律「ごめん…ごめんよぉ…」
唯「もう、普段のりっちゃんと違うから驚いちゃったよ」
律「唯ぃ…」
唯「よしよし、良い子良い子」
律「グスン…唯…私のこと嫌いじゃない?」
唯「うん、嫌いじゃないよ」
律「本当?」
唯「もちろんだよ、りっちゃんのことは大好き」
律「…私も」
律「私も唯のことが好き!」
唯「えへへ」
どうやらいつも私といるときのりっちゃんに戻ったようです。
あはは、でももうかわいいと思えないな~。
唯「じゃあ…私もう帰るね」
律「えっ…」
717 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 17:26:54.11 ID:zzzaGMNb0
りっちゃんは驚きの表情です。
まさかこのままプレイが続行されるとでも思ったのでしょうか?
律「えっと…夕飯は?」
唯「ごめんね、さすがに今はそんな気分じゃないよ」
律「そっか…そうだよな」
律「…ごめん」
唯「気にしないで、また食べに来るから」
早く異臭で満ちたこの部屋から脱出しましょう。
ただでさえ顔を汚されてシャワーでも浴びたい気分だし。
唯「バイバイりっちゃん」
律「…唯」
唯「なぁに?」
律「本当に私のこと好きなんだよな?」
唯「うん、そうだよ~」
律「…まさかだけどさ…他の人つきあったりなんて…」
唯「へ?」
719 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 17:38:15.54 ID:zzzaGMNb0
律「ち、違うんだ!浮気を疑ってるとかそんなんじゃなくて…」
律「ただ…唯はモテモテだからさ」
律「ほら、さっきもラブレターいっぱいもらってたし」
律「だから…不安で」
唯「……」
唯「あはは、変なりっちゃ~ん」
唯「私はりっちゃん一筋だよ~」
律「そ、そうか。変なこと聞いてごめん」
唯「じゃあまた明日ね」
律「うん、また明日」
唯「……」
勘の良い子は嫌いです。
それに私は浮気なんてしていません。
みんなとはただ遊んであげてるだけです。
付き合ったり愛し合ったり…そんなこと私は一ミリも思っていません。
それなのに私のことを恋人だなんて思い込んで…みんな愚かです。
723 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 17:56:36.49 ID:zzzaGMNb0
私が悪い?
違います、騙されるほうが悪いんですって。
それにみんな愛だの信頼だの言ってますが
結局私のことを愛してる自分が好きなだけなんです。
「愛してる」って言ってる自分に酔ってるだけなんです。
自己中な人ばっかりです。
そんな人間を見下してる時は楽しいです。
みんな私の言うことはなんでも聞いて。
アホ面して笑って。
悲しませるといっぱい泣いて。
その気持ち悪い泣き顔を見て私は笑って。
その後適当に機嫌を直してやればまたいつも通りに戻って。
その繰り返しを…
唯「……」
でも、もう疲れてきました。
結局私のことを愛してる人なんていない。
だって本当に愛してるんだったら、
ほっといて欲しいって気持ちに気づいてくれるはずですもん。
それなのにみんな自分のことばかり…
唯「……」
気づくと自宅に着いていました。
玄関に和ちゃんが落としていったと思われるメガネがありました。
今日はそのまま放置しておきました。
724 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 18:10:32.68 ID:zzzaGMNb0
唯「ただいま~」
憂「あっ…お姉ちゃん…」
唯「憂?なに?」
憂「あのね…話があるの」
唯「あとでもいい?私今すぐシャワー…」
憂「大切なお話なの!」
唯「憂…?」
憂「お願い…聞いて」
唯「……」
そのまま憂とリビングに行きました。
いっつもヘラヘラ笑ってる憂が、今日は珍しく真剣な顔つきです。
唯「憂い?どうしたの?」
憂「……」
けど憂の表情は曇ってもいました。
そういえば朝も元気がなかったような気がします。
727 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 18:22:27.08 ID:zzzaGMNb0
唯「?」
憂「お姉ちゃん…」
ようやく憂が重い口を開けました。
憂「今朝ね…お母さんとお父さんから連絡があったの」
唯「うん?」
憂「お母さんとお父さん…離婚するんだって」
唯「え…」
憂「……」
唯「…本当に?」
憂「……うん」
唯「……」
憂「それでね、親権の話になって…」
憂「私はお父さんとこのままここで暮らして、それでお姉ちゃんはお母さんと遠いところに…」
唯「それって…」
憂「私たち…離れ離れになっちゃうの」
728 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 18:24:19.40 ID:L9QWfgCa0
急展開 733 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 18:38:16.73 ID:zzzaGMNb0
唯「…こんな時期に?」
唯「だって来年は今年は受験だし…」
憂「でも…もう決まっちゃった話だって…」
唯「……」
親はいつもこうです。
私たちのことはほっといて、自分たちは勝手して…
なにが仲良く旅行ですか、結局別れちゃうんですか。
愛は永遠ではないんですね。
しょせんそんなものです。
唯「もうどうしようもないの?」
憂「うん…」
唯「そっか…」
憂「……」
けどこの話、私にとっては悪い話ではありません。
だって…憂とようやく別れる事ができるんですもん!
こんなに嬉しいことはありません。
憂と会えなくなるなら、親が離婚しようが何しようがどうでもいいのです。
それに憂だけでなく他の人との関係も断ち切れます。
これでもう、誰とも会わなくていいのです。
私は自由を得ることができました。
735 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 18:53:15.05 ID:zzzaGMNb0
唯「…残念だね。今までずっと二人で頑張ってきたのに」
憂「お姉ちゃん…」
唯「憂…」
憂「っ!」
私は憂をそっと優しく抱きしめました。
普段はこんなことしません。
だけど、嫌いな人がいなくなると思ったら寛大な気持ちになっちゃってつい。
憂「お姉ちゃん…お姉ちゃん…」
憂「お姉ちゃああぁぁあん!!」
憂は大泣きしてしまいました。
憂「お姉ちゃん!お姉ちゃん!!」
憂「いやだよ!!こんな形で離れたくないよぉ!!」
憂「うあぁぁぁあああん!!」
なんで優しく抱きしめてるのに泣いてるの?
