素敵すぎるTOP絵をなななんとまたまたいただきました!2枚をランダム表示です!かわ唯!セシリアまどメガほむやすニャ!あっかりーん

梓「唯先輩ってくっつき虫みたいですね」

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 01:26:19.87 ID:PcvSqqCI0

冬は嫌いだ。
冷たい風にさらされて白くにごった息は、いやな感情を固めて作ったように見える。

梓「あ、唯先輩……」

少し先の道に、先輩と憂が歩いていた。

梓「先輩またくっついてる……」




 
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 01:30:47.73 ID:PcvSqqCI0

唯「うーい」

憂「おねえちゃん、ちょっと歩きにくい…」

唯先輩が憂の肩にもたれかかる形でだきあったまま二人はよろよろと歩いている
憂は軽く抵抗して姉を引き離そうとするが、少し離れた場所からでもその横顔がまんざらでもない感情を浮かべているのが見てとれる。

梓「……」

冷たい風が吹いた。


32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 01:39:34.04 ID:PcvSqqCI0

梓「先輩、憂、おはようございます」

少し駆け気味に近寄って挨拶をした。

唯「あ、あずにゃん!」

憂「梓ちゃん、おはよう」

顔の造形は同じなのに、どうして二人はこんなに違った笑顔を浮かべるのだろう。

梓「邪魔しちゃったかな?」


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 01:42:46.69 ID:PcvSqqCI0

憂「へ、なにが?」

唯「?」

わたわたと慌てて憂が手を振る。
今のはちょっと意地悪だったかもしれない。

梓「ううん、なんでもない」

憂「へんな梓ちゃん」

そんな顔しないでよ、憂。


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 01:52:22.47 ID:PcvSqqCI0

唯「ねえ、あずにゃん、これ見てこれ!」

梓「なんですか?」

唯「これ、写真!」

先輩はようやく憂から離れると、携帯を開いて差し出した。
画面には透明感のある茶色っぽいような、緑色のような何かが映っている。

ていうか近いなあ先輩。

梓「なんです、これ」

唯「ちゃばしら!」

ほれっ、と言って先輩が指差した先にはかすかなゴミのような何かがあった。

梓「茶柱、ですか」

唯「そ、茶柱!今朝お茶を飲んでたらこんなに立派な茶柱が立ったんだよー」


36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 01:58:07.64 ID:PcvSqqCI0

カメラが寄りすぎててそもそも被写体がお茶だということもわかりにくいが、たしかにそんなふうにも見えた。

梓「……で、なぜそれを私に?」

唯「あずにゃんにも幸運をわけてあげようと思って」

梓「お気づかいありがとうございます」

唯「あっ、なんか冷たい」

梓「別にそんなことないですよ」

唯「言い方が冷たいよお」

梓「これが私の普通です」


37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 02:03:55.90 ID:PcvSqqCI0

唯「そうかなあ」

唯先輩は大げさな動作で腕をくんで首をかしげた。

梓「そうですよ」

憂「ふふっ」

梓「なにかおかしい?」

憂「ううん、なんにも」

憂の頬は寒さのせいか赤くなっている。
きれいだな、と思う。


38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 02:12:16.53 ID:PcvSqqCI0

唯「あ、そういえばさー」

先輩が何か話しているが耳に入らない。
私は憂に見とれていたのだ。

風が吹く。

冷たい風に身を震わせてマフラーに顔をうずめる動作。
唯先輩と同じ色の髪がやわらかく揺れている。

唯「あずにゃん?」

……いやだな、私。


39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 02:16:27.34 ID:PcvSqqCI0

唯「あーずにゃん」

唯先輩が抱きついてきた。
思わずバランスを崩しそうになるのを、先輩の腕が支える。

唯「あずにゃん、どうしたの?」

梓「な、なにがですか?」

唯「元気ないよ?」

さっき変な顔をしてしまったのだろうか。
まるで心の中をのぞかれたような気がして、顔が熱くなった。


40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 02:20:36.30 ID:PcvSqqCI0

梓「そんなことないですよ」

唯「えー、嘘だあ。なんかあったんでしょ?」

ぎゅ、と先輩は腕に力を込めて抱き締めた。
先輩の吐息が頭にかかる。

憂が心配そうにこちらをみていた。

なにも、なにもありませんよ唯先輩。


41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 02:35:05.64 ID:PcvSqqCI0

先輩の腕の中は暖かかった。
暖房器具みたいだな、とばかなことを考える。

梓「……放してください。歩けないです」


42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 02:41:23.72 ID:PcvSqqCI0

唯「あずにゃん…」

梓「先輩」

強い口調で言うと、ようやく先輩は離れた。

唯「あずにゃん、何か悩んでる?」

梓「悩みなんてないですって」

唯「私がそんなに信用できないのー?」

梓「……なにもないですって」


43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 02:47:31.42 ID:PcvSqqCI0

いやだな。

私の中でどんどんいやな感情がふくらむ。

今、先輩が憂にアイコンタクトした気がした。

私に抱きついてる時より、憂に抱きついてる時の方が楽しそうだった。

べつにどうでもいいことなのに。