私が誰かに優しくして泣かれたのは初めてのことです。
本当に変わった子だね、憂は。
あはは、変な顔
あはは。
748 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 20:34:35.77 ID:N194UkZU0
翌日、事情を説明しに朝一で職員室にいきました。
転校の手続きとか色々大変でしょうが、まぁなんとかなるでしょう。
唯「というわけでお世話になりました、さわちゃん先生」
さわ子「……」
唯「先生?」
さわ子「あ…ごめんさい。なんだって?」
唯「だから、親が別居することになったから私は転校…」
さわ子「そんなのダメに決まってるじゃない!!」
唯「ひぇ…」
さわ子「なにそれ!?私聞いてないわよ!!」
さわ子「私との婚約はどうするの!?」
そんなものしてないよ…
これだから行き遅れは。
唯「あはは、さようなら~」
749 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 20:41:45.23 ID:N194UkZU0
教室に戻るとみんなにも説明しました。
澪「う、うそだろ…」
唯「嘘じゃないよ」
律「おい…変な冗談はよせって」
唯「だから冗談じゃないって」
紬「と、とりあえずお茶でも飲んで話を…」
唯「ここ教室だよムギちゃん」
みんな混乱してるみたいです。
それもそうでしょう、最愛の人から突然別れを告げられたんですから。
唯「ごめんねみんな~もう会えないんだ~」
澪律紬「……」
唯「ごめんねごめんね~」
澪「い、いやだ…」
唯「え?」
750 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 20:46:35.32 ID:pQRr7u9SO
益子ワロタ 752 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 20:53:50.88 ID:N194UkZU0
澪「離れたくないよ唯!!」
唯「わわっ!?」
いきなり澪ちゃんが抱きしめてきました。
みんなの前だというのになんて大胆なんでしょう。
澪「唯…なんでそんなことになっちゃったんだよ!」
唯「仕方ないんだよ澪ちゃん…仕方ないの」
澪「唯ぃ…!」
私は泣いている澪ちゃんの耳元に呟きました。
唯「ありがとう澪ちゃん…澪ちゃんの書いてくれた詩は忘れないよ」
悪い意味で。
澪「うぅ…グズッ」
755 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 20:58:50.26 ID:N194UkZU0
澪ちゃんとの抱擁を終えると
次に私は財布を抱きしめました。
紬「きゃっ!」
唯「うん、ムギちゃんは柔らかいね~」
紬「唯ちゃん…」
唯「毎月ちゃんと振り込んでおいてね」
紬「うん…わかった」
財布の耳にそうささやくと、財布とても喜んでくれました。
唯「りっちゃん」
最後にりっちゃんを抱きしめました。
律「……」
唯「もう会えなくなるけど元気でね」
律「うん…」
唯「お風呂は毎日ちゃんと入るんだよ」
律「うん…?」
759 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 21:10:40.56 ID:4b99IRmO0
>>うん・・・?
wwwwwwwwwwww 760 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 21:10:45.24 ID:N194UkZU0
唯「じゃあ…私は引越しの準備があるから帰るね」
律「……」
唯「バイバイみんな」
澪「……」
紬「……」
やりました。
これで自由の身です。
もう縁を切れると思うとワクワクしてきます。
唯「みんな!大好きだよー!!」
澪「……」
律「……」
紬「……」
唯「あはは!バイビー!!」
すっかりテンションが高くなってしまいました。
それと比べてみんなかなり落ち込んだ表情です。
ざまあ。
761 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 21:12:48.03 ID:C3fRiw280
ざまあwwwwwwww 762 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 21:16:46.96 ID:N194UkZU0
唯「わーい!自由だ自由だー!」
ルンルン気分で廊下を歩いていると、憎いあんちくしょうに会いました。
梓「あっ、唯先輩」
唯「あずにゃ~ん!」
梓「どうしたんですか?機嫌が良さそうですね」
唯「えへへ~、なんでもないよ~」
梓「?」
唯「それよりあずにゃん、私転校することになったの」
梓「え?」
唯「だからあずにゃんともこれでお別れ、バイバ~イ♪」
梓「え?え??」
あずにゃんはまだ何が起きたのか分かってない様子です。
これだからバカは。
さ、帰ろ帰ろ。
764 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 21:30:53.15 ID:N194UkZU0
梓「ちょっと待ってください!」
唯「なに?」
梓「ちゃんと説明してください!一体どういう事なんですか!?」
はぁ…また始まった。
あずにゃん沸点低すぎだよ。
唯「だからね、両親が離婚して別居しちゃうから私は遠くに引っ越すの」
梓「そんな…」
唯「バイバイあずにゃん。もう別れようね」
梓「!?」
唯「遠くに引っ越し、もう会えないもん。さようなら」
梓「い、いやです!!ずっと先輩の彼女でいたいです!!」
唯「あはは、残念だけどそれ無…」
律「おい、どういうことだよ」
770 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 21:37:31.15 ID:N194UkZU0
唯「!?」
背後から声がしました。
それはかなり聞き覚えのある声。
ていうかさっきまで話してた…
律「どういうことなんだ?梓が彼女って…」
唯「り、りっちゃ…なんで…」
澪「唯…別れが寂しいから追ってきたら…」
紬「説明してもらえる?」
唯「……」
大変です、修羅場です。
いきなりすぎます。
だいたいこのチビが大声で彼女なんて言うから…
梓「せ、先輩…?この状況は…」
772 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 21:40:58.35 ID:N194UkZU0
律「それはこっちの台詞だ梓」
律「お前、さっきなんて言った?」
梓「わ、私はずっと唯先輩の彼女で…」
澪「彼女!?なにを言ってるんだお前は!!」
澪「唯の彼女は私なんだぞ!!」
律「え?」
梓「え?」
紬「は?」
澪「えっ」
唯「……」
773 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 21:41:43.77 ID:ysEuNbzE0
修羅場www 778 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 21:47:40.48 ID:TRacR5hl0
これは良展開 779 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 21:48:34.51 ID:N194UkZU0
律「おいおい澪…変なこと言うなよ」
紬「そうよ、唯ちゃんは私の彼女なんだから」
律「あ?」
紬「お?」
梓「ちょっと待ってください先輩たち。頭大丈夫ですか?」
梓「唯先輩は私の彼女ですよ?なに勝手な妄想してるんですか」
律「はぁ!?妄想!?はぁーっ!?」
紬「梓ちゃん、有名な脳外科知ってるからそこ行ってみたらどうかしら?」
律「そう言うムギはなんなんだよ」
紬「私?もちろん私が唯ちゃんの彼女よ」
澪「とうとうムギもおかしくなったか…」
澪「いいか、誰がなんと言おうと唯は私の彼女だからな!」
澪「その証拠に濃厚なエッチだってしたんだぞ!!」
783 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 21:56:50.54 ID:N194UkZU0
紬「エッチ?それなら私もしたわよ」
紬「とびっきり濃厚なやつをね」
澪「と、とびっきり!?」
紬「それはもう…澪ちゃんに内容説明すると気絶しちゃうよなエッチよ」
澪「~~~っ!?」
律「ちょ、ちょっと待て!エッチぐらい私もしたことあるぞ!!」
律「一回だけど…」
梓「はっ、一回……はっ」
律「なっ!?お、お前はなんなんだよ!?」
梓「私ですか?もちろんしましたよ」
梓「それも普通のプレーじゃありません」
梓「深夜に私が裸になって首輪をつけて唯先輩と散歩したんです」
律「うわぁ…」
澪「……」
紬「ないわ~…」
785 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 21:59:02.21 ID:JeTINkmx0
あずさwwww 787 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 22:13:06.33 ID:MAiUYB/80
あずにゃん・・・ 788 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 22:13:08.40 ID:N194UkZU0
梓「なんですか!なんか文句あるんですか!?」
梓「彼女だったら好きな人のために尽くすのはとうぜんでしょ!?」
紬「違うわよ梓ちゃん、それ遊ばれてるだけよ」
梓「嘘です!!唯先輩と私の愛は本物です!!」
梓「ね?唯せんぱ…」
律「あれ…?唯のやつどこだ?」
澪「そ、そいえば姿が見当たらない…」
紬「…逃げたわね」
律「なんだと!?こうなったら捕まえて話を聞きだしてやる!!」
791 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 22:19:19.74 ID:N194UkZU0
唯「はぁ…はぁ…」
これ以上あのバカたちの話には付き合っていられません。
逃げましょう。
どうせ今日でこの街ともおさらばですし。
唯「くっ…」
そもそも、あいつらが勝手に勘違いしてただけなのになんで。
唯「……」
もうどうでもいいや、早く学校の門から抜けて…
唯「!?」
唯「も、門が閉まってる!?」
唯「なんで!鍵も閉まってる!?」
これはどういうことでしょう。
私は辺りを見渡しました。
すると、地面に和ちゃんのメガネが落ちているのを発見しました。
そう、これは和ちゃんの仕業です。
唯「和ちゃあああああああああん!!!」
792 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 22:20:47.02 ID:uG8Ba26p0
和wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww 800 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 22:31:00.53 ID:N194UkZU0
ここにきて参りました。
あのストーカー、なんてことをしてくれたのでしょう。
私はメガネをぶっ壊しました。
唯「くぅ~~~っ!!」
「唯ー!!どこだー!!」
唯「!?」
悔しがってる場合ではありません。
私ではこの門を乗り越えることはできませんし、ひとまず隠れましょう。
私は体育倉庫へと逃げ込みました。
唯「こ、ここなら安全…」
「唯ー!どこだー!!」
「見つかったか!?」
「いえ、こっちにはいません!」
唯「……」
804 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 22:42:53.12 ID:N194UkZU0
みんな私を探してる…
なんでよ…もうほっといてよ…
どうして私じゃないといけないの…?
みんな自分勝手に私のこと好きになって…迷惑だよ。
みんなと関わりたくないよ…一人でいたいよ…
自由になりたいよ…
唯「……」
声がしなくなりました。
近くにはもう誰もいないのでしょうか。
唯「……」
ここにずっといてもしょうがありません。
外に出て脱出口を見つけないと。
唯「逃げなきゃ…早く逃げなきゃ…」
外へと出ました。
周りに注意を払いつつ、慎重に脱出を…
ピンポンパンポーン♪
唯「!?」
急に校内放送が流れ始めました。
さわ子『平沢唯さん、ただちに教室へ戻りなさい』
810 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 22:50:53.71 ID:N194UkZU0
唯「さ、さわちゃん!」
さわ子『逃げても無駄よ、唯ちゃん』
さわ子『今全校生徒があなたのことを探し回っているわ』
唯「っ!?」
さわ子『罪作りな子ね…唯ちゃん』
さわ子『みんなあなたを愛しているのよ。あなたが無関心でもね』
唯「さわちゃん…」
さわ子『素直に投降すればひどいことはしないけど…』
さわ子『そうでなければ分かってるわよね?』
唯「……」
さわ子『今の唯ちゃんはライオンばかりいる檻に放り投げられたウサギよ』
さわ子『逃げられるものなら逃げ切ってみせなさい』
唯「…っ」
さわ子『ゲームスタート』
815 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 23:03:22.71 ID:N194UkZU0
なんなんでしょうこいつらは…
なんでこんなに熱くなってるんでしょう…
その情熱や愛を他のことに使えないの!?
唯「みんな…狂ってるよ…」
唯「……」
とにかく立ち止まっていてはダメです。
ここもそのうち見つかるでしょう。
唯「逃げなきゃ…」
捕まったら何をされるか分からない…
殴られる?蹴られる?犯される?
見当もつきません。
唯「……」
とりあえず私は体育倉庫をあとにしました。
818 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/21(火) 23:12:05.34 ID:N194UkZU0
エリ「聞いた!?唯が逃げてるらしいよ!」
姫子「捕まえたら好きなことしていいんだって!」
いちご「絶対捕まえる」
信代「頑張るぞー!!」
憂「……」
純「憂!放送聞いた!?」
憂「うん…」
純「よーし!逃がさないんだから!」
純「いくら憂が妹だからって手加減しないからねっ」
憂「……」
833 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 00:21:55.10 ID:fERJPmZ70
唯「ぜぇ…ぜぇ…」
ここは裏庭でしょうか。
夢中で走っていたので自分が今どこにいるのかまだ把握できていません。
それに元々体力がない私にはこの逃走は厳しいです。
唯「ど、どこに出口が…」
エリ「みつけた!」
唯「!?」
わけの分からないモブに見つかってしまいました。
こんなヘトヘトな私ではすぐに見つかってしまいます。
エリ「待てー!」
唯「くぅっ…!」
「こっちよ!」
唯「!?」
とつぜん誰かに腕を引っ張られ、物陰へと連れ込まれました。
834 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 00:31:37.01 ID:fERJPmZ70
エリ「あ、あれ…?どこ行ったの?」
紬「ここに隠れれば安全よ」
唯「ムギちゃん…」
紬「心配しないで唯ちゃん。あなたは捕まらないわ」
紬「私が守るもの」
いや、すでにあなたに捕まってるんですけど。
唯「ど、どうして…」
紬「だって…私は唯ちゃんの恋人だから」
紬「唯ちゃんを守るのは当然の義務でしょ?」
唯「……」
紬「大丈夫、浮気したことは怒ってないから」
840 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 00:43:39.27 ID:fERJPmZ70
唯「……」
紬「確かに浮気されたことはショックだったけど…あなたが私のことを愛してくれたのは事実だから」
唯「……」
紬「私は唯ちゃんの愛を忘れない。他の子なんてただの遊びでしょ?」
紬「私が本命よね?唯ちゃん」
唯「……」
紬「ねっ?」
唯「…うん、もちろんだよ~ムギちゃん」
紬「唯ちゃん…!」
唯「澪ちゃんたちなんてただの遊び関係で、私にはムギちゃんしかいないよ」
唯「ムギちゃんだ~いすきっ!」
紬「うれしい!」
ははっ…この財布はなに言ってるんでしょうか。
まるで頭の中がお花畑ですね。
バーカ、愛してないよーだ。
842 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 00:44:36.19 ID:eC69fII90
懲りてねぇwwwwwwwwwwww 845 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 00:53:27.97 ID:fERJPmZ70
唯「それでムギちゃん、これからどうするの?」
紬「脱出ルートは私のほうで確保したわ。一緒に逃げましょう」
唯「さすがムギちゃん!」
紬「ふふっ、これからはずっと一緒ね」
唯「え…?」
紬「唯ちゃんの両親離婚したんでしょ?ひどいわよね」
紬「そんな親御さんのところ唯ちゃんは預けられないわ」
紬「私といっしょに暮らしましょ?」
唯「ちょ、ちょっと…」
紬「大丈夫、高校は私立の有名なところに転校させてあげるから」
紬「ついでに私もそこに通うわ」
紬「そして大学も有名なお嬢様校に…」
紬「もちろん唯ちゃんは勉強しなくていいのよ?私が裏口で入学させてあげる」
唯「ひっ…」
紬「私、唯ちゃんと二人で末永く幸せに暮らすのが夢だったの~」
854 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 01:03:36.55 ID:fERJPmZ70
紬「うふふっ」
唯「あ…あぁ…」
体の震えが止まりません。
この人頭おかしいです。
私は自由が欲しいだけなんです。
自由に起きて
自由にご飯食べて
自由に遊んで
自由にお風呂入って
自由に寝たいだけなんです。
それなのにこの人…私を一生束縛する気でいます。
いくらお金があるからって自由を奪われたらたまったもんじゃありません。
紬「さ、早く逃げましょ唯ちゃん」
ムギちゃんが腕をつかんできました。
唯「い、いや…」
紬「唯ちゃん?」
唯「わ…私はイヤぁ!!」
つかまれた腕を振りほどいて、私はその場から逃げ出しました。
859 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 01:14:25.91 ID:fERJPmZ70
紬「待ちなさい唯ちゃん!!」
唯「いやああぁぁああっ!!」
必死に逃げました。
捕まれば一生檻の中も同然の暮らしです。
そんなのイヤです。
絶対イヤです。
紬「唯ちゃん!!」
ムギちゃんは全力疾走で私を追いかけてきました。
体力がほぼゼロの私はこのままでは捕まってしまいます。
ていうかムギちゃんはすぐ後ろまで来ていました。
紬「これで決まりよ!」
唯「!!」
そしてムギちゃんの手が私の肩をつかもうとする
その時でした
純「唯先輩!」
紬「きゃっ!?」
860 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 01:19:29.05 ID:fERJPmZ70
ドンッ
ムギちゃんが誰かとぶつかった音がしました。
どうやら地面に倒れたみたいです。
純「いった~…」
純「あっ!唯先輩確保!!」
紬「ちょっと…離して!!」
純「あ、あれ?唯先輩じゃない!?」
紬「ゆ、唯ちゃん待って!」
純「あっ!?」
唯「はぁ…はぁ…」
二人がドタバタしてる間に私は遠くへと逃げることに成功しました。
バカはバカ同士仲良くやっててください。