44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 02:50:44.34 ID:PcvSqqCI0

梓「どうして……」

先輩のことを考えるとばかな子になってしまう私がいる。


憂はまだ不安げな顔をしている。
そんな顔、しないでってば。
憂からお姉ちゃんをとったりしないよ。

唯「え?なんていったの?」

梓「……先輩、ひとつ訊いていいですか」


45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 02:56:55.54 ID:PcvSqqCI0

唯「なあに?」

梓「唯先輩って、どうしていつも抱きつくんですか?」

唯「ほえ?それがあずにゃんの悩み?」

梓「だから悩みなんかないですって」

唯「どうしてって言われても……」

うーん、と再び先輩は腕を組む。


46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 03:05:03.63 ID:PcvSqqCI0

本当はあの腕にいつまででも抱かれていたいと思った。

けれどダメだ。
先輩に近づいてしまうと、私は彼女の存在によこしまな感情を寄せてしまう。

唯先輩の抱擁は、そういう意味ではないのだ。

憂が無言で先輩の手をつかんだ。


47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 03:08:41.78 ID:PcvSqqCI0

唯「ほら、人とくっつくとあったかいから!」

憂「わっ、お姉ちゃん」

先輩は憂に抱きつく。
私に抱きついてる時より、憂に抱きついてる時の方が……


寒さに体が震えた。


48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 03:11:30.08 ID:PcvSqqCI0

梓「唯先輩ってくっつき虫みたいですね」

唯「あっ、笑わないでよお」


胸の奥が静かに痛んだ。

先輩と憂は恋人同士だ。それがはっきりとわかるから。


65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 04:12:09.53 ID:PcvSqqCI0

梓「ふつう暖かいからって人にくっついたりしませんよ」

唯「えー、ふつうだよー」

梓「どこがですか」

唯「ぎゅってしたら、体があったかいだけじゃなくて、心まで暖かくなれるでしょ」

梓「はあ」

唯「好きって気持ちをいっぱい伝えられるから!」


67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 04:15:56.43 ID:PcvSqqCI0

梓「……」

憂が苦笑いしている。
この人は分かって言ってるんだろうか。

唯「あずにゃんもおいでよー」

本当にこの人は分かってるのかな……

梓「……はあ」

先輩に抱きついた。


68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 04:20:24.56 ID:PcvSqqCI0

憂「!」

唯「ふぉぉ!あずにゃんが!」

二人とも目を丸くしている。

梓「何驚いてるんですか。先輩がやれって言ったんでしょ」

唯「へへへ。なんか嬉しいね、ほら憂も、むぎゅーっ!」

憂「きゃっ、おねえちゃ」

先輩は強引に私達を抱きよせて一つにくっつける。

唯「これであったかあったかだね!」


69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 04:24:40.11 ID:PcvSqqCI0

梓「そうですね…ふふ、先輩」

唯「ん?」

梓「先輩ってばかですね」

唯「えええ!?」

梓「ばかですよ、ほんとに」

嫉妬するのもなにもかもばからしくなるくらい心が暖かい。
あったかあったかだ。


70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 04:30:14.87 ID:PcvSqqCI0

憂「あずさちゃん……」

唯「ひどいよあずにゃあん!」

……。

梓「好きって気持ち、伝わりましたか?」

唯「…………うん!」


71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 04:34:34.53 ID:PcvSqqCI0

きっと先輩はわかってない。
私の気持ちなんて、なにも。
私がどれだけ身勝手な気持ちを抱いているのかとか、
どんなふうに先輩を一人占めしたいと思っているのかとか。

だけど言おうと思った。

梓「先輩のこと好きですよ」


72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 04:37:30.94 ID:PcvSqqCI0

唯「私もあずにゃんが大好きだよ!」

やっぱり、わかってない。けど、まあ、いいや。

梓「憂も大好きだよ」

いたずらっぽく言ってみる。

憂「私も……好きだよ」

それってどっちがかな、とかまた訊いたら意地悪なんだろう。


74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 04:43:11.77 ID:PcvSqqCI0

心の中が満たされていく。これが望みだったわけじゃないはずなのに。

先輩からも、私への「好き」の気持ちが伝わってくる気がした。
そして憂から先輩への気持ちも。

それは悲しいもののはずなのに、なぜか、今はこれでいいのだと思えた。

梓「あったかあったかですね」

吐いた息が白く濁る。

私の息は二人の熱い呼吸と混ざって冷たい空気の中に消えていった。


end


78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 05:29:49.75 ID:n2M1e0FJ0

切ないな。乙

脳内で3Pendと補完しとこ




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[ 2011/01/06 21:56 ] けいおん!SS | TB(0) | CM(1)
狂うんじゃないの?この子
[ 2011/01/06 23:58 ] [ 編集 ]
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