862 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 01:23:58.17 ID:fERJPmZ70
紬「ゆ、唯ちゃん…」
紬「どうしてくれるの!?あなたのせいで逃げられちゃったじゃない!!」
純「あっちゃ~…しょうがないなぁ」
純「すいません」
紬「すいませんって…!」
純「お詫びにこれあげます、賠償金ってことで」
紬「え…」
純「少ないですけどどうぞ、一万円です」
紬「……」
紬「鈴木さんって…人をお怒らせるのが上手なのね」
純「そんな褒めなくても」
872 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 02:19:35.49 ID:fERJPmZ70
唯「ぜぇ…ひぃ…」
よしよし、バカたちはうまくまいたみたいです。
それにしてもかなり疲れました。
どこかで休まないと死んでしまいます。
裏庭から逃げた私は、校内の裏口付近に来ていました。
いちご「いた」
唯「!?」
信代「見つけたー!」
唯「うっ…うぅ…」
どこもかしこもライオンだらけです。
唯「うあーっ!!」
信代「あっ!待て!」
二匹のライオンに追い詰められた私はしかたなく校内へと逃げ込みました。
本当は危険だけど、もう逃げ場がないのです。
こうなったらどこかに隠れて休みましょう。
そして隙をうかがってまた外に…
873 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 02:29:41.06 ID:ddghIsPp0
信代につかまったらマジで誰得展開だよな 874 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 02:30:10.36 ID:fERJPmZ70
唯「ひぃ…ひぃ…」
校内へと逃げ込んだ私は、普段使われていない空き教室に入りました。
その教室にある教壇の下で身をうずめて隠れています。
「どこ!?」
「見つからない!」
「あ~ん!唯ちゃん出てきてー!!」
誰が出るもんか。
こうなったら絶対生き延びてやります。
唯「……」
それにしても走る続けたせいでクタクタです。
体は汗でびっしょりだし、足は痛いし。
どうして私がこんな目に…
唯「……」
まずいです、疲れのあまり眠気が…
律「おーい、唯ー!」
唯「っ!?」
875 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 02:42:45.01 ID:fERJPmZ70
りっちゃんが教室に入ってきました。
なんて勘のいい子なんでしょう。
ほんと大ッ嫌いです。
律「唯、ここにいるんだろ?出てこいよ」
律「においで分かってんだぜ」
私の匂いは分かっててなんで自分の臭いは分からないのでしょうか。
やっぱり感覚器官に異常が起きてるとしか思え…
律「見ぃーつけた」
唯「はわっ!?」
律「捕まえたー!!」
唯「きゃああああああああっ!!」
終わった…私の人生はこれで終わりだ。
こんな悪臭女に捕まるなんて。
自殺しよう。
さようなら私…
澪「やめろ律!!」
ボカッ
律「いだっ!?」
877 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 02:54:23.84 ID:fERJPmZ70
唯「み、澪ちゃん!!」
私が捕まりそうになる前に、澪ちゃんがりっちゃんの頭を殴ってそれを阻止しました。
りっちゃんは痛そうに頭をおさえています。
私はりっちゃんがひるんでる間に澪ちゃんの後ろへ隠れました。
律「ど、どういうつもりだ澪!!なんで邪魔した!?」
澪「わ、私は唯を守っただけだ!!」
唯「澪ちゃん…」
律「おいおい…まるで私が悪者みたいだな」
律「でも、本当に悪い奴はお前の後ろでコソコソ隠れてるそいつじゃねえか?」
澪「うぅ…」
唯「……」
調子にのんなデコ。
881 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 03:05:47.10 ID:fERJPmZ70
律「澪、そいつを渡せ。そいつにはお仕置きが必要だ」
律「なんなら二人で痛い目にあわせるか?」
澪「イヤだ!唯は渡さない!!」
律「でも唯は私たち全員を裏切ったんだぞ!?」
律「お前はそれでいいのかよ!!」
澪「それは…」
唯「澪ちゃん…」
私は澪ちゃんの背中をぎゅっと抱きしめました。
そして涙目で澪ちゃんを見つめるのです。
こうやって怯えた子羊のようにしていれば、きっと澪ちゃんは期待に応えてくれるはず。
澪「…っ!」
澪「私は唯を守る!絶対に誰にも傷つけさせない!!」
ほらきた。
886 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 03:18:03.40 ID:fERJPmZ70
律「澪ぉ…!」
澪「ゆ、唯は私の彼女なんだ」
澪「生まれて初めてできた私の…」
律「そんなもん、私だってそうだ。だから裏切られて怒ってんだよ!」
澪「で、でもしょうがないじゃないか!律なんだし!!」
律「…は?」
澪「律は適当な性格でかわいくなくて…は、話してるとめんどうだし…」
うんうん、まさにその通りだよ澪ちゃん。
澪「はじめから律なんて唯の彼女にふさわしくないかったんだよ!!」
律「み、澪…お前!!」
澪「その点私は違うぞ!」
澪「私は唯のためならなんだってするし、許せる広い心を持ってる!!」
唯「澪ちゃん…ありがとう」
889 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 03:33:23.06 ID:fERJPmZ70
律「澪!お前だまされてるぞ!?」
律「正気に戻れ!!」
澪「唯…もう怖がらなくていいぞ」
澪「お前には私がいるからな」
唯「うんっ!澪ちゃんだ~いすきっ!」
浮気を許すあたり、どうやら澪ちゃんは私に完全に依存してます。
あははっ、恋は盲目ってやつですね。
バカだねぇ…ほんっとバカだよ。
律「あぁそうかい…小学校からのつきあいがある私よりそいつを信じるのか」
澪「かっ、彼女だからな!」
澪「それに唯とは将来スペインで挙式をあげるんだ」
それは遠慮するよ澪ちゃん。
なに言ってんの。
一生寒い詩を聞かせるつもり?
勘弁してよ~。
891 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 03:47:09.90 ID:fERJPmZ70
唯「澪ちゃんすてき~!」
律「くっ…だったら力ずくで!!」
澪「っ!?」
りっちゃんが突撃してきました。
澪ちゃんはそれを体全身で受け止めます。
唯「み、澪ちゃん!」
澪「逃げろ唯!早く逃げるんだ!!」
律「くそっ!離せ澪!!」
澪「離すもんか!唯は私が守るんだ!!」
澪「今のうち逃げろ唯!!」
唯「…うん、分かったよ澪ちゃん」
澪「全部終わったら…二人で旅行でも行こうな」
唯「うん、私待ってる!絶対に戻ってきてね澪ちゃん!」
まぁ待つわけないんですけどね。
バカとバカが争ってる間に私はさっさと逃げましょう。
あ~ぁ、軽音部はバカばっか。
894 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 03:59:16.56 ID:fERJPmZ70
唯「はぁ…ひぃ…」
残りの体力がほぼ尽きています。
さっきはりっちゃんのせいで休めなかったし、どこか別の場所を探さないといけません。
私は誰にも見つからないよう細心の注意を払って校内を移動しました。
でも途中で何人かに見つかってしまいました。
その度に走って逃げます。
そして体力がどんどん減っていきます。
唯「はひっ…ひぃ…」
そんなこんなで私は軽音部の部室まで来ました。
なんでこんな所に来ちゃったんだろう。
軽音部なんて大嫌いなのに。
唯「……」
でもいいや、中に入りましょう。
とにかく今は休憩が必要です。
唯「……」
…まさか、中に誰かいないよね?
私は扉をゆっくりあけて確認しました。
唯「…ほっ」
よかったぁ、誰もいない。
896 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 04:12:05.77 ID:fERJPmZ70
唯「はぁ~…どっこいしょ」
私は中に入るなり、ベンチの上に横たわりました。
ぐったりです。
ものすご~く、ぐったりです。
体には力が入りません。
喉が渇きました。
あついです。
あついのは苦手です。
辛いです。
苦しいです。
唯「……」
私…こんな所でなにやってるんだろう。
本当だったら今ごろ引越しの準備をして
明日にでもすぐに出発したかったのに。
唯「……」
これも全部みんなが悪いんだ。
みんなみんな…悪いやつらばっかだ。
もう誰とも会いたくないです。
899 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 04:34:36.17 ID:fERJPmZ70
唯「ふぃ~…あついなぁ…」
唯「……」
唯「……」
やっぱり一人が一番落ち着きます。
辛いことや苦しいことがないんですもん。
ただボーっとしてるだけでいい時間。
それでけで私は満足です。
唯「……」
一人でいいんだ。
一人がいいんだ。
私は勉強ができるわけでもないし体力があるわけでもない。
唯一の楽しみは人をバカにすること。
そんなことしか楽しめない。
それが悪いことだって分かってる。
でもバカにされるやつらの方がもっと悪いんだ。
私なんかにバカにされて、かっこわるい。
唯「……」
あっ、そういえばもう一つ楽しみはあったんだった。
唯「ギー太…」
901 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 04:52:34.84 ID:fERJPmZ70
唯「……」
最近弾いてない。
練習もあんまりしてないし。
唯「……」
でもギー太を弾いてるときは正直言って楽しい。
嫌なことを忘れる。
純粋に楽しい。
高校に入って良かったと思えることは、ギー太に出会えたことだけだ。
唯「最近弾いてないな~…」
唯「……」
唯「…~♪」
いやなこと全部終わったらギー太を弾こう。
もう私にはギー太さえあればいいや。
澪ちゃんもりっちゃんもムギちゃんもあずにゃんも憂も和ちゃんもその他大勢もいらない。
ギー太だけが私を幸せにしてくれる。
そうだ、将来は路上でギターを弾く職業の人にでもなろう。
唯「~♪」
梓「…鼻歌とはご機嫌ですね、唯先輩」
902 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 04:59:11.97 ID:fERJPmZ70
唯「ひゃっ!?」
梓「……」
唯「あ、あずにゃん…いつの間に…」
梓「ずっとホワイトボードの裏に隠れてましたよ」
唯「……」
きづかなかった。
迂闊でした。
梓「……」
唯「あずにゃん…?」
梓「唯先輩は誰が好きなんですか?」
唯「……」
梓「答えてください」
唯「……」
梓「答えてよ!!」
904 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 05:13:19.81 ID:fERJPmZ70
またです。
またこの子はうざったい。
もうほっといてよ、あずにゃんなんか嫌いなんだよ。
死んじゃえバーカ。
唯「…え~、あずにゃんに決まってるじゃ~ん」
梓「……」
唯「ほらほらあずにゃん、そんな怒んないでよ」
梓「……」
唯「よしよし、いい子いい子~」
梓「……」
唯「あずにゃん、大好きだよっ!」
梓「……っ」
唯「…あずにゃん?」
――バチンッ
907 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 05:24:19.67 ID:fERJPmZ70
急にほほに痛みが走りました。
一瞬なにが起こったのか分かりませんでした。
唯「……?」
ほっぺがヒリヒリします。
熱いです。
痛いです。
目からちょっと涙が出てきました。
梓「……」
唯「……」
よく見るとあずにゃんも泣いていました。
いつも通り変な泣き顔です。
でも今はなぜか笑えませんでした。
唯「……」
あぁそっか、私ぶたれたんだ。
あずにゃんにおもいっきり…
だからこんなに痛いんだ。
梓「…ですか」
唯「え…?」
梓「なんで唯先輩は…嘘ばっかりつくんですか」
912 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 05:46:40.95 ID:fERJPmZ70
唯「……」
梓「もう私…イヤです…」
梓「大好きな人に嘘をつかれつづけるなんて…」
唯「……」
梓「唯先輩…もうやめてください…」
あずにゃんの顔は崩れてます。
目からは大粒の涙がポロポロ落ちています。
目の周りは真っ赤です。
鼻もズーズーいってます。
口もうまく動いていません。
本当にいつもと同じ泣き顔です。
なのになんで笑えないんだろう。
梓「唯先輩は、私の憧れなんです…」
梓「先輩のギターを弾く姿を見たら…軽音部に入ったんです」
梓「先輩がいたから…今も楽しく音楽を続けられて…」
唯「……」
梓「なのに…そんな人が嘘なんてついちゃ…イヤです…っ」
952 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 11:38:51.19 ID:fERJPmZ70
唯「……」
なに言ってるの?
勝手に憧れたり好きになったり。
迷惑だよ。
疲れるんだよ。
唯「……」
梓「唯先輩…」
唯「……」
梓「唯先輩にとって私ってなんなんですか…?」
唯「……」
梓「……」
唯「……」
梓「……」
唯「…あはは、あずにゃんっておもしろいよね~」
955 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 11:53:13.50 ID:fERJPmZ70
梓「……」
唯「そんなに私じゃないとダメ?なんで??」
唯「分かんないな~」
梓「……」
唯「みんなさ、色恋にうつつをぬかすほどヒマなんだね」
唯「もっと他のことに熱中すればいいのに」
梓「……」
唯「…ばいばい、あずにゃん。もう私は行くね」
梓「……一人でギター弾いてて楽しいんですか?」
唯「……」
唯「楽しいよ?」
梓「…そうですか」
唯「……」
梓「……」
唯「さようなら」
957 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 12:05:49.44 ID:fERJPmZ70
私は部室から出て行きました。
あずにゃんは追ってきません。
もう私に興味なくしたのかな?
まぁ私は最初からあずにゃんに興味なかったからいいけど。
唯「……」
校内は相変わらず私のことを探してる人たちでいっぱいです。
どいつもこいつも死んじゃえばいいのに。
今から大地震でも起きて私だけ生き残らないかな。
唯「……」
これからどこに行こう…
唯「……」
そうだ、屋上に行こう。
空でも見ながらのんびりしよう。
誰もいませんように。
誰も来ませんように。
唯「……」
私は他の人たちの目をくぐって、なんとか屋上へとたどり着きました。
960 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 12:22:16.16 ID:fERJPmZ70
唯「んー♪いい天気」
よかった。
誰もいないみたいです。
校庭のほうを見下ろすと、みんなが私のことを探していました。
あはは、ゴミ虫みたい。
唯「みんな私を捕まえてどうする気なんだろう」
唯「デートしたいの?イチャイチャしたいの?」
唯「それともやっぱりセックス?変態ばっかだね」
唯「……」
唯「よいしょっ」
私は防網を乗り越えました。
961 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 12:27:36.99 ID:pBYgDOUw0
おいやめろ
おい 962 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 12:33:04.84 ID:fERJPmZ70
唯「お~!絶景かな絶景かな」
防網から降りると、さっきよりもみんなのことがよく見えました。
でもここは一歩踏み間違えれば地面に落ちて死んじゃう危険な場所。
気をつけないと。
唯「……」
だったら防網なんて乗り越えなきゃよかったのに。
わざわざ自分から危険なところに来るなんて…私もバカだ。
唯「わ~…おっこちたらいたそ~」
下を見下ろすと地面が遠いところにありました。
見つめてたらそのまま吸い込まれてしまいそうです。
落ちたらどうなるのかな。
いたいんだろうな~。
骨も折れちゃうんだろうな~。
血もいっぱいでちゃうのかな。
脳みそもグシャーって。
唯「……」
もう想像するのはやめよう。
怖い。
964 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 12:46:08.50 ID:fERJPmZ70
唯「……」
みんなまだ私のことを探してます。
すぐ上にいるのに気づかないなんて。
しょせんそんなもんだよ。
自分のことしかみてないんだから見つかるわけないよ。
みんなが言う愛なんて…自己満足にしかすぎないんだよ。
唯「…もしもしカメよ、カメさんよ~♪」
唯「世界のうちでお前ほど~♪」
唯「歩みののろいものはない~♪」
唯「どうしてそんなにのろいのか~♪」
私は歌いながら高校生活を振り返っていました。
思えば楽しかったといえる思い出が一つもありません。
入学したときからずっと今みたいな生活が続いていて。
それで私は今日まで来て。
唯「……」
私の高校生活はなんだったんでしょう。
967 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 12:55:23.56 ID:fERJPmZ70
もっと普通にみんなと遊んで。
お茶飲んで。
お菓子食べて。
部活して。
なんでそういう普通のことができなかったんでしょう。
自分勝手なみんなが悪い?
それともみんなを騙してた私が悪い?
もうそれならそれでもいいや。
どうせ後戻りできないんだし。
いまさらどうにもできないんだし…
唯「……」
唯「…思い出、ほしかったなぁ」
いっそのこと、このまま落ちて楽になったほうがいいのかな。
そうすればもうみんなと会わずにすむし。
唯「……」
唯「…なんちゃって」
憂「お姉ちゃん」
970 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 13:04:46.47 ID:me1g5teK0
憂きたあああああああああああああ 972 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 13:05:50.75 ID:fERJPmZ70
唯「!?」
憂「……」
唯「う、憂…」
うしろに憂がいました。
びっくりしました。
唯「……」
憂「……」
唯「…ここにいるってよく分かったね」
憂「妹だから」
唯「そっか…憂は妹なんだっけ」
憂「……」
唯「……」
憂「……」
唯「……」
974 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 13:19:25.12 ID:fERJPmZ70
防網越しの沈黙がしばらく続きました。
お互いにただ見つめあっているだけです。
なにも考えていません。
唯「……」
憂「ねぇ、お姉ちゃん」
憂が先に口を開きました。
憂「私のこと…好き?」
またその質問。
うんざりだよ。
唯「……」
憂「私はお姉ちゃんのこと好きだよ。大好き」
唯「……」
分かってるよ。
イヤってほど。
けど私は憂とは違う。
唯「…私は」
唯「憂のことがキライ」
976 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 13:32:15.72 ID:fERJPmZ70
憂「うん、知ってた」
唯「え…」
憂「……」
知ってた?
私が憂のことキライだってこと?
なんで…
てっきり憂のことだから自分のこと好きだって勘違いしてたんじゃ…
憂「それぐらい分かるよ…今までずっと一緒に暮らしてたんだから」
唯「……」
憂「…だから私、お姉ちゃんに好かれようと色々やった」
憂「お姉ちゃんのためにご飯を作ったり、お風呂で体を洗ったり…」
憂「とにかくお姉ちゃんの役に立ちたかったの」
憂「…私にはそれぐらいしかできないかったから」
唯「……」
979 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 13:43:04.85 ID:fERJPmZ70
憂「でも昨日気づいた。それ、全部迷惑だったんだよね?」
唯「……」
憂「お姉ちゃん、私と離れ離れになるって知って…すごい嬉しそうだったから」
唯「…そんな嬉しそうな顔してたっけ?」
憂「してなくても分かるよ」
唯「……」
憂「その時…ようやく知ったよ。今まで私のしてきたことは全て無駄なんだって」
憂「逆にお姉ちゃんを苦しめてたんだって」
唯「……」
憂「…ごめんさい、お姉ちゃん」
憂「お姉ちゃんの気持ち…分かってあげれなくて」
唯「……」
憂「妹失格だよね…」
982 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 13:50:22.27 ID:fERJPmZ70
唯「……」
憂「……」
唯「……で?」
憂「え…」
唯「だからなに?」
憂「……」
唯「憂が妹失格なんてとっくに知ってるよ」
唯「それで?いまさら謝ってどうするつもり?」
唯「私が泣いて抱きしめてくれるとでも思った?」
憂「そ、それは…」
唯「あはは…ドラマの見すぎだよ、うい~」
憂「……」
唯「…みんなバカだよね」
987 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/22(水) 14:07:10.35 ID:fERJPmZ70
唯「澪ちゃんなんか見かけがいいから遊んであげたのに、それだけで彼女気取りしちゃってさ」
唯「りっちゃんはあの中で一番まともな性格だと思ってたけど…臭いし」
唯「ムギちゃんはただの財布。それに気づかないでヘラヘラ笑っててさ」
唯「あずにゃんなんか論外だよ。私は興味もなかったのに勝手に付きまとってきて」
唯「和ちゃんは言わなくても…」
唯「それに性癖がおかしな人もいるし…ほんとどうなってるの」
憂「……」
唯「そんなみんなが私は大ッキライ!!」
憂「……」
唯「…でも私が『好き』っていえば喜ぶんだよ?嬉しそうな顔して笑うんだよ?」
唯「あはは、おもしろいよね~。本当はキライなのにみんな騙されてて」
唯「その時私は心の中でこう思うんだぁ…」
唯「バーカ、って」
唯「それがすっごく楽しんだよ~。憂もこんどやってみなよ~?」
憂「……」
995 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします - 2010/09/22(水) 14:19:14.01 ID:fERJPmZ70
唯「あはは…あはははっ」
唯「あ~…楽しい」
憂「……」
唯「……なにその目は?」
唯「なんでそんな悲しそうな目で私を見るの?」
唯「ねぇ、やめてよ」
憂「……」
唯「やめてって言ってるでしょ?お姉ちゃんの言うことが聞けないの?」
憂「……」
唯「やめてよ……っ」
唯「やめろぉ!!」
憂「お姉ちゃん…」
さわ子「いい加減にしなさい唯ちゃん」
唯「っ!?」
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/23(木) 02:14:06.37 ID:hsoXbO790
憂「せ、先生!いつの間に!?」
唯「さわちゃん…」
さわ子「いつまで強がってるの?唯ちゃん」
唯「強がるぅ?なに言ってるの~?」
唯「私分かんないよ~さわちゃ~ん」
さわ子「もうそういうキャラはいいのよ?」
唯「……」
さわ子「私には分かるわ…」
さわ子「唯ちゃん、本当は寂しいだけなんでしょ?」
唯「……は?」
さわ子「みんなのことキライとか言ってるけど…それは嘘よ」
さわ子「寂しさを誤魔化すためのね」
さわ子「唯ちゃんは自分自身に嘘ついてるの。それを認めなさい」
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/23(木) 02:27:37.93 ID:hsoXbO790
唯「…いきなりなに言ってるの?」
唯「私が寂しいわけないじゃん。むしろ一人でいたいぐらいだよ」
さわ子「それも嘘。ていうかあなた、もう一人ぼっちでしょ?」
唯「……」
さわ子「そうよねぇ?…誰にも心を開かなかったんですもの」
さわ子「ずっとふさぎ込んで…とっくに一人になっていた」
さわ子「そんな自分を認めたくないから、自分に嘘をついてまで…」
さわ子「他人を嫌い、見下し…それで平常心を保つようにしていた」
さわ子「それでいつの間にか、本当に人のことを嫌いになっちゃったのね。かわいそうな子」
唯「……」
さわ子「私が放送で唯ちゃんを追い込んだのも、あなたの本心を確認したかったからなのよ」
さわ子「あなたがピンチの時、誰かに助けを求めるかどうか…」
さわ子「本当は私のところに来て欲しかったんだけど…ま、期待はしてなかったわ」
さわ子「それに結局、一人で逃げることを選んだみたいだしね」
唯「……」
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/23(木) 02:34:42.72 ID:7J+gT6bM0
なんかいい事言ってるっぽいが、この人が元凶じゃなかったっけ 93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/23(木) 02:36:11.94 ID:hsoXbO790
>>92
路線変更前のレイプ設定はなしで 95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/23(木) 02:39:42.54 ID:hsoXbO790
憂「お姉ちゃん…」
さわ子「本当はみんなと普通に接したかったのよね?」
さわ子「普通に遊んで、普通に部活して…そう思ったことあるんでしょ?」
さわ子「でも周りがそうさせなくて、自分もよけいに心を閉じて…」
さわ子「今の唯ちゃんになっちゃったのね」
唯「……っ」
さわ子「…ごめんなさい。私も悪かったわ」
さわ子「あなたの気持ちに気づくのが…遅かった」
唯「…あはは」
さわ子「唯ちゃん…?」
唯「さわちゃんが説教してる~、なんだか先生っぽいねぇ」
さわ子「……」
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/23(木) 02:53:53.25 ID:hsoXbO790
唯「……満足しましたか?言いたいこといって」
唯「満足ですよね?私の本音を見破ったつもりなんだもん」
さわ子「唯ちゃん、いつまで…!」
唯「さわちゃん、私さわちゃんのこと大ッ嫌いだよ」
さわ子「っ…」
唯「いい年してるくせに子どもっぽくてさ」
唯「それでいて結婚結婚うるさいし」
唯「本当に私と結婚するつもりなの?頭おかしいよぉ、さわちゃ~ん」
さわ子「……」
唯「他のみんなもそう、バカばっか……」
律「誰がバカだって?」
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/23(木) 03:04:43.64 ID:hsoXbO790
唯「あっ…」
澪「唯…」
紬「唯ちゃん…」
梓「……」
唯「…みんな来たんだ」
律「あぁ、和からここに唯がいるってメールが送られてな」
唯「和ちゃん…また和ちゃんか」
唯「…いいの?ケンカしてなくて」
律「もうする必要ねえよ。そんな様子でもないし」
唯「……」
澪「唯、とりあえず話し合おう。な?」
紬「そうよ…私も一方的過ぎたわ。ごめんなさい、謝る」
紬「だからこっちへ来て。お願い」
律「私もついカッとなりすぎた。反省してるよ」
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/23(木) 03:12:30.83 ID:hsoXbO790
唯「……」
梓「…唯先輩」
唯「あずにゃん…」
梓「私…唯先輩に裏切られてまだショックです」
唯「……」
梓「でも…確かに私にも悪いところがあったんですよね」
梓「それなのに殴ってしまって…すいませんでした」
唯「……」
梓「私、もう一度唯先輩とギターを弾きたいです」
梓「唯先輩がよければ…」
梓「お願いです!戻ってきてください!!」
憂「お姉ちゃん、私からもお願い!」
憂「もうしつこくしないから!迷惑かけないから!!」
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/23(木) 03:18:26.70 ID:hsoXbO790
唯「……」
憂「お姉ちゃん!!」
唯「…もうやめてよ」
憂「え…」
梓「唯先輩…?」
唯「なんなの?私を追い込んでそんなに楽しい…?」
唯「そりゃそうだよね、今までみんなに悪いことをした悪者をやっつけるんだもん」
唯「楽しいに決まってるよね…」
さわ子「違うわ唯ちゃん!自分で自分の価値を下げないで!!」
唯「もう黙ってよぉ!!」
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/23(木) 03:23:51.41 ID:hsoXbO790
澪「ゆ、唯…」
唯「はぁ…はぁ…」
唯「うっ…うぅ…」
唯「…~っ」
唯「……どうして私にやさしくするの?」
唯「やさしくしないでよ」
唯「やさしくされると辛いんだよ」
唯「分からないの…?」
唯「もうみんなの気持ちに応えるのは疲れたんだよ!」
憂「……」
唯「…私は生まれたときから色んな人に愛情をもらった」
唯「それはとってもとっても重かった…」
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/23(木) 03:33:37.41 ID:hsoXbO790
唯「でも私には力がないんだよ……だからそんな重たいものはもてない」
唯「だったら、捨てちゃえばいいんだ…そんなもの」
唯「捨てなきゃ、私は前に進めない」
唯「重たいものを持って歩くことなんてできないもん」
唯「けど…みんなは私に重いもの持たせようとする」
唯「断っても持たせようと…」
唯「だから私は…それをあえて笑顔で受け取って、途中で捨てるの」
唯「それでもみんなは私に重たいものをどんどん持たせるのをやめない…」
唯「もう限界だよ…」
憂「お、お姉ちゃん…?」
唯「あはは……もう無理」
唯「…ここから落ちれば全部捨てられるのかな」
憂「!?」
律「お、おい!なに考えてんだよ!!」
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/23(木) 03:43:25.09 ID:hsoXbO790
唯「なにも考えてないよ…なにも考えたくないんの…」
唯「もう自由になりたいの…」
澪「やめろ唯!!」
紬「唯ちゃん!ケーキあるわよ!!」
紬「もう落ちたらお茶できないのよ!?」
梓「大好きなギターだって弾けなくなるんですよ!!」
唯「…えへへ、もう死ぬのは怖くないよ~だっ」
唯「みんなー!!みんなが大好きな唯ちゃんは本日をもって死んじゃいまーす!!」
唯「ここから地面に落ちちゃって、グチャグチャになっちゃいまーす!!」
唯「顔も体もグシャーってなっちゃいまーす!!」
唯「あははっ…あはははははは!!」
憂「もうやめてお姉ちゃん!!」
唯「…無理だよ憂…止められないよ」
唯「だって…私は死にたいんだもん…」
和「そうなんだ、じゃあ私も死ぬね」
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/23(木) 03:55:27.76 ID:hsoXbO790
唯「え…」
和「一緒に落ちましょ?唯」
唯「の、和ちゃん…なんでメガネだけじゃないの…」
和「唯が一人でしゃべってる間に近づいたのよ。相変わらず一つのことになると夢中なんだから」
唯「うっ…」
和「それより死にたいんでしょ?早く死にましょうよ」
唯「な、なんで和ちゃんまで…」
和「決まってるじゃない、唯がいない世界なんて私にはなんの意味もないわ」
和「唯だけが私の生きる希望なの。唯がいなかったら私なんて存在する意義を見出せない」
和「それなのに私一人をおいて死ぬなんて…許さないわよ?」
唯「ひっ…」
和「唯と私はいつも一緒。もちろん死ぬときもね」
和「とういうわけで私と唯は同じお墓に埋葬しておいてください」
さわ子「ちょっと!?そういうのが唯ちゃんを追い込んでるって言ってるの!!」
和「だって私の本音ですし」
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/23(木) 04:07:12.07 ID:hsoXbO790
唯「あ…あぁ…」
和「さぁ、一緒に飛び降りましょう」
唯「い、いや…」
和「どうして?死にたいんでしょ?」
唯「違う…私は…!」
和「素直になりなさい。私みたいに」
唯「いやぁ!!離してぇっ!!」
和「死にたいんでしょ!?そう言ってたじゃない!!」
唯「死にたくない!!死にたくないよぉ!!」
唯「まだ死にたくなーいーっ!!」
和「…それでこそ唯よ」
和「このへタレ」
唯「うあ~んっ!!」
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/23(木) 04:16:08.99 ID:hsoXbO790
・・・・・
和「…じゃあ、唯のことよろしくお願いします」
和「私は生徒会に行くんで」
さわ子「え、えぇ…」
唯「……」
憂「お姉ちゃん…無事でよかった!」
澪「唯、怪我はないか?」
紬「痛いところは?」
律「怖くは…まぁ和が怖かったか」
唯「……」
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/23(木) 04:26:58.64 ID:hsoXbO790
梓「唯先輩…」
唯「……」
唯「なに…?」
梓「バーカ」
唯「!?」
律「まったく、手のかかるやつだな」
唯「みんな…」
澪「ま、それが唯らしいっていうのかな」
紬「ふふっ、そうね」
唯「…どうして?怒らないの?」
律「は?なんで」
唯「だって私…みんなに悪いことして…」
律「まだ言ってんのか…」
律「そんなもん、もうどうでもいいよ」
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/23(木) 04:35:03.58 ID:hsoXbO790
唯「りっちゃん…」
律「だいたい、四股に気づかない私たちだってどうかしてたんだ」
紬「そうねぇ」
澪「でも…いつか本命は決めてもらうからな」
梓「だからこれからも私たちは、唯先輩と一緒にいます」
憂「迷惑にならない程度にね」
唯「みんな…」
さわ子「唯ちゃん、あなたも素直になって」
唯「私は…やり直したい」
唯「今度は本当の私のままで…みんなと一緒にいたい!」
唯「いいかな…?」
全員「もちろん!」
唯「みんな…大好きー!!」
バーーーーーーカ。
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/23(木) 04:37:52.24 ID:NUzquU+L0
バーーーカwwww131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/23(木) 04:42:09.20 ID:A6GUr2/g0
結局かよwwwww 133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/23(木) 04:48:49.52 ID:hsoXbO790
あぁ…やっとめんどくさい騒動も終わりました。
みんな本当にバカだね~。
独白してない間はずっと演技だったんだよ?
なのに気づかないなんて…ぷっ。
まぁ結果オーライですね。
なんか勢いにまかせて適当なこと言ったらみんな許してくれたし。
あ、でも和ちゃんは予想外だったな~。
まさかあそこまで頭イッちゃってるなんて。
ドン引きだよ~。
それにしても私、超名演技だったよね。
みーんな騙されちゃって。
将来女優にでもなろうかな。
そうだ…うち離婚するのにみんな一緒にいたいとか言っちゃったよ。
どうしよう…
まぁ後々処理しよう。
え?私の性格が歪んだ理由?
あぁ、あれも嘘です。
適当に思いついた言葉ポンポン言っただけでした。
私の性格が悪いのは生まれつきです。
なんかたまに寂しかったりもしますが、それは特に理由にはなりません。
ただ寂しいなぁって思うだけです。
なのにさわちゃんめっちゃ勘違いしてやんの。
私、笑いをこらえるのに必死でしたよ~(笑)
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/23(木) 05:03:13.68 ID:hsoXbO790
それにしても今日は色々あったな~。
マジギレする人やマジ泣きする人がいっぱい。
さすがの私もちょっとひるんだりしましたよ。
でも普段言えない文句とか言えたしスっきりしたな~。
それにめんどくさい人間関係も整理できたみたいだし。
よかったよかった。
途中なんか落ち込んだりもしましたが、もうどうでもいいや。
あー清々しい。
そして今日気づいたこと。
やっぱり私は悪くない。
みんなが100%悪い。
だってみんな私に謝ってたし。
これで束縛はゆるくなるはず。
ちょっとは自由になれるかな?
憂「お姉ちゃん」
唯「なぁに?」
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/23(木) 05:11:05.28 ID:hsoXbO790
憂「今日はお姉ちゃんが夕飯作ってみる?」
唯「え…私が?」
憂「うん、どうかな…?」
唯「う~ん…でも私」
唯「憂のご飯が食べたいな。だって美味しいし」
憂「!」
唯「憂が作ってくれる?」
憂「う、うんっ!分かった!!」
憂「私がんばる!!」
唯「でも、もう一緒にお風呂はダメだよ?」
憂「お姉ちゃんが言うならそうするよ~」
唯「えへへ」
憂「うふふ」
憂は家事をする機械に徹してください。
それが役目です。
それ以上のことはしないように。
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/23(木) 05:21:50.01 ID:hsoXbO790
澪「唯、これからもよろしくな」
唯「うんっ!」
澪ちゃんはせいぜい見た目が劣化しないように努力してください。
中身はイタイタしいんで。
律「こんなこと、二度とするなよ?」
唯「分かってるよ~」
りっちゃんには後でファブリーズでも送ってあげましょう。
紬「これで軽音部にも無事平和がおとずれたわ~」
唯「そうだねっ!」
ムギちゃんはこれからもお財布係よろしく。
梓「唯先輩、がんばりましょうね!」
唯「ラジャー!」
あずにゃん死ね。
私を殴ってヘラヘラするな。
さわ子「ふふっ、本当によかったわ」
さわちゃんと和ちゃんはもうどうでもいいや。
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/23(木) 05:23:59.63 ID:gw4JS8h60
>さわちゃんと和ちゃんはもうどうでもいいや。
糞ワロタwwww 141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/23(木) 05:35:29.10 ID:hsoXbO790
律「よーし、今日から心機一転みんな頑張るぞー!!」
全員「おーっ!!」
唯「……」
はぁ~…またストレスが溜まる日々が始まるのかな。
でも仕方ないか、それが私の日常なんだし。
他にも色々と問題は山積みだけど…少しずつ崩していこう。
そしていつか…素敵な人生を歩むんだ!
律「お~い唯!早く行くぞー!」
唯「あっ、みんな待って~!」
それまでこのバカたちにつきあってあげましょう。
しょうがないけど。
唯「みんな、ありがとう!」
唯「私、みんなのこと本当に…」
唯「大好きだよっ!!」
バーカ。
おわり
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/23(木) 05:44:00.25 ID:NUzquU+L0
乙
素晴らしいです 152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/23(木) 05:56:08.51 ID:J1N+HkiD0
「引っ越してもみんな友達だよっ」 (あーせいせいした)→着信拒否
とかしそうだな
- 関連記事
-
それにしても和......メガネ落としすぎww